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うせろ


刺激的なタイトルで、びっくりさせてごめんなさい。でもだいじょうぶだから、安心して読んでください。


まずは、
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくおねがいいたします。


別に年で区切る必要ないよな〜とどこか頭の左奥あたりでぼんやり思いながらも、「抱負」や「目標」などと言ってしまいがちな年始。


わたしは、今年は本を沢山読みたいです。
そして、それにお金を使いたいたいです。

前々から行きたいな〜と思ってなかなか行けていなかった本屋さんへ、ちゃんと足を運びたいです。



そんな我ながらわくわくする目標への第一歩として、昨日は気になっていた本屋さんのひとつへ行ってきました。

駅から2秒のビルの、3階。

ひっそり佇むちいさなセレクト型書店(というのかな)、兼出版社。そういう書店の多くは、都心のおしゃれな駅からちょっと離れていて、わざわざそこへ行く楽しみもあり、でもちょっと遠いんだよなって気持ちも確かにあり、というところが多いけれど、ここは駅から2秒。




2秒。




駅前書店並みの、なんなら駅前書店以上の行きやすさで、とても有り難くとても有り難い。ほんとうにありがとう。なんなら地元。

今年、通いつめたいと思っている書店です。




あとうれしいのが、カフェスペースがあることと、カフェスペースのみの利用もOKなこと。そしておいしいデザートがあることと、Sを頼んでも割と大きめのマグにたっぷりのコーヒーを淹れてくれること。

ほんとうにありがとうございます。

初来店の今日はじっくり本棚を眺めたあと、ずっと読みたいなと思っていた本と、本棚で初めて知った、面白そうだなと思った本とを悩んで、後者を購入。

レジで一緒にコーヒーとショコラシュトーレン(ジェラート添え)を頼んで、窓際の席に座った。



購入した本を読み始めようかと思っていたけど、レジ前にTAKE FREEの短編小説があったので素直に一冊いただいて、それに目を通すことに。



『記憶の台風』 
利根川風太 著


窓から月が見えることに気づく。
わたしは月が好きなので途端にうれしくなっちゃう。

濃い青と濃いオレンジが、7:3くらいですごく急なグラデーションをつくっていて、月は7部分を4等分した3くらいの位置に上がっていたので、なんだか夜7:夕方3って感じがした。


『記憶の台風』は、静かな胸の高鳴りを主人公と共に感じながら進んでいく。


半分読み終わるころ、いつのまにか空のオレンジがなくなって、場面は大雨のなか、寒くて、不安で、心細い。


一緒に心細くなっていたわたしの耳に


They told him,
“Don’t you ever come around here〜♪
(奴らは言った「ここらをウロつくんじゃねえ)

Don’t wanna see your face, you better disappear”〜♪
(てめえのツラなんか見たくもねえ、さっさと失せな」)
Beat it / Michael Jackson  

突然それは響きました。


The fire’s in their eyes and their words are really clear (炎のように血走った目、響き渡る声)
So beat it, just beat it (Ooh!)
(さあ、逃げろ、とにかく逃げろ!)
Beat it / Michael Jackson  



もうわたし本読めなくなっちゃって


Just beat it〜!!!(beat it)
beat it〜!!!(beat it)
No one wants to be defeated!!!
(とにかく逃げろ、逃げろ、逃げろ
誰だって痛い目に遭うのはイヤさ)
Beat it / Michael Jackson  


とりあえずコーヒーを飲みました。



こんなに有名な曲だけど、恥ずかしながら「Beat it」がどういう意味か知らないなと思ってコーヒー片手に調べたらでてきたのが今回のタイトル



失せろ




わたしびっくり

だってこんなに落ち着いた場所で、静かな物語を読んでいて、こんなに過激な言葉が軽快なリズムで聞こえてくると思ってなかったから。

歌詞の和訳で失せろじゃなく〝逃げろ〟になっているのは、仲間に対して「逃げるは恥だが役に立つ」的に使っているからで、それがこの曲の面白いところらしい


けど、正直いまはぜんぜんそこじゃなくて
BGM「Beat it」で合うって小説なんてきっとないんじゃないかなってことと

少なくとも『記憶の台風』はそうではなかったこと




でもよくよく歌詞読むと、物語とリンクしてないでもなくてちょっと悔しかったこと


マイケルジャクソンってやっぱりすごい。


BGMはおなじくマイケルの「You are not alone」へと続いて、これまた歌詞がリンクしてないでもないのが悔しいけどやっぱりちがくて、なんだか不本意にしっぽりした雰囲気でショコラシュトーレンをつつきコーヒーを飲み、そのあとやっと知らない曲になってから続きを読みました。



すごく良い本屋さんでした。



記憶、こころの一句。
「おおきな声で笑う君が もう一度とせがむ
 私の「ら・り・る・れ・ろ」」

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