娯楽映画研究所ダイアリー 2021 6月28日(月)〜7月4日(日)
6月28日(月)『東海道お化け道中』(1969年3月21日・大映京都)・『小さき勇者たち〜ガメラ〜』(2006年)・『エルダー兄弟』(1965年・パラマウント)
五反田イマジカ第1試写室で、この夏、「妖怪特撮映画祭」で上映、安田公義監督、特撮・黒田義之監督『東海道お化け道中』(1969年3月21日・大映京都)デジタル4K修復版初号試写を拝見した。
五反田イマジカ第1試写室で、引き続き「妖怪特撮映画祭」で上映される田崎竜太監督『小さき勇者たち〜ガメラ〜』(2006年)DLP版試写。考えてみたら、公開以来のスクリーン鑑賞となる。ガメラ生誕40周年作品だから15年前になるのか。
冒頭、1973年、伊勢志摩でガメラとギャオスが戦う。この1973年と言うのがミソで、『ガメラ対深海怪獣ジグラ』(1971年)のすぐ後、ガメラロスの時代の、映画の中の「リアルな過去」として描かれる。満身創痍のガメラが生命を賭して、ギャオスから人々を守るということで『ガメラ3 邪神覚醒』のラストとも緩やかにつながっているとも取れる。
ガメラと少年の交流。という昭和シリーズの基本を、ジュブナイルファンタジーとしてさらに推し進めた構成は、いま見直すとなかなか素晴らしい。クライマックスの名古屋で、ガメラとジーダスの死闘が繰り広げられるなか、子供たちがガメラの生命をつなぐためにリレーするシーンは、なかなか感動的。
大映怪獣の伝統に乗っ取って、みていて「痛みが走る」怪獣同士の出血対決も、怪獣映画を観ている楽しさに溢れていて、ミニチュア特撮を観ている嬉しさを終始感じた。
大映特撮映画の伝統というかプログラムピクチャーの伝統のコメディアンの登場ということでは、チャンバラトリオの南方英二さん!出てくるだけで嬉しかった。『東海道お化け道中』の島田洋介・今喜多代コンビを見た後だけに(笑)
この夏、「妖怪特撮映画祭」で上映!
今宵の娯楽映画研究所シアターは、ヘンリー・ハサウェイ監督『エルダー兄弟』(1965年・パラマウント)。肺がんから復活したジョン・ウェインの復帰作品。良妻賢母だった母・ケイティが亡くなり、久しぶりにエルダー四兄弟が故郷に集まる。
長男・ジョン(ウェイン)は風来坊、次男・トム(ディーン・マーティン)はイカサマ師、三男・マット(アール・ホリマン)は堅実派、四男・バッド(マイケル・アンダーソン・ジュニア)は学校嫌いの18歳。
この四人が兄弟喧嘩して殴りっこしたり、母親が生前考えていた馬を売るビジネスをしたりと、兄弟の描写が微笑ましい。ヒロインは、母親と親密だった娘・メアリー(マーサ・ハイアー)。彼女が兄弟のために作った料理が、意外と不味かったりと、ユーモアも忘れてない。
とくにディーン・マーティンが、酒場で自分の金は使いたくないと、義眼ネタのインチキ賭博をするのが、寅さんみたいでおかしい。
メインのストーリーは、彼らの牧場が、いつの間にか、銃器商人・ヘイスティングス(ジェームズ・グレゴリー)のものになっていて、ヘイスティングスは、ジョンを恐れて殺し屋・カーリー(ジョージ・ケネディ)を雇っている。
ヘイスティングスに絶対服従の息子・デイヴに、若き日のデニス・ホッパー!
お話はシンプル。エルダー兄弟に濡れ衣を着せて、自分たちを正当化しようとする、悪漢・ヘイスティングスの奸計を、四兄弟がいかに打ち破るか?
