レンジで温めないグルメな夫のオヨメサン
グルメな夫は繊細にできている。例えば、コーヒーを飲むとてきめんに眠れなくなる。コーヒーを飲んでもグースカ眠る私とは、体の出来具合からして異なるのだ。私は水道水をそのまま飲むが、グルメな夫は水をフィルターでろ過してから湯冷ましにしなければ、お腹を壊してしまう。さらに、食べ物の味にうるさい。高級レストランで食べても屋台で食べても同じと思う私とは、行って帰るほど違う。
家でも、ご飯やおかずはいちいち食べる直前にレンジで温める。私がレンジで温めないのはちょっとばかりズボラなだけ、と思っていたようだが、ある日、冷凍のかぼちゃコロッケが凍ったまま皿にのっているのを見て、さすがにオカシイと考えたようである。私にとって、かぼちゃコロッケもかぼちゃプリンも同じような味の食べ物だが、グルメな夫にとっては断じてそんなことはありえない。温かいおかずが冷めたとしても、私にとっては同じおかずだが、グルメな夫にとっては論外である。私はそんなグルメな夫を「敏感な人だ。」と思い、グルメな夫は私のあまりの鈍感さに衝撃をうけるのである。
グルメな夫が繊細であることが証明される事例が続いた。新型コロナウィルスのワクチン接種をいっしょにうけに行ったら、その後、グルメな夫は熱をだして寝込み、私はピンピンしていたのだ。