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『続々々番頭はんと丁稚どん チャンポン旅行』(1961年・松竹京都)

ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭」で、的井邦雄監督『続々々番頭はんと丁稚どん チャンポン旅行』(1961年・松竹京都)。ピカピカのプリントで、スコープ画面いっぱいに「番頭はんと丁稚どん」のゆるゆるな世界が拡がる。シリーズ4作目で、今回は松竹名物「集金旅行」よろしく、雁七(芦屋雁之助)、小松(芦屋小雁)・平松(芦屋雁平)・崑松(大村崑)が、別府から博多、長崎へと未集金回収の旅へ。

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雁七があけみ(佐野美子)に鼻の下を伸ばして、詐欺師・谷淵(トニー谷)の取り込み詐欺に遭う前半が面白い。トニー谷さんが、全編を通しての悪役で、別府行きの船で被る毛布が「ニッケ」というのがおかしい。トニー谷再ブレイクのきっかけとなった「ニッケ アベック歌合戦」がテレビで始まるのは1962年のことだが、この頃はラジオで放送中だった。

今回、道修町の薬問屋・七ふく堂のいとはんは、牧紀子さん。その許婚者にフランク永井さん。クライマックスは、ヒーローとして雲仙に駆けつけ、恋人のピンチを救う、ゆるゆるのアクションもあり^_^

浪花千栄子さんの隠居はんは、流石にすばらしく、スクリーンに大写しされるだけで、嬉しくなる。劇団・笑いの王国に在籍していた花紀京さんが郵便配達役で出てくるが、シュッとしていて若い。

テレビ版の主題歌「好きだった」(♪丁稚だって〜丁稚だって〜)を歌ってきた、和田弘とマヒナスターズが、長崎のホテルのショーで特別出演。「長崎物語」を歌う。松平直樹さんが若い!

なんといっても、長崎で取り立てに行くオンボロ豪邸の蝶々夫人! いやぁ、ぶっ飛びました! グラバー邸を模したセットで、プッチーニもビックリのレギュラー陣とのオペラ展開に、腹を抱えて大爆笑。大村崑さんの瞬発力!

で、最後は、九州〜大阪の飛行機で、フランク永井さんの甘い歌声で大団円!



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