娯楽映画研究所ダイアリー 2022年7月18日(月)〜7月24日(日)
【佐藤利明の娯楽映画研究所】
刑事ドラマの金字塔『七人の刑事 終着駅の女』の上野駅時層探検
更新しました!今回は祝・初ソフト化!『七人の刑事 終着駅の女』(1965年・日活・若杉光夫)の上野駅について語ります!
7月18日(月)『あらくれ』(1957年5月22日・東宝・成瀬巳喜男)
7月18日(月・祝)の娯楽映画研究所シアターは、連夜の成瀬巳喜男監督特集。『あらくれ』(1957年5月22日・東宝)をDVDからスクリーン投影。
徳田秋声が大正14(1915)年に読売新聞に連載した原作を、水木洋子が脚色した女性文芸映画。自然主義文学者の徳田秋声が、射実的に描いた女性の一代記を、原作のエッセンスを生かしつつ、水木洋子が成瀬映画的に自由脚色。高峰秀子が気性の激しい、生活力旺盛な「新時代」の女性の生き方をダイナミックに演じている。製作は藤本真澄ではなく、田中友幸。昭和20年代、田中プロで成瀬巳喜男の『怒りの街』(1950年・東宝)、『白い野獣』(同)をプロデュースして以来の成瀬作品となる。
7月19日(火)『杏っ子』(1957年5月13日・東宝・成瀬巳喜男)
7月19日(火)の娯楽映画研究所シアターは、連夜の成瀬巳喜男監督特集。香川京子と山村聰の父娘の揺るがない愛、ダメ男・木村功との壮絶な結婚生活を描いた『杏っ子』(1957年5月13日・東宝)をVHS録画からスクリーン投影。
成瀬としては『あに・いもうと』(1953年・大映東京)に続く、室生犀星原作。昭和31(1956)年11月19日から、昭和32(1957)年8月18日にかけて、東京新聞に連載した長編小説。脚色は水木洋子。原作のエピソードを重ねながら、成瀬巳喜男らしい父と娘の愛情、義父へのコンプレックスから、どんどんダメ男になっていく木村功にクローズアップした壮絶な夫婦の闘い(一方的に夫が悪いだけなのだが)が展開される。
テレビ「バットマン」第11話にして、フランク・ゴーシンのナゾラー(リドラー)再登場。吹き替えの脱線がますますエスカレート! 鹿児島弁の警官(声・雨森雅司)のめちゃくちゃ加減^_^ ロビンは「奥歯、ガッタガッタいわしたろ」だって!
7月20日(水)『今夜、この世界からこの恋が消えても』(2022年・東宝・三木孝浩)・『キャメラを止めるな』(2022年・仏・ミシェル・アザナヴィシウス)
これから東宝で、先日観た良作『アキラとあきら』の三木孝浩監督『今夜、この世界からこの恋が消えても』試写。徳島県出身の三木孝浩監督作品、続きますねぇ。
いやぁ、おじさん、泣いちまいましたよ。日活青春映画と「時をかける少女」と成瀬巳喜男と蔵原惟繕と、いろんな記憶が蘇る「記憶と記録」についての純愛映画。福本莉子さんがとても良い。過剰ではありますが、かなり琴線にふれる作品でした。
で、これからフランス版リメイク『キャメラを止めるな』。江戸落語を上方落語で演じたような「カメラを止めるな」→「キャメラを止めるな」でありました。同じところで笑い、同じところでぐっときました。
8月4日!娯楽映画研究家の佐藤利明と、代官山 蔦屋書店シネマコンシェルジュの吉川明利氏が、『ジュラシック・ワールド』シリーズの世界を語りつくします。zoomでもご覧頂けます!
8月10日は『あゝひめゆりの塔』で吉永小百合さん、11日は『ゴジラ』で佐藤利明が登壇します。僕は宝田明さんの平和への想いと想い出を語ります。
7月20日(水)の娯楽映画研究所シアターは、連夜の成瀬巳喜男監督特集。成瀬初のカラー、東宝スコープ大作『鰯雲』(1958年9月2日・東宝)をスクリーン投影。未DVD化なのでVHS録画を再生。追記)その後、10月に東宝からDVDリリースがアナウンスされました!
「バットマン」第13話「誘拐魔シャッポー」のヴィランは、マッド・ハッターこと和名・イカれシャッポー。演ずるは、「ジェニーの肖像」「アダム氏とマダム」「百万長者と結婚する方法」のデヴィッド・ウェイン!
7月21日(木)『ガリレオ 沈黙のパレード』(2022年・東宝・西谷弘)
これから、本当にお久しぶり「ガリレオ 沈黙のパレード」(西谷弘監督)試写。楽しみ!
