魚はグルメな夫が焼く
グルメな夫はオヨメサンの昭和時代の母に似ている。
なにしろ、ひとつのメニューを大量につくる。オヨメサンの昭和時代の母は、煮込み料理を大きな鍋いっぱいにつくっていたが、まさに同じである。
そんな昭和なグルメな夫が冷凍の魚を焼くときは、1つの袋に入っている切り身全部を解凍して焼く。冷凍庫には何種類もの魚が入っているのに、食卓には1種類の魚しか並ばない。せっかく焼いた魚も食べ飽きて、余ってしまう。
グルメな夫のオヨメサンはついに反乱を起こした。冷凍庫の中の魚の切り身を3~4種類組み合わせて袋に詰めなおしたのである。
電子レンジで魚を焼くためのトレイに3~4種類の魚の切り身を並べると、ちょうどいっぱいになり、2人で食べるのにちょうどよい量である。
オヨメサンが電子レンジで魚を焼くときは、バカの一つ覚えで5分間焼く。魚が少なければ焼きすぎになり、多ければ半生になる。
グルメな夫はついに自分で魚を焼くことにした。何度か試して、トレイにいっぱいの魚を焼く時間を6分20秒と割り出した。ちょうどこんがり焼けて、味噌漬けの味噌がきつね色になる。オヨメサンは、電子レンジでこんなことが可能なのかと驚く。
グルメな夫とオヨメサンは得意分野が補完的である。
要するに、2人合わせるとちょうどよい。
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