
写真と日常 #23 【ショッキング・レッド】
(ショッキング・レッド)
写真を撮り始めてから数年経った頃のこと、急速に写真を撮ることがつまらなくなってしまったことがあります。原因は何か、実はハッキリと認識していました。
それまではむしろ好んで観ていた、デジタル画像のキラキラした綺麗な写真が急につまらなく見えて仕方がなかったのです。当然ながら全く写欲もわきませんでした。これは写真を趣味にしている人にありがちなことだったかもしれません。(今思えばLeicaのような渋い色調の写真を主に観ていたのであれば違ったかもしれません)
この状況を抜け出すことが出来たのは、ある知り合いの写真愛好家が以前「たまには肩の力を抜いてトイカメラも良いもんですよ」と言っていたのを思い出したからです。ふーん!オモチャのカメラねぇ、とか思いながらときどき行くリサイクルショップに都合良くあったトイデジを買ってみました。
Vivitar vivicam 5050 という海外製のカメラで、見た目が本当に子供用の玩具カメラという印象でした。このカメラは単四乾電池二本で動くのでやたらと軽いのです。私が購入した個体はメニューを開けてみると英語表記でしたが、見慣れた単語ばかりでかなり簡単なものでした。
これ、本当に写るの⁉ と疑念が少しばかりよぎりましたが、まずは室内にて二三枚カチカチとシャッターを押してみました。ふーん!まぁ、一応写るんだという程度の印象です。
天気の良い日に屋外に持ち出して、ビビッドモードで撮影してみて・・ 「⁉」 となりました。なんじゃこの強烈な色は?? 私の既視感に凝り固まった思考回路では到底理解不能なハデハデな色、特に赤は別格のショッキングレッドです。
しばらくはこのカメラのビビッドモードだけで撮影しているうちに、このカメラの色に目が慣れてしまったらしく、他のカメラの色調が普通に見えてしまうようになって、所謂デジタル臭さへの嫌気が軽減されていたのでした。
結果オーライで、たまにカンフル剤的にトイデジ使ってみるのも案外悪くないなと思いました。
唐突に脱線しますが、そういえば若い頃からラジオが好きで、今よりずっと洋楽が流れてくる頻度が高かった時代がありました。一時期この曲が一日に何十回と流れて来た記憶があります。ショッキング・ブルーというグループが唄う「ヴィーナス」です。好きで聴いていたあの頃が懐かしい。
写真に関係ないですがショッキングレッドから追想してしまいました。
失礼しました! (黄昏人)






