グルメな夫、ジャワ茶と紅茶の淹れ方には凝るのに、中国緑茶はお手上げ
グルメな夫がもらったという西湖龍井茶は、お茶の新芽を青殺する過程で揉捻して出来上がる扁平光滑な形が特徴。80℃くらいのお湯でいれると薄緑色のお茶になる。何煎でもおいしく飲めるらしいけれど、毎度ふくいくとした香りと甘味があるお茶にするには、お茶を入れる技にとっても左右される。
インドネシアの茶葉には沸かしたての熱いお湯を注ぐので、ぬるいお湯を注ぐ緑茶は勝手が違う。いきおい、緑茶をいれるのはオヨメサンの役目に・・・。
緩やかな丘陵地が多いジャワ島には茶葉の生産地が集中しており、インドネシアは茶葉生産大国である。ソロ(スラカルタ市)でお茶といえば、普通、ジャスミンを少量加えたお茶をさす。茶葉はボロボロで茎がたくさんはいっていて、見かけはとても高級茶とはいえず、まるでほうじ茶のようだ。(「焦がし」というプロセスで茶色のお茶ができるという記事がある*)、中国の烏龍茶ともジャスミン茶とも香りが異なり、独特の芳香茶である。インドネシア人は砂糖をたっぷり入れて飲むが、実際砂糖を入れた方が美味しい。
*https://nusantarakitchen.blogspot.com/2018/12/teh.html
ヌサンタラ・キッチン − インドネシアごはんを、作る、食べる。「茶/The」
数多くの茶葉のブランドが売られているが、どれにもTeh Wangi(芳香茶)と書かれている。つまり、ジャスミンの花の香がつけられているということだ。ブランドによって味は微妙にちがい、2つ以上を好みでブレンドして飲む。そういえば、行きつけのお粥屋さんの女将さんは、2種類の茶葉をまぜて熱いお湯でお茶をつくると言っていた。(緑茶を加工したジャスミン茶と紅茶をブレンドするという記事もある*)グルメな夫はたいてい3種類混ぜるそうだが、キッチンには6種類の茶葉があり、ジャスミンの香りがきついのもそうでないのもある。
*https://www.wakayama-nct.ac.jp/_files/00017251/sougourensai7.pdf
インドネシアのお茶 和歌山高専教授 赤崎雄一
最近は、ソロ(スラカルタ市)で紅茶や緑茶も売られている。紅茶はインドネシアの重要な輸出品だ。「健康に!」と書かれた緑茶を買ってみたが、とうてい緑茶と呼べるものではなかった。茶葉のせいというより、水のせいだろう。
調理コンロがあるなら、ハーブティーを煮だすという選択肢もある。
ジャワのハーブティー「ウェダン・ウー(Wedang wuh)」は、樹皮、草葉、草根など雑多な材料を配合したもので、その名も「ゴミ茶」というのだが、煮だすとハッとするほど美しい赤色になる。このお茶は通常氷砂糖をセットにして売られている。ブラウンシュガーや蜂蜜を加えると美しい赤色が失われてしまうからである。味は漢方薬っぽい・・・。
我家にはグルメな夫が自分でつくるハーブティーもある。お湯に生姜とレモングラスとダウン・ジュルック(daun jerukこぶみかんの葉/カフィアライムリーフ)を入れて煮だすだけの簡単なものだが、とにかく香りがいい。
グルメな夫、すごい。