往年の西部劇のあの手この手、次々と見せ場を用意しながら、飽きさせない。クライマックスは1960年代に相応しく、ハードなガンファイトが展開される。結構ヘビーな状況となる。デニス・ホッパーが、次第に、父親の汚いやり方に反発しながらも、従わざるを得ない感じが、なかなかいい。
円熟に差し掛かったジョン・ウェインはまさに旦那芸! 市川右太衛門さんの旗本退屈男や、片岡千恵蔵さんの多羅尾伴内のように、存在そのものが最大の価値でもある。
ラスト、ジェームズ・グレゴリーをやっつけるシーンもかなり派手。このために敵を銃器商人にしたのかと!^_^
エルマー・バーンスタインの「荒野の七人」な音楽もテンションを高めてくれる。勧善懲悪の西部劇がギリギリ成立した最後の時代の娯楽映画!
2005年のマーク・ウォルバーグ主演『フォー・ブラザーズ/狼たちの誓い』は、この映画のリメイク版。
続きましては、村山三男監督、井手俊郎原作、下飯坂菊馬脚本『消された刑事』(1958年・大映東京)。これはなかなかの佳作。横浜、野毛・黄金町・野毛の麻薬地帯に、現金120万円を持って、囮捜査に身を投じる、捜査一課の敏腕刑事・北原義郎さん。
組織に接触するまでのプロセス、横浜のディープなエリアを歩くシーンが素晴らしい。東映の「警視庁物語」シリーズ同様、ロケーションのチカラを堪能! 「太陽にほえろ!」の傑作で、殿下(小野寺昭)が麻薬中毒ににさせられる「鶴が飛んだ日」とほぼ同じエリアでロケーション。
麻薬取締チームの係長・井沢一郎さん、ベテラン刑事・見明凡太郎さん、血気盛んな若手刑事・夏木章さんたち敏腕刑事が、北原義郎さんをサポートするが、取引のため登戸の旅館に連れ去られた北原義郎さんの行方が不明となる。
当時としては珍しく、女性捜査官・藤田佳子さんがとても良い。「太陽にほえろ!」のシンコ(関根恵子)の大先輩的な体当たり活躍をみせてくれる。組織の殺し屋に、ファンキーハットの藤巻潤さん、客とのつなぎ役に中条静夫さん、ボス・伊藤光一さんの情婦に市田ひろみさん。
クライマックス、野球マニアの北原義郎さんが、敵の野球好きの中条静夫さんと、大毎オリオンズ対南海ホークスの試合をテレビで観るシーン! これがたまらない。前半、休暇の北原義郎さんが、後楽園球場で野球を観ていると、神奈川県警からタクシーで藤田佳子さんが迎えに来る。後楽園ゆうえんちの遊具がバッチリ映る。ああ、楽しい!
6月29日(火)『引越やつれ』(1961年)・『クレージーの花嫁と七人の仲間』(1962年・松竹)・『チザム』(1970年・ワーナー)・『タヌキ紳士登場』(1948年・東宝)
ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭」で堀内真直監督『引越やつれ』(1961年)。ピカピカのプリントで、昭和36年の青空が眩しい。
佐渡島の坊ちゃん・津川雅彦さんが大学に入るために上京。頼みの綱の万年留年生・渡辺文雄さんは、万事調子良いが頼りにならない。渡辺文雄さんの下宿に住んだ、その晩、下宿の親父・小林十九二さん夫婦が夜逃げすることになり、トラックで夜逃げの手伝い…
とまあ、こんな風に、次々と下宿先が変わり、津川雅彦さんの学生生活は前途多難。渡辺文雄さんの恋人の芸者・牧紀子さんの実家に転がり込むが、隣の部屋の怪しげなインチキ師・三井弘次さんのペースに巻き込まれて、大迷惑。
原作は井伏鱒二。文芸風俗喜劇というより、いつもの松竹大船喜劇らしく、行き当たりばったり。キャスティングが楽しく、牧紀子さんは綺麗だし、その朋輩の桑野みゆきさんは美しく、津川雅彦さんが夢中になる。
津川さんは、佐渡島の祖母・英百合子に可愛がられ、男やもめの父親・北竜二さんは街に元芸者を囲っている。息子が芸者・桑野みゆきと一緒になりたいと言い出して猛反対。英百合子さんが、まるで若大将シリーズの飯田蝶子さんみたいで、微笑ましい。牧紀子さんの妹・峯京子さんが、大学の同級生で、やることなすことチャッカリ娘。実にチャーミング!
ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭」で、番匠義彰監督『クレージーの花嫁と七人の仲間』(1962年4月15日・松竹)。スクリーンでは2010年以来、しかもピカピカのプリントで夢心地に!
今宵の娯楽映画研究所シアターは、アンドリュー・V・マクラグレン監督『チザム』(1970年・ワーナー)。南北戦争後のニューメキシコで広大な牧場を所有していた実在のジョン・チザム(ジョン・ウェイン)と、彼の土地を狙う新興実業家・ローレンス・マーフィー(フォレスト・タッカー)の闘いを描く。
法律を守ろうとする昔ながらのタフガイのチザムに対して、自分が法律だと悪行の限りを尽くすマーフィー。この対立を軸に、うまいなぁと思うのは、実在のビリー・ザ・キッド(ジェフリー・デュエル)が登場。
ビリーは、チザムの姪・サリー・チザム(パメラ・マクマイラー)に恋をして、真人間になろう、血の匂い、死の影から逃れようと、チザムの元で働く。で、ビリーといえばのパット・ギャレット(グレン・コーベット)もまた、チザムのサポートをして、やはりサリーに恋をする。
歴史にもしもはないが、映画、それもジョン・ウェインの娯楽大作ならあり!で、滅法面白い展開となる。マーフィーの方も、かつてビリーの仲間だったジェス・エヴァンス(リチャード・ジャッケル)を雇う?さらにはビリーに恨みを持つ賞金稼ぎ・ノディーン(クリストファー・ジョージ)を、保安官にしてしまう。
というわけで、チザムとマーフィーの闘いが、ビリー・ザ・キッドたちの若い連中の戦争になっていく。ジョン・ウェインの旦那芸と、血気盛んなヤングライダーズの壮絶なガンファイト。
恨みを晴らすためなら、相手を殺すのも厭わないビリーの暴力と、常に周囲の人の幸福を考えるチザムの正義。その違いを、言葉にして、サリーに話す、パット・ギャレットのナイスガイぶり。
クライマックス、ビリーたちが店に立て篭もり、マーフィーたちと戦闘状態になる。チザムに救援に来られたら元も子もないので、マーフィーたちは街へ入れないようにバリケードを張る。しかしバリケードはチザムの牛の大群に打ち破られチザム一家が殴り込み!
やくざ映画や時代劇同様、活劇のカタルシスここにあり! しかもチザムとマーフィーはガンファイトではなく殴り合い。『スポイラース』(1942年)のウェインとランドルフ・スコットの殴り合いの逆手で、一階から階段で殴り合いしながら二階へ、でさんざん闘った挙句、二人はバルコニーから下へ闘いながら落下!
