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「安達太良山」(1,700m)【深田久弥の「日本百名山」を歩く】

『男の隠れ家デジタル』で「山と景色と歴史の話」という記事を書いてから、著者略歴(プロフィール)の欄に余白があれば【趣味の登山は2006年8月の「富士山」登頂以降、日本百名山にも挑戦中】と入れるようになった。

とはいえ、自由にスケジュールを調整できそうでできないのがフリーランス 。

公共の交通機関では登山口までのアクセスが不便だったり、宿泊を要する山が多い百名山へはなかなか行けない。
実際によく歩いているのは、ぽっと空いた1日に日帰りで行ける奥多摩、埼玉県の奥武蔵と秩父、神奈川県の丹沢、山梨県の郡内地方の山々だ。

そんななか、昨秋(2022年10月8日)、百名山の1つである「瑞牆山」(2,230m)を歩いているときに、ふと気になった。

(これで何座目だっけ?)

帰宅して調べたところ、2006年8月の「富士山」、2013年10月の「日光白根山」、2013年11月の「筑波山」の3座の画像は見つからなかったものの、4座目の「蔵王山」以降は辛うじて残っていた。

日本百名山の山行記録として、これまでSNSに投稿した情報や画像を紹介していく。

深田久弥の「日本百名山」を歩く

「安達太良山」(1,700m)|2018年7月1日/14座目

「あどけない話」

智恵子は東京に空が無いといふ、
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切つても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山の山の上に
毎日出てゐる青い空が
智恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。

高村光太郎著『智恵子抄』より
―・―・――・―・―・―・―
2006年8月、富士山登頂を機に始めた、日本百名山巡り。

今回は、福島県の「安達太良山(阿多多羅山)」(1,700m)。
登ったのは、前回の「磐梯山」(1,816m)の翌日。

「奥岳登山口」からロープウェイを使い、「仙女平分岐山」を経て山頂へ(約1時間)。山頂から「牛の背」を渡り、「峰の辻」まで降りて、再び山頂へ戻る(約1時間)。

途中、稜線から「沼ノ平火口」を眺める。

ほんとの空を見た。

平成30年(2018)7月13日のFacebookより

【撮影日】
平成30年(2018)7月1日

【所在地】
福島県二本松市、安達郡大玉村、郡山市と耶麻郡猪苗代町の境

【メモ/雑学】
・那須火山帯に属する「安達太良連峰」は、磐梯朝日国立公園の南端に位置し、「和尚山」(1602m)、「安達太良山」(1700m)、「船明神山」(1667m)、「鉄山」(1709m)、「箕輪山」(1728m)、「鬼面山」(1482m)と南北約9kmに連なっている。
・主峰の「安達太良山」は、古代には「安達嶺」「安太多良の嶺」などと呼ばれ、江戸時代には「岳山」「安達太良岳」「安達太良山」などと見える(山頂は山容から「乳首山」とも)。
・高村光太郎の詩集『智恵子抄』に「阿多多羅山(あたたらやま)」と歌われている。

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水谷俊樹
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