娯楽映画研究所ダイアリー2021年11月8日(月)〜11月14日(日)
11月8日(月)『リスペクト』・『忍びの者 新・霧隠才蔵』(1966年・森一生)・『悪名十八番』(1968年・森一生)・『ゴジラ』(1954年・東宝・本多猪四郎)・『地下街の弾痕』(1949年5月2日・大映京都・森一生)
アレサ・フランクリンの音楽伝記映画『リスペクト』。1952年から1972年にかけての現代史でもあり、牧師の父親に精神的に支配され、夫のDVにボロボロになりながらも、クィーン・オブ・ソウルとしてステージに立つ。名盤「チャーチ・コンサート」の成立までのキャリアを感動的に綴っていく。エピソードの描き方が素晴らしく、心震える映画体験。傑作!
アレサ・フランクリンといえば、「チャーチ・コンサート」。映画『リスペクト』は、どん底のなかからこのアルバムを企画、復活していく1972年のアレサが… たまらんかった!
今宵のカツライス劇場。まずは、市川雷蔵さんのシリーズ第7作『忍びの者 新・霧隠才蔵』(1966年・森一生)。今回は、大坂夏の陣で、千姫(小村雪子)が、祖父・家康(小沢栄太郎)に夫・豊臣秀頼を助けて欲しいと懇願するところから始まる。
つまり、第4作『霧隠才蔵』のクライマックスから分岐した物語。第5作『続・霧隠才蔵』では、才蔵は生き延びた真田幸村親子と薩摩に逃れるが、こちらは史実通り、幸村は亡くなり、才蔵は伊賀忍者の残党と共に、駿府で家康暗殺のチャンスを伺っている。
続きましては、シリーズ第14作にして田宮二郎さんのラスト清次となった『悪名十八番』(1968年・森一生)。前作『悪名一代』でブームの任侠映画に便乗シフトしてしまったことを反省してか、いつもの「悪名」に逆戻り^_^ 依田義賢脚本の軌道修正が見事で、前作のラストで清次の代わりに、敵の親分を刺殺して自首した朝吉が、執行猶予でシャバに出てくる。
優秀な弁護士をつけて、朝吉の罪を軽くしたのは、河内でブラシ工場を経営している朝吉の兄・村上辰吉(金田龍之助)だった。久しぶりに故郷に戻って、兄貴の工場を手伝って大人しくしようとした朝吉だが、市会議員の補欠選挙に出る辰吉のライバル、町に巣食うダニのような親分・中沢(西村晃)の差金で殺人犯に仕立てられてしまう。
『ゴジラ』(1954年・東宝・本多猪四郎)4K版
今年の初めに、日本映画専門チャンネルで放映された『ゴジラ』(1954年・東宝・本多猪四郎)4K修復版、2Kダウンコンバード版を娯楽映画研究所シアター・スクリーン投影。それこそ何十回も観てきた、怪獣映画の原点にして最高峰。オープニングからゴジラ出現までのドラマ運びの巧みさ。何を隠して何を見せるか?9年前の東京大空襲を体験してきた人々が感じるゴジラ来襲への恐怖。そして生物学者としての山根恭平博士(志村喬)の「災厄よりも研究が優先」というエゴが垣間見える瞬間。大戸島でのゴジラ出現の時、誰もが後退りするのに、山根博士だけが身を乗り出す。
こうした本多猪四郎監督の演出が、キャラクターを際立たせ、ゴジラ襲来へ向けてドラマを高めていく。品川から上陸したゴジラが、高輪ゲートウェイ=大木戸で、成立したばかりの自衛隊の戦車隊を突破して、かつての江戸=東京へと入っていく。そこから銀座尾張町→炎上する銀座松坂屋→銀座4丁目・服部時計店→数寄屋橋→有楽町日劇→永田町・国会議事堂→浅草・松屋浅草→隅田川→勝鬨橋を蹂躙していく。このゴジラ来襲は、やはり「東京大空襲」の悪夢の再現でもある。円谷英二監督としては、前年、昭和28(1953)年9月公開の松竹映画『君の名は』(1953年・松竹・大庭秀雄)での「東京大空襲」の映像構成を踏まえた演出である。路地を逃げ惑う人々のカットのタイミングなど、『君の名は』と『ゴジラ』を見比べると興味深い。