西谷弘監督による「ガリレオ」第3作「沈黙のパレード」。やっぱり圧倒的にイイ。「警視庁物語」シリーズから連綿と続く刑事映画としても◯。柴崎コウさんの内海刑事復活も嬉しい。湯川先生の「さっぱりわからない」ニヤリ、「実に面白い」も健在。
草薙(北村一輝)と湯川学(福山雅治)の友情、そして久しぶりの内海(柴崎コウ)の「ガリレオ」トリオが復活。悲しみに満ちた事件の真相に迫るのだが、いろいろ情緒的にやられてしまう。モロ師岡さんが、当然のことながら、とても良い。
今回の事件も悲しいドラマ。関わった人々の怒り、悲しみに、つらさ。そして、後半のあっと驚く展開。しかし檀れいさん、ますます丹阿弥谷津子さんに見えてきましたなぁ。
選曲・出演した5月4日「くにまる食堂・西城秀樹さん特集」の文化放送番組審議会での評価です。宜しければご一読ください。本当に嬉しいご評価です。また審議委員の講評が、月刊QRでオンエアされました。鈴木純子さんのナビゲートです。嬉しくて泣けてきました。
本日、放映開始50周年!
note「太陽にほえろ! マカロニ刑事篇」詳説リンク集です。
note「太陽にほえろ! ジーパン刑事篇」詳説リンク集です。
7月21日(木)の娯楽映画研究所シアターは、連夜の成瀬巳喜男特集。今回は太平洋戦争直前、まだのんびりとした空気が味わえる小編『秀子の車掌さん』(1941年9月17日・南旺映画)をDVDからスクリーン投影。
製作の南旺映画は、1939(昭和14)年に国会議員・岩瀬亮が設立、大日本児童映画協会として教育映画を製作するも収益が上がらず、東宝と配給契約。千葉泰樹監督『空想部落』(1939年)を皮切りに一般映画を製作することに。しかし経営不振で、結局東宝傘下となり、テコ入れで藤本真澄がプロデューサーとして出向、千葉泰樹の『秀子の応援団長』(1940年)など、低予算、高収益の娯楽映画を製作していた。
少女スターとして東宝のドル箱だった高峰秀子をフィチャーしての微苦笑の喜劇。井伏鱒二の短編「おこまさん」を成瀬自身が脚色。山梨の小さなバス会社の車掌のデコちゃん、藤原釜足改め藤原鶏太の運転手コンビの、微笑ましい日常を描く。ロケーションが美しく、眺めているだけで長閑な気分になる。
甲州街道沿いをのんびり進む路線バス。運転手・園田(藤原鶏太)と車掌・おこまさん(高峰秀子)は名コンビ。社長(勝見庸太郎)はケチで、バス運行にほとんど力を入れておらず、2ヶ月も給料が遅配。それでも客が少ないから「仕方ないか」と呑気な二人。ライバルの開発バスは、新車を導入して、いつも混んでいる。北甲バスを利用する人は滅多にいない。
ある日、下宿のおばさん(清川玉枝)から教えてもらって、ラジオで東京のバスガールの「名所案内」に感激。自分たちも「名車案内」をしようと園田に持ちかける。社長からもOKとなり、文案は街の旅館に泊まっている、東京の小説家・井川先生(夏川大二郎)に頼むことに。
この井川先生、変わり者で、バスの案内が好きで、喜んで「名所案内」の原稿を執筆してくれ、さらには懇切丁寧に、おこまさんにイントネーション、読み方、タイミングなどを指導してくれる。
といった、他愛のないエピソードが微笑ましく展開。ドラマといえば、バス会社の社長が相当のワルで、従業員のことなど考えていなくて、園田がバスを田んぼに落として、おこまさんがケガした時も「エンジンを壊せ、保険金が下りるから」と偽装工作を指示。それはできないと義憤を感じた園田とおこまさん、会社を辞める決意をする。しかし井川先生が間に入ってくれて・・・
というわけで、この井川先生の「モラル」と社長の「不正」の対比がドラマといえばドラマ。しかもラストは、かなり皮肉な展開。51分の小品だが、戦前の甲州の空気をいっぱい吸い込んだ気分になる良作。
「バットマン」第15&16話。何故だか今回の吹き替えは、やたらとクレイジーキャッツ・ネタ。ジョーカーを倒したバットマン「スーダラ人生の最期はこんなもんだ」と。あと、ジョーカーのアジトがあるのが”Easy Living Candy Store ”吹き替えでは「C調菓子店」まあ、的確な訳だけど(笑)
テレビ「バットマン」(1966)Blu-rayを毎日2話(完結)ずつ吹き替えで観ている。思っていた以上に、自分の幼児期に影響を受けていたのだと改めて。しかも、あ!この次、こういうセリフがある!と思い出していく。カラフルでしかも楽しい。だからと言ってデタラメというわけでもない。このポップな感覚に、1960年代後半、幼き日の僕にかなりの影響を受けているのだなぁと。しかも往年のハリウッド・スターが毎週、ヴィランで登場する贅沢! イイものを観ていたのだなぁ。
映像のリンクは「グリーン・ホーネット」とのクロスオーバー回。
7月22日(金)『俺もお前も』(1946年6月13日・東宝・成瀬巳喜男)
7月31日(日)13:05~13:55(NHKラジオ第一)「発掘!ラジオアーカイブス」「日曜喫茶室 ~コミックソングの60年~(1986年3月23日放送)」に出演します。ハナ肇さん、宮川泰先生が出演した回を聴きながら、コミックソングの魅力についてお話します。
8月7日からスタートする「カルチャーラジオ クレイジーキャッツの音楽史」(NHKラジオ第二 毎週日曜20:00〜)と内容的にもリンクしており、1986年クレイジー結成30年のエポックを振り返ります!
