グルメな夫、グルメに飽きて帰国する
グルメな夫が再びインドネシアに行った。私は留守番である。
グルメな夫は3週間ジョクジャカルタの外国人向けのホームステイ(民宿)に泊っていた。お湯がでて、wifiがあって、洋風の朝食と肉料理の夕食がでる。グルメな夫が行ったときはすでに4人のヨーロッパ人が宿泊していた。4人とも大学で語学を教える先生だという。大学の近くには安くておいしい食堂がたくさんある。グルメな夫は毎朝10時ごろ、お気に入りの食堂へでかけて、たっぷり食べる。ご飯の上に2,3種類の野菜料理をのせ、揚魚、煮込み豆腐、テンペ(インドネシアの大豆発酵食品)、ゆで卵などを添える。毎日グルメする様子が2日に1度はWhatsAppで送られてくる。実においしそうで、うらやましい。
グルメな夫が食事の写真を送ってくるのは、料理がカラキシだめな私がちゃんと食べているかどうか心配しているからだ。
超簡単料理を何種類か並べて写真を撮り、WhatsAppで返信すると、グルメな夫が「おいしそうだね。」「がんばってるね。」とコメントしてくれる。グルメな夫に褒めてもらいながらサバイバルする日々が続いた。
そうこうしているうちに、グルメな夫が帰国した。荷ほどきもそこそこに、料理をはじめる。ありったけの野菜でオセンオセン(炒め煮)をつくり、ご飯を炊き、卵焼きをつくって、いわく、
「自分で料理できないのがつらくて・・・。」
「そうだったんだ・・・。」
毎日三度の食事を作るのに追われる人は、人様に作ってもらうと嬉しいというが、グルメな夫は逆に、上げ膳据え膳が続くと、料理禁断症状をきたすようである。