MCU『エターナルズ』で、7000年間に渡って人類の技術進歩に手を貸してきたファストス(ブライアン・タイリー・ヘンリー)が、1945年8月6日の米軍による広島原爆の惨状について、広島の焼け跡で、人類最大の過ちに加担したことを嘆き悲しむシーンがあった。光量たる広島の焼け跡は、『ゴジラ』でのゴジラ来襲の惨状のシーンと僕の中ではダブる。『エターナルズ』を観ながら、それを連想したので『ゴジラ』を久しぶりに観た次第。
『地下街の弾痕』(1949年5月2日・大映京都・森一生)
大映版『細雪』(1959年・島耕二)Blu-rayに同梱されていた、戦後まもなく作られた犯罪映画『地下街の弾痕』(1949年5月2日・大映京都・森一生)をスクリーン投影。この年、OSK財団中に大映映画『最後に笑う男』(2月28日)に出演、銀幕へ進出した京マチ子さんが、犯罪的美女=ファムファタール役を担っている。大阪府警全面協力により、捜査一課の敏腕刑事たちが、梅田地下街での拳銃による殺人事件から、大規模密輸団の麻薬密輸計画を事前に粉砕するというもの。のちの東映「警視庁物語」シリーズのルーツ的作品。大映では、北原義郎さん主演『刑事部屋』(1956年・森一生)が作られるが、この時同様、大阪府警、神戸県警、京都府警全面協力によるリアルなタッチの作品。
捜査一課係長に志村喬さん、新任刑事に二本柳寛さん、その同僚に伊達三郎さん。大阪駅梅田地下街で深夜に拳銃で殺された男の身元を探っていく前半。道頓堀、心斎橋、高島屋デパート、大阪駅界隈など、昭和24年の大阪の空気がドキュメンタリー・タッチで活写されているのが嬉しい。神戸でのロケーションでは、大空襲の爪痕が残る廃ビルでの捜査など、随所に焼け跡が登場する。脚本は柳川真一さん、緻密というほどではないが、当時としてはなかなかリアルな映画だったろう。京マチ子さんは、二本柳寛さんのかつての恋人だったが、経済力のある男と結婚。しかしその男が、事件の被害者だった・・・という展開。生活のため、自立のため京マチ子さんはキャバレーの踊り子をしている。ここでセクシーな京マチ子さんの踊りが楽しめるという趣向。われらが伊達三郎さんが主要キャストの1人で、大活躍!
11月9日(火)『新書・忍びの者』(1966年・池広一夫)・『悪名一番勝負』(1969年・マキノ雅弘)
今日の「ありがとう浜村淳です」で、浜村淳さんが「世紀の楽団 唄ふ映画スタア 岸井明」から「タバコやの娘」をリピートでかけながらCDを「大阪日日新聞」の記事(共同通信配信)とともに熱く、熱く、熱くご紹介くださいました!ありがとうございます。浜村淳さん!
今宵のカツライスは、シリーズ最終第8作。市川雷蔵さん『新書・忍びの者』(1966年・池広一夫)。
時代は遡って天文年間末期。甲斐の武田勢のために火薬を調合している霞勘兵衛(須賀不二男)が、織田の喇叭=忍者に、息子・小次郎の前で惨殺される。それから20年、小次郎(市川雷蔵)は忍者の修行をして、いつかは父の仇を討とうしている。小次郎は、武田に仕える黒戸左太夫(伊藤雄之助)の弟子となり、一人前の忍者となり、武田信玄(石山健二郎)の差配で、姉川の合戦、二俣城攻めで活躍する。しかし二俣城で、信玄の裏切りにあって仲間は亡くなり、左太夫と小次郎は信玄の生命を狙うことに・・・
続きましては、勝新太郎さんの大映でのシリーズ最終第15作『悪名一番勝負』(1969年・マキノ雅弘)。前作から2年弱、田宮二郎さんの退社により、勝新の朝吉のみとなった弱さをリカバリーする意味もあって、脚本・監督にはベテラン・マキノ雅弘監督を起用。
東映、日活で、任侠映画の美学を貫いてきたマキノ雅弘監督だけに、ヴィジュアルもシックで、セットも豪華、そして今井ひろしさんのキャメラも見事。脚本は宮川一郎さんとの共同で、マキノ任侠映画としては、非の打ち所がないほど完璧な構成。
11月10日(水)『悪名 縄張荒らし』(1974年・勝プロ・増村保造)
阿佐ヶ谷ネオ書房「佐藤利明の娯楽映画研究所」収録。さいたまんぞうさんがゲストで、来てくださいました!
