大映特撮メイキング映像! 妖怪・特撮映画祭でシークレット上映!
2021年8月5日、角川シネマ有楽町「妖怪・特撮映画祭」シークレット上映で、披露された大映特撮メイキング映像。大特撮の大発見!
『妖怪百物語』(1968年)
メイキングという概念がまだない1960年代、貴重な大映特撮映画の「現場の空気」が発掘映像に収められていた。
「妖怪百物語」のクライマックスの百鬼夜行のシーンが、フラットに撮影されているので、妖怪たちのディティールがハッキリと分かる。
主演の高田美和さん、藤巻潤さんと、着ぐるみの妖怪たちの「対面シーン」。大映京都撮影所の当時の雰囲気がよく分かる。油すまし、一つ目小僧、ぬっぺっぽうの中に、子供が入っていたことが、このフィルムでよく分かる。
デジタル4Kで蘇った「妖怪百物語」の美しい映像とは、また違う意味で、今回の「幻の映像」の発掘は、意義深い。
『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』(1967年)
特撮プールで再現された名古屋港セットで、ギャオスとガメラの暁の決闘シーンが繰り広げられている。このニュースフィルムは、クライマックスの特撮シーンの現場が、如何だったのかが、一目瞭然。操演で操られているギャオスの脚にガメラが食らい付く。その撮影の一部始終が、フィルムに収められている。
完成作からは、感じられない、撮影現場の熱気、スタッフの職人技、段取りの見事さを垣間見る思いである。
『大魔神逆襲』(1966年)
大映京都撮影所が培ってきた映画技術の粋を凝らした「大魔神逆襲」のセット撮影風景は、完成作同様、驚嘆に値する。
実物サイズの大魔神と、俳優たちの演技。巨大なセットに雪を降らし、嵐を巻き起こして、安部徹さんたちが芝居をする。映画の迫力は、現場スタッフやキャストの気迫により生まれたことを実感した。
今回発見された「大魔神怒る」「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」「ガメラ対大悪獣ギロン」「ガメラ対大魔獣エックス」の特撮現場のメイキング映像。「妖怪百物語」の本編撮影現場の映像は、見慣れた作品の、どれも「観たことがない」アナザーサイドを垣間見ることが出来て、思いを新たにした。
映画作りのプロたちが、産み出した特撮ファンタジーの世界。半世紀以上の時を経て、ますます輝きを増している理由が、この現場にあったのだと、感激した。