この映画、小学校6年のときに、NET「日曜洋画劇場」で観て、面白いなぁと興奮。久しぶりにDVDで見直して、優れた娯楽映画として、関心しながら楽しんだ。
続きましては、小田基義監督『タヌキ紳士登場』(1948年・東宝)。狸御殿もののバリエーションで、エンタツ狸とアチャコ狸が、人間界に跋扈する、人間タヌキたちを懲らしめにやってくる。
72分の長さを38分に縮めた短縮版しかないので、アウトラインしかわからない。冒頭のタヌキの世界は、アニメーションで描かれて楽しい。人間に化けたエンタツ・アチャコは、山の中でタヌキ狩りに来た、金満家・柳家金語楼さん、清川虹子さん夫妻と、その財力目当ての政治家たちを、早速騙す。
関西の成金と思われたエンタツ・アチャコは、金語楼が経営するホテルで、木の葉で作ったお札をばら撒き、スノッブな連中にモテモテ。
とまあ、カリカチュアされた昭和23年の俗物たちが傾向映画のような前衛的な演出で描かれる。
6月30日(水)『七人の刑事 女を探がせ』(1963年・松竹)・『踊りたい夜』(1963年・松竹)・『鯨神』(1962年・大映)
ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭」で、高橋治監督『七人の刑事 女を探がせ』(1963年・松竹大船)を堪能。葛西橋から四つ木橋にかけての荒川河口で、少女の絞殺死体が発見される。捜査一課の7号室の敏腕刑事たちが捜査を開始する。犯行の夜、非行少女たちの厚生施設の寮が全焼。四人の少女たちが脱走したことが明らかになる。
ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭」で、井上梅次監督『踊りたい夜』(1963年・松竹大船)を久々にスクリーン鑑賞。
今宵の娯楽映画研究所シアターは、「妖怪特撮映画祭」で上映、田中徳三監督『鯨神』(1962年・大映東京)。宇能鴻一郎の直木賞受賞作を新藤兼人が脚色。
7月1日(木)『はだしの花嫁』(1962年・松竹)・『あんみつ姫の武者修業』(1960年・松竹)
ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭」で、番匠義彰監督の傑作コメディ『はだしの花嫁』(1962年)を堪能。今回は、東京の酒問屋・佐野周二さんの娘・鰐淵晴子さんが、女性週刊誌の編集者で、流行作家・南原宏治さんと、新連載「海を渡る花嫁」の取材旅行へ。
今宵の娯楽映画研究所シアターは、大曽根辰保監督『あんみつ姫の武者修業』(1960年・松竹)。倉金章介原作漫画の映画化は、東宝の雪村いづみさん、テレビ版の中原美紗緒さんに続く、鰐淵晴子さんで二人目。ちなみに4代目は小泉今日子さん!
7月2日(金)『ゴジラVSコング』(2021年・ワーナー)・『ジャニス・ジョプリン』(2019年・ブロードウェイHD)
TOHOシネマズ日比谷で『ゴジラVSコング』IMAX3D。大画面での大怪獣バトルを眺めてるだけで楽しい。なんたって、怪獣が生態系の頂点のモンスターバースですから、人間のお話なんてちっぽけなもの。コングとゴジラの肉弾相打つ姿を見物するだけでも、一見の価値あり!
東劇でブロードウェイシネマ『ジャニス・ジョプリン』。メアリー・ブリジット・デイビスが、ジャニスを演じたミュージカル・ステージのライブ映画。ジャニス・ジョプリンが影響を受けたアレサ・フランクリン、エタ・ジェイムズ、オデッタ、ニーナ・シモン、ベッシー・スミスたちが次々と登場して、名曲を歌う。セリフは一切なく、ステージでの語りだけでジャニスの心の旅をドラマチックに見せてくれる。メアリー・ブリジット・デイビスの表現力は圧倒的で、似てるとか、似てないとかではなく、パワフルなステージに心揺さぶられる!