15日、22日配信で、知られざるさいたまんぞうを語ります!
今宵の娯楽映画研究所シアターは、5年ぶりのシリーズ第16作、勝新太郎さんと北大路欣也さんの『悪名 縄張荒らし』(1974年・勝プロ・増村保造)。東宝配給で、久しぶりに朝吉が大暴れ。
脚本・依田義賢さん、撮影・宮川一夫さん。つまり第1作のオリジネイターが集結。今東光原作による『悪名』『続・悪名』のリメイクで、大映出身の増村保造監督としては、初めての「悪名」となる。
11月11日(木) 『土竜の唄 FINAL』(2021年・東宝・三池崇史)・『兵隊やくざ』(1965年・大映東京・増村保造)・『透明人間』(1954年・東宝・小田基義)
宮藤官九郎脚本、三池崇史監督、生田斗真さん主演『土竜の唄 FINAL』(2021年・東宝・三池崇史)。完結篇だけにギャグもアクションもエスカレート。ここまでナンセンスに徹すると爽快さすらあり。「ゴジラVSコング」より突き抜けていた。ラストのビッグモンスター出現に「ウルトラQ 宇宙指令M 774」を思い出す^_^
今宵の「カツライス」は、昨夜『悪名 縄張り荒らし』(1974年・増村保造)のラストで、朝吉(勝新太郎)が日中戦争へ出征したので、それから6年後の北支を舞台にした『兵隊やくざ』(1965年・増村保造)を本当に久しぶりに。娯楽映画研究所のスクリーン投影なので、大宮貴三郎(勝新)の暴れっぷりも大迫力。
原作は「三十六人の乗客」や「ガラスの中の少女」など映画化作品も多い作家・有馬頼義の「貴三郎一代」(文藝春秋)。作者での満州での昭和12(1937)年から昭和15(1940)年にかけての兵役での体験を描いたもの。
大学卒のインテリの古参兵と、シャバではやくざだった新兵。軍隊でなければおよそ知り合うことのない二人の友情を、昭和18(1943)年、日本軍の敗色が色濃い時代を背景に描く。勝新太郎と田村高廣のコンビネーションが抜群で、田村高廣は昭和41(1966)年の第16回ブルーリボン賞・最優秀助演男優賞を受賞。大映のドル箱シリーズとなり、昭和43(1968)年の『兵隊やくざ 強奪』(田中徳三)まで8作、昭和47(1972)年には勝プロ=東宝提携で『新兵隊やくざ 火線』(増村保造)が作られ、計9作のシリーズとなった。
続きましては、小田基義監督「透明人間」(1954年)。円谷英二撮影、特殊技術指導の特撮映画なのですが、東京風景映画としても最高の一本。銀座4丁目の服部時計店から始まり、三原橋手前での透明人間轢死→新橋駅前・街頭テレビ前の群衆→河津清三郎さんと佐田豊さんのサンドイッチマンが銀座方面へ…
河津清三郎さんや三條美紀さんが住んでいるのは築地。銀座方面からは、三吉橋を渡る。袂にはスターホテル、向かいには中央区役所。
土屋嘉男さんが河津清三郎をクルマで付けるのは並木通り。後半、三條美紀さんが都電に乗っての取引シーンもたまらない。
というわけで、キャバレー黒船での重山規子さんのダンスに圧倒され、重山さんが吊るされ鞭でリンチを受けるシーンは刺激的過ぎる!