つまり、7月末から8月末にかけて、NHKラジオの日曜日はクレイジーキャッツ三昧です!
渋谷でインタビューと打合せで120分、続いて近くの喫茶店で別件105分。プログラムピクチャー二本立て番組ぐらいの時間。喋り続ける。帰宅後は、明日の横浜での「赤いハンカチ」講演会の素材編集。是非是非、いらしてください!
7月22日(金)の娯楽映画研究所シアターは、連夜の成瀬巳喜男監督特集。敗戦後まもなく、エンタツ・アチャコをフィーチャーした風刺漫才喜劇『俺もお前も』(1946年6月13日・東宝)をテレビ録画からスクリーン投影。
横山エンタツ・花菱アチャコとしては、敗戦後初の正月映画『東京五人男』(1945年12月27日・東宝・斎藤寅次郎)からちょうど半年後、松竹蒲田では寅次郎監督と同じ釜の飯を食べていた成瀬監督のオリジナル脚本ということで、比べると両監督の喜劇のタッチの違いが味わえる。それが楽しい。
7月23日(土)『赤いハンカチ』(1964年・日活・舛田利雄)
本日です!
当日券もございますので、お近くの方はぜひ!
傑作『赤いハンカチ』上映後、講演をさせて頂きます。
7月23日(土)神奈川県立音楽堂で『赤いハンカチ』(1964年・日活・舛田利雄)上映、佐藤利明の講演会を開催。日活アクションの最高作、石原裕次郎さんと浅丘ルリ子さんがロケーションで訪れた神奈川県立図書館に併設された音楽堂での上映です。
13時30分開場 13時50分開映
これから横浜へ。京浜東北線でのんびり。とにかく暑い。講演会なのでジャケットを手に。トークショーならアロハなのだけど。講演とトーク、鰻重とうな丼の違い。中身は同じです。
明日は、高泉淳子さんのバースデーショーです。
明日7月24日(日) 渋谷JZBratで高泉淳子さんの「ジャジカルホット倶楽部 バースデースペシャル」にゲスト出演します。今朝、淳子さんとオンライン打合せ。結局、いつものおしゃべり。つまり、明日もリラックスした雰囲気のショーに!楽しみです。配信もあるので、是非是非!
神奈川県立音楽堂での「赤いハンカチ」上映と佐藤利明講演会、たくさんのお客様にいらして頂き、感謝感激しました。Blu-rayとはいえ、大画面で大勢の皆さんと観る「あたしのおみおつけ、おいしいのよ」「うまい!ヘソまであったまる!」「逢いたかった」「逢いたかった」「今じゃない!」と、名シーン、名台詞のオンパレード!
講演会は30分とはいえ、濃密に構成。帰りに、ひとりひとり、お客様からのご感想、ご質問に、とても充実のひとときでした。
ご参加の皆さま、ありがとうございました。
神奈川県立音楽堂での「赤いハンカチ」上映、講演会。多くの方にご来場頂きました。スタッフによる感染対策も万全でした。ありがとうございました。上映後、ステージでkeynoteを使っての講演。こんなに大きなスクリーンだったのか!と改めて。
7月24日(日)高泉淳子バースデースペシャル 映画とジャズと登場人物」(渋谷JZ Brat)
今宵、JZBratで!
#高泉淳子 さんの「ジャジカルホット倶楽部 Birthday SP 」です!
有田純弘さん、Brent Nusseyさん、大塚雄一さんの最強メンバー!
佐藤利明はトークゲストとして、高泉淳子さんの映画・音楽・ヒストリーをおしゃべりします!
配信もあります!
今日の「高泉淳子バースデースペシャル 映画とジャズと登場人物」本当に楽しいショーでした。
第一部”ルーツ・オブ・高泉淳子さん”トークのお相手を務めながら、懐かしのACTミニシアターに通い、ウディ・アレン映画に夢中になり、スタンダードに触れた日々を思い出しました。
第二部”変幻自在キャラショー”は圧巻。有田純弘さん、Brent Nusseyさん、大塚雄一さんの演奏も最高!配信でぜひお楽しみください!