佐藤利明&タブレット純の熱烈歌謡曲!~70年代・スーパースターの魅力を語ろう~
佐藤利明&タブレット純の熱烈歌謡曲!
~70年代・スーパースターの魅力を語ろう~
講師:佐藤利明・タブレット純
2022年9月29日(木)
NHK文化センター青山教室・グランルームで開催した佐藤利明とタブレット純による「熱烈歌謡曲」第一弾。「70年代・スーパースターの魅力を語ろう」と題して、西城秀樹さんをテーマに深掘りトークを展開しました。
この講座のきっかけは、5月4日放送、文化放送「くにまる食堂」です。佐藤利明がゲスト出演した「西城秀樹特集」を聴いた、NHK文化センターの担当者が聴いて、企画されました。タブレット純さんとは、2015年に文化放送で出会い、以来、2人で「浅草 音のヨーロー堂」でトークライブを10回ほど開催してきました。
というわけで、2人の「熱烈歌謡曲」第一回のテーマは、西城秀樹さんというのは、最初から決めておりました。
これは、講座で配布したレジュメのテキストです。90分と限られた時間でもあり、【少年から大人への脱皮~阿久悠とのコラボ】までしかお話できなかったので、続きは第二回で、と考えております。
タブレット純さんは、70年代アイドルソングとして、豊川誕さんの「汚れなき悪戯」(1975年・作詞:安井かずみ 作曲:筒美京平)をオープニングで歌いました。
そして、西城秀樹さんの「薔薇の鎖」のマイクパフォーマンスに挑戦! 「寺内貫太郎一家」のコーナーでは、浅田美代子さんと秀樹さんが屋根の上で歌った「しあわせの一番星」をギター片手に再現!
佐藤利明&タブレット純の 熱烈歌謡曲!
~70年代・スーパースターの魅力を語ろう~ レジュメ
テキスト作成:佐藤利明(娯楽映画研究家・オトナの歌謡曲プロデューサー)
【ワイルドな17歳の衝撃!】
ビートルズを語るように、フランク・ザッパを語るように、ザ・スパークスを発見するように、西城秀樹さんの音楽人生を、遅れてきた世代にも体感して欲しい。まさに語り尽くせぬ”THE MUSIC MAN”。音楽は「聴きけばわかる!」のが素晴らしいです!
1972.3.25 記念すべきデビュー曲 「ワイルドな17歳」
♪恋する季節 作詞:麻生たかし 作曲:筒美京平
オリコン42位
1972.5.25 五枚目のシングル
♪情熱の嵐 作詞:たかたかし 作曲:鈴木邦彦
オリコン6位 1973年間シングルチャート40位(25万枚の売上)
1973.9.5 六枚目のシングル
♪ちぎれた愛 作詞:安井かずみ 作曲・編曲:馬飼野康二
オリコンチャート週間1位。1973年度年間15位。第15回日本レコード大賞・歌唱賞。
1973.11.7 東京郵便貯金ホールで第2回リサイタル「ヒデキ・愛・絶叫!」を開催。
♪サティスファクション
ザ・ローリング・ストーンズの名曲を絶叫する18歳のアイドル。まさにロックスター!
【寺内貫太郎一家】
1974年1月16日~10月9日 TBS「水曜劇場」でオンエア。東京下町・谷中で石屋を営む一家のホームドラマ。脚本・向田邦子、演出・久世光彦。長男・寺内周平(西城秀樹)は、大学浪人中。何かにつけて父・貫太郎(小林亜星)と衝突。挿入歌をお手伝いのミヨちゃん(浅田美代子)と、屋根の上でデュエットした。
♪しあわせの一番星 作詞:安井かずみ 作曲・編曲:筒美京平
♪リリー・マルレーン 作詞:ハンス・ライブ 作曲:ノルベルト・シュルツェ
♪虹の架け橋 作詞:安井かずみ 作曲:都倉俊一
♪リンゴがひとつ 作詞:阿久悠 作曲:小林亜星 編曲:渋谷毅
【初の海外進出】
1974.8. 25 十枚目のシングル
♪傷だらけのローラ 作詞:さいとう大三 作曲・編曲:馬飼野康二
オリコン2位。1974年度年間34位。第16回日本レコード大賞・歌唱賞。
1975.4.15
♪LOLA(フランス語版)
初の海外進出作品。2月15日にフランス、スイス、ベルギー、3月31日にカナダで発売。カナダではヒットチャート2位に。
【少年から大人への脱皮~阿久悠とのコラボ】
ある日、プロデューサーともに阿久悠のもとを訪ねた 。「西城秀樹のアイドル全盛期に少し未来を見据えたスタッフが周辺にいて、“ヒデキを少年から青年にして下さい”と言って連れて来たのである。いい歌とか、売れる歌という依頼ではなく、少年から青年という頼み方に動かされて承知したのである」
1976.2.25 十六枚目のシングル。
♪君よ抱かれて熱くなれ 作詞:阿久悠 作曲・編曲:三木たかし
オリコン3位。1976年度年間26位。2月29日、TBSで「セブンスターショー」に出演。24%を超える視聴率を記録。
1976.6.5 十七枚目のシングル。
