果糖ブドウ糖液糖は・・・
1.果糖ブドウ糖液糖とは?
果糖ブドウ糖液糖は異性化糖製品のひとつになります。異性化糖とは、果糖またはブドウ糖を主成分とする糖のことで、サツマイモやトウロモコシ、ジャガイモなどのデンプンを酵素で糖化した後、その一部を別の酵素で異性化させたものが成分となります。
異性化糖製品は以下のように分類されます。
ブドウ糖果糖液糖
果糖含有率(糖のうちの果糖の割合)が50%未満のもの。果糖ブドウ糖液糖
果糖含有率が50%以上90%未満のもの。高果糖液糖
果糖含有率が90%以上のもの。砂糖混合異性化液糖
上記の液糖に10%以上の砂糖を加えたもの(その液糖がブドウ糖果糖液糖なら砂糖混合ブドウ糖果糖液糖)。
2.なぜ広く使われているのか?
果糖ブドウ糖液糖などの異性化糖は、砂糖よりも価格が安いということがよく使用されている理由です。果糖が多く含まれる果糖ブドウ糖液糖や高果糖液糖などは価格が安いため、市販のジュースなどの清涼飲料水、スポーツドリンク、ドレッシング、焼き肉のたれなど身近にある多く食品に配合されています。甘いイメージのある清涼飲料水だけでなく、焼き肉や納豆のたれにも使われています。
また味もクセがなくすっきりした甘さが特徴があるため、このクセの無さも広く使われている理由です。
3.リスクは?安全なの?
果糖ブドウ糖液糖などの異性化糖をよく商品に使用しているメーカーのサイトでは、「でん粉を酵素でぶどう糖に分解し、さらにぶどう糖の一部を酵素によって果糖にかえた液状の糖です。甘味度は砂糖と同程度で、クセがなくすっきりした甘さが特徴です。」という説明だけしか掲載されていません。クセがなくすっきりした甘さという認識だけで良いのでしょうか?
異性化糖はブドウ糖の10倍以上の糖化リスクがあります。糖化とは「体のコゲ」と呼ばれます。食事から摂取した余分な糖分が体内のたんぱく質や脂質と結びつき、細胞などを劣化させてしまう現象で、メイラード反応とも呼ばれます。糖化によって作られる糖化最終生成物(AGEs)は、動脈硬化や白内障、アルツハイマーなどさまざまな疾患との関連が指摘されているほか、糖化が進むことで肌のシワやくすみ、シミの原因にもなります。
果糖は食事や飲み物で摂取すると、消化酵素に分解されず、そのままの形で腸から吸収されます。血液中に入ると、大部分は直接細胞の中へと入っていきます。ブドウ糖のようにインスリンが関与することはありません。そしてブドウ糖の10倍以上も糖化を早めます。果糖によって生成される糖化最終生成物(AGEs)はブドウ糖より大幅に増えてしまいます。残りの果糖は肝臓に入って肝臓内の酵素の働きで、一部はグリセリドという中性脂肪に変化し、さらに一部はブドウ糖へと変化します。グリセリドは脂肪細胞へせっせと送り込まれますから、肥満の原因にもなります。ですから果糖の摂りすぎは禁物なのです。
また果糖ブドウ糖液糖の原料はアメリカ産のとうもろこしから作られることがほとんどであり、「コーンシロップ」と呼ばれています。このとうもろこしはほぼ遺伝子組み換えであると言われています。
異性化糖をはじめ、新しい甘味料(低エネルギー甘味料)などはまだまだ研究が進められている状態であり、問題無いと指摘する方もいらっしゃるため、はっきりと体に良い・悪いを断言できません。何事も摂り過ぎに気を付けるということが健康を維持するポイントです。
因みに果物には果糖が多く含まれていると勘違いされやすいのですが、実は果物はそのものの果糖含有量はそれほど多くありません。しかもビタミン類や食物繊維なども豊富に含まれているので、適量をゆっくり食べる分にはまったく問題ありません。
参考文献・資料
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?