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モナコ vs PSG

リーグ・アン 第23節
AS Monaco vs PSG

両チームのスタメンは以下。

PSG 3-5-2
ドンナルンマ
ダニーロ・ペレイラ、マルキーニョス、ビチャーブ
ペンベレ、ザイール・エメリ、ヴィティーニャ、ソレール、ベルナト
ネイマール、エキティケ

モナコ 4-4-2
ヌーベル
アギラール、ディザジ、マリパン、エンリケ
ディアッタ、フォファナ、カマラ、ゴロビン
ベン・セギル、ベン・イェデル

モナコがボールを持つ展開で始まったこの試合。カマラがCB2枚の間に降り、PSGの2トップに対して3枚でビルドアップする等、リズム良くボールを回し始めていた。
そんな中、前半4分、PSGは早々に失点。スローインからビチャーブがサイドを突破され、ゴール前にPSGはGK含めて8人、モナコは3人のみだったが、ガチャガチャっと事故り、ゴロビンに押し込まれてしまった。
失点のきっかけになったのは、ドンナルンマのキックだったと言うのは酷だろうか。ボールを奪ったDFラインからのバックパスに対し、確かに相手FWがプレスをかけてきたものの、まだ時間とスペースに余裕がある段階で大きく蹴った。そのボールが奪われ、サイドチェンジされ、与えたスローインからの失点だった。
ドンナルンマはキック精度が低い。セーブ力は大変素晴らしく、PSGのプレーモデルとしても足元の技術が高く求められるわけではない。とはいえ、精度低くくクリアする場面が目に付く。この試合でも前半1分。ゴールキックの際、ダニーロ・ペレイラ、ドンナルンマ、ビチャーブが一列に並び、ダニーロ・ペレイラがドンナルンマへ横パスし、ドンナルンマが前線へフィードしたが、あっさりとカットされた。「ドンナルンマのキック精度を生かそう」などと考えていることはないはずだが、チームとしてどのような狙いがあったのか、疑問に感じていたら、まさに似たような展開から失点してしまった。

PSGの非保持は5-3-2だ。ワイドには1人ずつしかいない配置であり、サイド攻撃に弱い。モナコはそこを狙ってきた。両SBが積極的に攻撃参加し、チャンスを作り続けた。

前半18分、ビチャーブが最終ラインで不用意にボールを失い、ベン・イェデルに追加点を与えてしまった。

前半29分頃、これ以上サイド攻撃を受けるのはまずいと思ったのか、2点差になったことで何かを変えなければならないと思ったのか、PSGはフォーメーションを4-4-2に変更した。ダニーロ・ペレイラが1列上がってヴィティーニャと共にCMFに入り、RSHにザイール・エメリ、LSHにソレールとなった。事前に用意したゲームプランが失敗だったと認めてしまうような采配に残念さを感じるのか、事前想定に固執しない柔軟さだけは評価するべきなのか、何とも複雑な気持ちになった。

そして39分、PSGが1点返す。エキティケが前線で起点になり、左サイドへ展開。タメを作ったソレールをベルナトがオーバーラップで追い越しクロス、ファーでザイール・エメリが押し込んだ。4-4-2へ変更し、サイドに2人いるメリットが発揮された形だった。特に相手SBの背中側を通すソレールのパスは見事だった。

しかし万能なフォーメーションはなく、必ず疎密がある。それを突き付けられたのが、アディショナルタイム2分の失点だった。サイドでのパス交換と鋭い縦パスにより、一瞬にして1列目と2列目を突破され、最終ラインが危機に晒される。フォーメーション変更により手薄になった中央でスルーパスを通され、ベン・イェデルに決められた。PSGとしては、前半のうちに1点返し、勝負を繋げた直後だったが、ハーフタイム前の痛すぎる失点だった。

3失点したPSGだが、完全に圧倒されていたわけではない。ネイマールが降りてくることで数的優位とリズムを作り、ボールは支配できていた。実際に、前半でのポゼッション率、パス数、パス成功率はモナコを上回っていた。
しかし、ファイナルサードでの迫力がない。常に中央での、細かなパス交換や浮き球パスばかりで、ビッグチャンスは作れなかった。

「これはハーフタイムでのガルティエ監督の采配が見ものだな」と思ったが、メンバー交代は2失点に絡んだビチャーブとラモスの交代のみ、フォーメーションは4-4-2のままだった。
一方のモナコは、完全に割り切ったゲームプランであることが後半開始直後、すぐに分かった。4-4-2でブロックを作り、2点リードを守りにきた。前半とは打って変わって、両SBは全然攻撃参加してこなくなった。

結果的に、PSGは何もできなかったと言っていい。ガルビ、ハキミ、ウスニ、キンペンベを投入したが、シュートは1本のみ。ガルビは精力的に動き回り、ボールタッチも多かったが、ファイナルサードでパスがずれ停滞を招いてしまう。マルキーニョスがCMFに入る等、人の配置変更はあったものの、フォーメーションは最後まで4-4-2だった。
モナコは南野とエンボロを投入し、フレッシュな2トップに代えることで、カウンターでチャンスを作っていた。特に南野はドリブルで剥がす場面もあり、ラモスとドンナルンマの必死のディフェンスがなければ、ゴールしていてもおかしくなかった。

最終スコア3-1。PSGはまたしても敗戦。監督の迷い、選手の自信喪失、怪我人続出、連戦による疲労、サポーターの怒り等々、全てが悪い方向にいってしまっているような印象さえ受ける。
次戦はいよいよUCL決勝トーナメント、バイエルン戦。またしても16強で消えるのか、なんとか望みを繋ぐのか。絶対に諦めず、応援したい。

以上。



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