11月12日(金)『反逆の旅』(1976年・松竹・渡邊祐介)・『秋津温泉』(1962年・松竹・吉田喜重)・『キャプテン・マーベル』(2019年・MCU・アンナ・ボーデンライアン・フレック)・『続・兵隊やくざ』(1965年・大映京都・田中徳三)
渡邉祐介監督「反逆の旅」(1976年・松竹)。原作は、藤原審爾「よるべなき男の仕事 殺し」。原田芳雄さんが、表は玩具デザイナー、裏は殺しのエキスパート。田中邦衛さんの警視庁捜査一課刑事で、原田さんと同じ団地の住人。殺し屋最後の大仕事のターゲットは佐々木孝丸さん。その手伝いをする尾藤イサオさんの愛人に横山リエさん。ヒロイン高橋洋子さんは、原田さんに殺人を依頼する女の子。彼女の抱えている屈託が、後半のドラマのキモとなっていく。
日活ニューアクションの時代から六年、アウトローの時代の挽歌のような作品。田中邦衛さんの刑事が、人が良さそうでいて、実はかなりの執念を抱いて、原田芳雄さんを逮捕しようとする。結構、ダーティな刑事。むしろ原田芳雄さんがヒーローにみえる^_^
岡田茉莉子さん百本記念、岡田茉莉子さん企画「秋津温泉」は、藤原審爾さんの自伝的小説の映画化。脚本は吉田喜重監督。昭和17年から17年間に及ぶ、長門裕之さんと岡田茉莉子さんの愛の物語。
というか、しょうもない男を愛してしまったために、ひとり悲しみを背負ってしまうヒロインの悲劇。長門裕之さんの優柔不断、非生産的な文学青年が陥るあやふやな人生。すぐに心中をしたがり、酒に溺れて、女に溺れる、逃げまくりの17年。
死ぬことより、生きることを彼に気づかせる、岡田茉莉子さんのハツラツとした娘時代。でも、彼を愛するあまり、だんだんメンドクサイ女性になる。それを文学的といえば、そうなんだけど、久しぶりに観て、やっぱり、初見の時と変わらぬ印象^_^
成島東一郎さんのキャメラの素晴らしさ、林光さんの音楽がとても良い。17歳から34歳まで、女の子から大人の女性へ、そしてラストシークエンスの無表情まで、女優・岡田茉莉子さんの美しさが堪能出来る。
今宵の娯楽映画研究所シアターは、本日より配信開始。ディズニー+MCU IMAX Enhancedで『キャプテン・マーベル』(2019年・MCU・アンナ・ボーデンライアン・フレック)をスクリーン投影。フル画角になるとスクリーン一杯に拡がって、なかなか楽しい。ブリー・ラーソンがポーカーフェイスで、滅法強い、キャロル・ダンバースを熱演。公開当時、通常スクリーンで観たので、なんちゃってだけど、IMAX版はなんだか得した気分。
今夜の「カツライス」は勝新太郎さんと田村高廣さんのシリーズ第二作『続・兵隊やくざ』(1965年・田中徳三)。今回から製作は大映京都なのでキメが細かいような気がする。
前作のラスト。ソ満国境の孫呉から、大宮一等兵(勝新太郎)と有田上等兵(田村高廣)の所属する関東軍の部隊が、南方へと移動が決定。輸送列車の機関車をジャックした二人は貨車を切り離し、自由への大脱走を試みた。
ところが、満州の曠野を走る機関車が何者かの破壊工作で大爆破。大宮と有田は負傷してしまう。このシーン、ミニチュアワークでなかなか良くできている。雪原での爆破、機関車転覆がリアルに再現されている。さすが大映京都の特撮陣!
