読んでから見るか、見てから読むか。……角川映画の45年
2021年11月19日より全国順次開催される「角川映画祭」では、昭和51(1976)年の『犬神家の一族』(市川崑)4Kデジタル修復版はじめ、撮影所なき日本映画不毛の時代に、興行的にも作品的にも常に話題となった「角川映画の45年」を鳥瞰する映画祭です。
その開催に併せて、KADOKAWA文芸WEBマガジン・サイト「カドブン」で【読んでから見るか、見てから読むか。……角川映画の45年 <角川映画45年記念企画>「角川映画祭」】と題するレビューを執筆しました。
先日、五反田イマジカ第一試写室で、今回の「角川映画祭」の目玉作品の一つ、『犬神家の一族』(1976年・角川・市川崑)の4Kデジタル修復版の試写を拝見しました。監修は市川崑組で長年作品を支えた編集の長田千鶴子さん。僕は2006年、市川崑監督自らリメイクした『犬神家の一族』(東宝)の劇場プログラムの仕事でお世話になりました。その後、東宝からリリースされたDVD『おはん』(1984年・東宝・市川崑)のオーディオ・コメンタリーの仕事で聞き手を務めさせていただきました。
長田千鶴子さん監修の下で、イマジカのスタッフが渾身のデジタルリマスター作業をして4K化。その美しさには息を呑みました。特に、当時の東宝系の劇場での上映フォーマット、通称「東宝ビスタ」の画角の再現には感動しました。それまでのVHS、LD、DVDでのフォーマットとは異なる劇場公開時のスクリーンサイズです。
その『犬神家の一族』のリマスター作業のメイキング・ドキュメンタリーがこの11月に日本映画専門チャンネルで放映されていますが、角川映画祭の公式YouTubeでもアップされていました。この番組の最後に、コメント出演させて頂いてます。4K修復版の試写を拝見した直後、感激の最中に、収録したものです。