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いにしえの色
細見美術館にて初めて染色家吉岡幸雄さんの色を拝見した。平安時代の法典「延喜式」などの文献を参考に再現したそうだ。
自然の色を見ているうち人間本来もちあわせている五感みたいなものが呼び覚まされココロは煌々とゆらめいた。
源氏物語における色彩は約80種、用例は650余りありいかに当時の人々が色彩感覚にすぐれ美意識が高かったかがうかがえる。再現された衣装の色合は萌え、色づき.咲きにおい、咲き乱れる木々、草花のそのままにうつし出し小宇宙の中に自然を感じ日々を生きた王朝人の姿を垣間見ることができる。
不二の美というものがもしあるのなら、この時代の審美眼に眼を向けるとおもしろいかもしれない。
とくにかくにも失われた伝統色を取り戻した吉岡さんの功績は計り知れないのである。