♪ジャガー 作詞:阿久悠 作曲・編曲:三木たかし
オリコン3位。第5回東京音楽祭国内大会・ゴールデンカナリー賞。同世界大会・チェリー・ブロッサム賞。
1976.9.5 十八枚目のシングル
♪若き獅子たち 作詞:阿久悠 作曲・編曲:三木たかし
オリコン最高4位。第18回日本レコード大賞・歌唱賞。
1978.1.1 二十三枚目のシングル
♪ブーツをぬいで朝食を 作詞:阿久悠 作曲:大野克夫 編曲:萩田光雄
オリコン週間7位。1978年度年間5位。ザ・ベストテン1位。1978年度年間32位。
1978.5.25 二十五枚目のシングル。
♪炎 作詞:阿久悠 作曲・編曲:馬飼野康二
オリコン5位。第7回東京音楽祭・ゴールデンカナリー賞。
当初は大野克夫作曲でミックスダウンまで完了していたが、第7回東京音楽祭への参加が決定。急遽、馬飼野康二ヴァージョンが作られた。
1978.8.25 二十六枚目のシングル。
♪ブルースカイ ブルー 作詞:阿久悠 作曲・編曲:馬飼野康二
第20回日本レコード大賞金賞。第9回日本歌謡大賞・放送音楽賞。オリコン3位。1978年度年間51位(オリコン)
【ポップスター 西城秀樹】
ロック・ナンバーや最新の洋楽をフィーチャーしたコンサートを精力的に行う。1974年から1983年まで10年連続で大阪スタヂアム(大阪球場)コンサートを開催。1979年にリリースした洋楽カヴァーのYOUNG MAN(Y .M .C.A)が大ヒット。アイドル歌手から、ポップ・スターとして時代を駆け抜けた。
1979.2.21 二十八枚目のシングル
♪YOUNG MAN(Y .M .C.A)
作詞:V.Wills, H.Belolo 日本語詞:あまがいりゅうじ 作曲:J.Morali
第10回日本歌謡大賞・大賞。オリコン5週連続1位。ザ・ベストテン9週連続1位。
1979.5.21 二十九枚目のシングル。
♪ホップ・ステップ・ジャンプ 作詞:山崎光 作曲・編曲:水谷公生
第8回東京音楽祭国内大会・ゴールデンスター賞。オリコン2位。1979年度年間29位。ザ・ベストテン2位。
1984.10.15 四十九枚目のシングル。
♪抱きしめてジルバ Carless Wisper
作詞・作曲:G.MICHAEL-A.RIDGELE 訳詞:森田由美 編曲:丸山恵市
イギリスのワム!のCarless Wisperのカバー。オリコン18位。ザ・ベストテン9位。
1988. 11.1 六十二枚目のシングル。
♪33才 作詞・作曲:J.IGLESIAS 訳詞:なかにし礼 編曲:萩田光雄
アルバム「33才」からのリカット。フリオ・イグレシアスのカヴァー。オリコン49位。
【ヒデキ・フォーエヴァー】
西城秀樹さんは、2001年秋に脳梗塞を発症。2003年に二度目の脳梗塞を公演先の韓国で発症。闘病の末、奇跡の復活を遂げた。しかし2011年12月に脳梗塞が再発。右半身麻痺と言語障害の後遺症が残るも、懸命のリハビリを続けて、再びステージに立つ。
1999.5.26 七十九枚目のシングル。
♪ターンAターン 作詞:井荻麟 作曲:小林亜星 編曲:矢田部正
「∀ガンダム」(1999~2000)主題歌。小林亜星さんが舞台「寺内貫太郎一家」で共演した秀樹さんに「ぜひ歌って欲しい」と声をかけて実現。
2015.4.13 還暦記念アルバム「心響 -KODOU-」収録、最後の新曲。
♪蜃気楼 作詞・作曲・編曲: 岡崎公聡(こうそう)
2006年の「めぐり逢い」以来、3120日(8年と200日)ぶりの新曲。
2018年5月16日、63歳で逝去。
【西城秀樹】
1955年4月13日、広島県広島市出身。身長181cm。1972年3月25日、ビクターより「恋する季節」でデビュー。「情熱の嵐」(1973年)でオリコンベストテン入り。郷ひろみ、野口五郎とともに「新御三家」と呼ばれる。「ちぎれた愛」「愛の十字架」が連続してオリコン週間1位を獲得。「傷だらけのローラ」で第15回日本レコード大賞・歌唱賞。君よ抱かれて熱くなれ」から1977年の「ボタンを外せ」までは、阿久悠の作詞、三木たかしの作曲のコンビによるヒット作品が続く。
【講師紹介】
■佐藤利明
娯楽映画研究家・オトナの歌謡曲プロデューサー。昭和の喜劇人の魅力を、新聞連載やコラム、CDアルバム、映像ソフトのプロデュースを通して紹介する一方、音楽プロデューサーとしても活躍。
■タブレット純
27才の時、ある日突然ムード歌謡の老舗グループ、和田弘とマヒナスターズに芸名「田渕純」としてボーカルで加入。以後二年間和田弘氏逝去まで同グループにて活動。解散後都内のライブハウスにてネオ昭和歌謡、サブカル系のイベント出演の他、寄席・お笑いライブにも進出。