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彼方に見たい光景✨

  AMはK区役所・PMはM区役所で社会福祉職SV。いずれも初回のSV。今回で今年17回目。事例研究が深まり、多様な視点からの理解と見立てが生まれて、結果はもやもや…。決めつけ、わかったつもりがひっくり返される経験は、社会福祉職である自己覚知につながる。豊かなもやもやは素晴らしい!

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活躍する女性/福祉離れの男性

 SVで訪ねる職場はどこも女性の社会福祉職が圧倒的に多いことに気がついた。SVは10名~20名の参加者であるが80%~90%が女性という印象がある。日常的に女子学生に囲まれているので不思議に感じなかったのかもしれない。社会福祉職採用は男女別の採用形態だった時代がある。ぼくも、今になって考えると男女別だったから合格できたのかもしれない。その後、憲法第14条の平等権保障の観点から性別採用を廃止して以降は、試験結果の優秀さゆえに女性の合格者が増えてきたようだ。区役所の職場を見渡しても圧倒的に女性が多く、保育所とあまり変わらないと感じることがある。社会福祉職に果たして性別による職務上の特徴があるのだろうか?やはり、偏在するのではなくバランスが大切だと思う。男性の福祉離れへの対策が必要だと考えている。

福祉の仕事がしたい

 いい仕事をしたい!それも福祉に関する事務仕事ではなく、ソーシャルワークを深めたいという思いが事例研究をとおして感じられる。それを阻むものは、膨大な事務仕事とソーシャルワークが評価対象とされていないことだと考えている。事務仕事は「監査」を代表とした評価機能と機会があり、事務執行の管理進行と正確さが評価される仕組みになっている。ソーシャルワークを評価する基準や仕組みは、ソーシャルワークを定型化することの難しさから整備されていない。こうしたことがソーシャルワークが質的に深まらないことの一因ではないだろうか…。加えて、2020年度、2021年度に相談機関に配属された職員は、コロナ禍のために in door の業務がベースになっており、そのことがこれからの仕事の標準になってほしくないと願うばかりだ。

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見果てぬ夢と未来

 まずは、社会福祉職が事例研究をとおして新たな視点や多様な考え方を手にすることでソーシャルワークのおもしろさと醍醐味を感じてほしいと思う。その上で、社会福祉職の仕事にソーシャルワークの復権を目指した人材育成システムが構想されるべきだろう。
 彼方に見たい光景は、職場における教育的スーパービジョンが経験主義から脱却して専門性を基盤としたもの(普遍化できる価値・知識と説明可能なもの)へ洗練されることである。また、職場における社会福祉職同士によるピア・スーパービジョンが可能となる土壌と文化を構築することである。社会福祉職採用制度の存続の危機は何回かあった。全国で一番規模の大きい自治体で、全国で最初に導入した社会福祉職採用制度を辞めたとき、その影響は全国へ及び、公務福祉労働におけるソーシャルワークは著しく後退することになるだろう。そのことは市民のwell‐beingを損なうことに通じてしまう。

ていねいに取り組む

 5月から始まった「社会福祉職外部スーパービジョン研修」は、毎回、柔らかな雰囲気づくり、発言しやすい進行を配慮しながら、「ソーシャルワークの視点と基盤」を体感・体験できるように取り組んでいるつもりである。もちろん、課題も反省も数えきれないほどある。半年を振り返り、さらにていねいに取り組んでいきたいと強く思っている。

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