7月3日(土)鰐淵晴子さんトークショー・『怪談雪女郎』(1968年・大映京都)
ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭」2ヶ月目に突入。7月はトークショーが4回続きます。その第一弾『踊りたい夜』(1963年・井上梅次)上映前に、鰐淵晴子さんトークの聞き手を務めました。2017年4月2日以来、ラピュタでのトークとなり、鰐淵さんのご両親、生い立ちの話から、天才少女バイオリニストとして注目を集めた昭和20年代のエピソード。大映での『母子鶴』(1952年・小石栄一)での若尾文子さんの少女時代役でのデビュー。『ノンちゃん雲にのる』での原節子さんとのお話。松竹撮影所は、もう一つの家族だったとお話してくださいました。番匠義彰監督のモダンさ、楽しさについて話に花が咲きました。
今宵の娯楽映画研究所シアターは、「妖怪特撮映画祭」で上映の田中徳三監督『怪談雪女郎』(1968年4月20日・大映京都)。この年の3月20日、傑作『妖怪百物語』(安田公義)を成功させた大映京都が、続いて製作したのが「雪女」伝説を、美しくヴィジュアル化した、日本の怪奇ファンタジーの最高峰の一本。脚本はベテラン・八尋不二。誰もが知っている「民話」が「怪談」としてカテゴライズされたのは、ラフカディオ・ハーン=小泉八雲の「怪談」によるところが大きい。
7月4日(日)『扉を開く女』(1946年4月25日・大映)・『エル・ドラド』(1966年・パラマウント)・『恋とのれん』(1961年4月28日・松竹大船)
『歌ふ狸御殿』(1943年・大映)の木村恵吾監督が、戦地から戻り、市川右太衛門主演『紅顏鼓笛隊』(1945年・大映)で復帰。敗戦後第一作『扉を開く女』(1946年4月25日・大映)。衛星劇場で放映されて、これは初見だった。脚本は依田義賢さん、撮影は名手・宮川一夫さん。GHQの指導下で作られた「民主主義啓蒙」のための新派風ドラマだが、ラストはハッピーエンド。
続きましては、ハワード・ホークス監督&ジョン・ウェインの痛快娯楽西部劇大作『エル・ドラド』(1966年・パラマウント)。名作『リオ・ブラボー』(1959年・ワーナー)と同じスタイルの姉妹編として企画された。今回は、ジョン・ウェインに、ロバート・ミッチャムの良いどれ保安官、血気盛んな若者・ジェームズ・カーン、そしてウェイン、ミッチャムと昔馴染みの老保安官助手・アーサー・ハニカットたちが大暴れ。
メキシコ国境に近い、テキサスの町、エル・ドラドを舞台に、マクドナルド(R・G・アームストロング)の牧場を狙う、バート・ジェイソン(エドワード・アズナー)の争いに、ウェインたちが巻き込まれていく。ジェイソンが雇った殺し屋・ネルス・マクロード(クリストファー・ジョージ)が滅法強く、そのガン捌きの腕前は、ミッチャム、ウェインと並ぶ西部随一のもの。
ジェイソン一家がエル・ドラドにやってきて傍若無人。しかし頼みの保安官・ミッチャムは、失恋の痛手からアル中になってしまっていて、悪漢たちに鼻で笑われる始末。そのミッチャムをサポートするのがウェインとカーン。『リオ・ブラボー』同様、酒場で屈辱を受けたミッチャムを、自力で復活させるウェインの厳しさと優しさ。
しかしウェインは、前半でマクドナルド一家の鉄火娘・ジョーイ(ミシェル・ケイリー)に撃たれた銃弾が背中に入ったまま、体を蝕んで、発作が起きると右手が痺れて、思うように戦えない。ミッチャムもまたアル中から復活するも、足を撃たれてしまい、松葉杖となる。満身創痍となった名手のガンマンが、二人揃って松葉杖を突きながら、敵陣へ乗り込む。ユーモアとサスペンス。そして男たちの友情。
ハワード・ホークスの演出はさすがで、とにかくツボを抑えてくれて、ジョン・ウェインの旦那芸をタップリ見せてくれる。ロバート・ミッチャムとウェインの殴り合いや、言わずもがなの友情は見ていて気持ちがいい。
ジェームズ・カーンも爽やかでユーモラス。ウェインと訳ありのヒロインに、シャーリン・ホルト。ネルソン・リドル作曲の主題歌も楽しく、西部劇の醍醐味を126分に凝縮!本当に面白い!
今宵の娯楽映画研究所シアターは、番匠義彰監督『恋とのれん』(1961年4月28日・松竹大船)。松竹のモダンなコメディ作家・番匠監督による「花嫁シリーズ」のバリエーション。
よろしければ、娯楽映画研究への支援、是非ともよろしくお願いします。これからも娯楽映画の素晴らしさを、皆さんにお伝えしていきたいと思います。