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グルメな夫の常識では、鶏肉は骨にくっついている

深夜にバリ島に到着し、爆睡して日も高くなってやっとのそのそ起きたら、バリ人の友人が朝ご飯を差し入れてくれた。ありがたい!
ナシ・クニン(ターメリックご飯)のナシ・ブンクス(テイクアウト用に包んだご飯)だった。おかずも何種類も入っている。しかも、鶏肉のオポール(ココナッツ煮込み)つき。なんて豪勢なんだろう!

ナシ。クニン(ターメリックご飯)とおかずをバナナの葉と蠟引き紙で包んだテイクアウト

ところが、オヨメサンが鶏肉に骨が入っていると文句を言うのだ。肉とは骨についているものであって、魚に骨があるのと同じことなのに、なんということだろう!
 
日本で鶏のから揚げを食べると骨がない。日本人は骨がないのがあたりまえと思っているようだ。インドネシア語の勉強のためにインドネシアに来た自分の学生たちも、ジョクジャカルタのグドゥック(若いジャックフルーツを煮た料理)屋さんで食べた鶏肉に骨が入っていたと、その翌日に大騒ぎして報告してきた。何があったのかと驚いた現地の先生方に説明したら、先生方は大笑い。
 
オヨメサンは魚が美味しい北陸の出身だから、魚に骨があることは心得ている。最近「骨なし」をうたう魚の切り身が増えたことを憂えているくらいだ。しかし、バンドゥンに留学した学生にスンダ料理店で魚料理を食べさせたら、のどに骨がささって大騒ぎだった。生まれて初めてだったらしく、骨が刺さったらどうしたらよいかを知らず、パニックになった。小さな玉状にご飯を丸めてごっくんと飲み込ませると、3回目で骨がとれた。
 
魚に骨があるのが日本の常識なら、
鶏肉に骨があるのはインドネシアの常識である。


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