『ミニミニ突撃隊』(1968年3月16日・松竹大船・梅津明治郎)
ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭」で梅津明治郎監督、西野バレエ団と松竹提携『ミニミニ突撃隊』(1968年3月16日)に突撃! ピカピカのプリントで、皆さんの美しい御御足が眩しい!
金井克子さん、由美かおるさん、原田糸子さん、奈美悦子さん、江美早苗さんの「レ・ガールズ」五人組をフィーチャーした青春音楽コメディ。ゴーゴー全盛(サイケ前夜)のゴキゲンな若者風俗を取り入れての企画。西野バレエ団と松竹としては、由美かおるさんの『レッツゴー!高校レモン娘』に次ぐ作品。
ぼくは幼稚園の頃、スレンダーな原田糸子さんが理想のお姉さんだった。そんなことを想い出しながら、楽しくスクリーンを眺めた。
脚本は「若大将」シリーズの田波康男さん。音楽は中川晶さん。「ラブ・ユー東京」でブレイク中の黒沢明とロスプリモスをフィーチャーして、ムードコーラス全盛時代のムードも体感出来る。
女子大生・カツミ(金井克子)、薫(由美かおる)、逸子(原田糸子)、奈美子(奈美悦子)は、管理の厳しい学校の寮に住んでいる。横浜のお嬢さん・幸枝(江見早苗)は自宅通学で、その兄が大学生・一郎(山田太郎)。
寮の舎監・相川女史(姫ゆり子)は男性を毛嫌いするモラリスト。とにかく厳しく、門限は夜8時。ある晩、薫、逸子、奈美子は、こっそり寮を抜け出して、ゴーゴークラブへボーイハントに。
薫は駆け出しの雑誌記者・森(石立鉄男)、逸子は金持ちの息子・井上(藤岡弘)、テレビ局の見習い岡本(山本紀彦)とそれぞれ知り合う。彼女たちの部屋の責任者・カツミ(金井克子)が、三人を探しに行ったナイトクラブでは、黒沢明とロスプリモスが出演中。カツミはひょんなことで知り合った宝石デザイナー・萩原(入川保則)と楽しい夜を過ごす。
タイトルバックは、「レ・ガールズ」五人組のスチルをレイアウトして、金井克子さんの歌う主題歌「恋人たちはいつも」が流れて「西野バレエ団」映画を印象づける。
新入生歓迎パーティーでは、エンジェルスの「Purple Haze?」をバックに五人組がごきげんなゴーゴーを披露。逸子がテレビ局の「ロスプリモスショー」のセットで、ひとり踊っていると幻想のダンス・シークエンスとなり、五人娘、それぞれの見せ場となる。振り付けは、西野皓二さん。ボブ・フォッシーやジャック・コールの振付を意識したなかなかのミュージカル・ナンバーで、西野バレエ団のレベルの高さを改めて実感。貴重な映像記録となっている。
で、メインのお話は、入川保則さんが、宝石強奪犯の嫌疑をかけられて逃亡。金井克子さんが女子寮で匿うが、舎監・姫ゆり子さんの厳しい眼をかわすのに一苦労。入川保則さんのアリバイは、犯行時間が金井克子さんとナイトクラブにいた時間なので、ロスプリモスが証明してくれればOKなのだが…
黒沢明とロスプリモスの面々「知らない」「覚えてない」の一点張りで、冷たいったらありゃしない。あれじゃイメージダウンだよ^_^ いろいろ詰めは甘いのだけど、クライマックスは、ヒロインたちとボーイフレンドが大活躍して、宝石泥棒一味を一網打尽!
堅物の姫ゆり子さんを籠絡するのがフランス語教授・藤村有弘さん。藤村有弘さんは、さすが安定のうまさ、面白さで、女の子たちの演技や梅津監督の演出の全体的危なっかしさを、ガッチリと支えてくれている。
よろしければ、娯楽映画研究への支援、是非ともよろしくお願いします。これからも娯楽映画の素晴らしさを、皆さんにお伝えしていきたいと思います。