11月13日(土)『シビルウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年・MCU・ルッソ兄弟)・『新・兵隊やくざ』(1966年1月3日・大映京都・田中徳三)
『シビルウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年・MCU・ルッソ兄弟)
ディズニー+ MCU IMAX extend版「シビルウォー」。中盤のドイツの空港でのアベンジャーズ大戦が、IMAXフル画角に! 我が家のEXPO龜井戸スクリーン1で、なんちゃってIMAX気分を味わってます^_^
ディズニー+でMCU最近の12作品が、IMAX上映時のextend版で配信されている。これはありがたい。プロジェクターで見ていると、ワイド画面が、いきなりフル画角になって「お!」っとなる。なんちゃって体験なのだが、1日一作ずつ見返していく楽しみが増えた。
昨夜は、ルッソ兄弟の傑作『シビルウォー キャプテン・アメリカ』(2016年)。MCUで一番観ているかもしれない「帝国の逆襲」なのだが、やっぱり「ヒーロー対立」のドラマは面白い。確か新宿ピカデリーかどこかの完成披露の帰りに、尾崎一男さんと「これは『帝国の逆襲』だよね」と話しながら歩いた記憶がある。
で、改めて観ると、アクションシーンの連続なのだけど、ちゃんとアベンジャーズそれぞれの「内的な葛藤」が描かれているのがいい。
テーマは「父親殺し」。トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)の父ハワード(ジョン・スラッテリー)を、ウインター・ソルジャーとして「影なき狙撃者」として殺してしまったジェームズ・ブキャナン・“バッキー”・バーンズ (セバスチャン・スタン)。そのバッキーを騙るヘルムート・ジモ(ダニエル・ブリュール)が、ティ・チャラ=ブラックパンサー(チャドウィック・ボーズマン)の父でワカンダ国王・ティ・チャカ(ジョン・カニ)をテロで殺害。
アイアンマンとブラックパンサー、それぞれがバッキーを父の仇として追いかけていく。アベンジャーズ分断をはかるジモは、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年・ジョス・ウェドン)のソコビアの戦いで、やはり父と妻子を失っており、その恨みを晴らすための悪事を働く。
つまり「父親殺し」に対する復讐の連鎖の物語なのである。この対立は、ほっとけば延々と続く。いつ断ち切るのか? 物語としては暗くて重い。けれどもヒーローものとしては、このツイスト、このテーマはたまらなく面白い。
スティーブ・ロジャース=キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)は、かつての親友だったバッキーと、アベンジャーズの仲間・トニーとの間で苦悩して、バッキーの濡れ衣のために、トニーと袂を分かつ。
その後の展開は、今となっては『アベンジャーズ/エンドゲーム』までの物語を知っているので、初見の時と違って、安心して観られる。
中盤のドイツの空港決戦で、新参加のピーター・パーカー =スパイダーマン(トム・ホランド)が「『帝国の逆襲』って昔の映画知ってる?」と巨大化したスコット・ラング =アントマン=ジャイアントマン(ポール・ラッド)を倒す。様々なメタファーとしての『帝国の逆襲』がそここに観られるのが、楽しく、嬉しく、面白い。でもって、バッキーの腕がもげるところで、その『帝国の逆襲』度がさらに増すのだが・・・
今宵の「カツライス」は、シリーズ第3作『新・兵隊やくざ』(1966年1月3日・大映京都・田中徳三)。脂が乗りきった痛快編。前作のラストで再び脱走に成功した勝新太郎さんと田村高廣さんの名コンビ。今回は軍隊を離脱して、天津へ逃亡する。
やくざが兵隊になったこれまでからさらに脱線して、二人がやくざまがいの渡世をするのがおかしい。とにかく話も、勝新の暴れっぷりも振り切れている。もはや戦争映画でもなんでもない。それがまた爽快なのである。
11月14日(日)『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年・MCU・ジェームズ・ガン)
昨夜、堤智恵子さんのライブから帰宅後、ディズニー+ MCU IMAX extend版で『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年・ジェームズ・ガン)をスクリーン投影。やっぱり面白いねぇ。IMAXのフル画角になるショットが多く、宇宙空間やバトルシーンなど、主要な場面はスクリーンいっぱいに拡がって楽しい。
特にクライマックス、サンダー星上空での、クリー人のロナン・ジ・アキューザー(リー・ペイス)の旗艦・ダークアスター号との空中戦は眼福。奥行きのある画面で、派手派手なバトルが堪能できる。とにかく「スターウォーズ」初作(エピソード4)へのオマージュがそここにあり、上映時間も122分とほぼ同じというのもいい。
前半、コレクター(ベニチオ・デル・トロ)が見せる映像に、『エターナルズ』のセレスティアルズが登場していたのね。七年も前からの「前振り」に昨夜初めて気がつきました(笑)