“リモートワーク”という働き方でも、ブランディングは効果的か?
コロナ時代に起きた環境変化や意識変化は、ブランディングで打破できるのかを何回かにわけて、シリーズ的に考えてみたいと思います。
今回は“リモートワーク”という職場環境の変化について考えてみます。
ちょっとその前に、1つ問いかけがあります。
ブランド企業の社員に、「あなたは何のために働いていますか?」と聞いてみると、何と答えると思いますか?
経営者にとっては、上の方ほど悲しく、下の方ほど、ほっとしたり、うれしくなるかもしれませんね (笑)
お金のため。
生活のため。
自己実現のため。
自己成長のため。
会社のため。
社員に「会社のため」とか言われたら、経営者は思わずにやけてしまうことでしょう。
ということで話しは戻りますが、ブランド企業の社員に「あなたは何のために働いていますか?」と聞いてみると、特に、ドイツなどヨーロッパのブランド企業では、「ブランドのために働く」と答える社員が多いようなのです。
このことは、経営者と社員の単なる雇用関係ではない、働く人たちにとってのブランドへのロイヤリティや、求心力を生んでいる状態なのだと思います。
特に、現在のようなリモートワークで社員が働いている時は、コミュニケーションが取りずらいので、何のためにこの組織に集っていて、働いているのか? という目的意識が大切となります。
当社でも、半分以上の社員がリモートワークをしていて、私自身も週1回程度しか出社していませんが、特にリモートでは、そもそも社員を管理することはできないと諦めています。
もちろん、一定のルールを定めて、ある程度の報告はしてもらっていますが、無理に管理をしようとすると、心配事も増えるので、「社員は管理できないもの」と考えた方が健康的だとも思うようになってきました。そもそも、社員を管理する意思がないとも言えるでしょう (汗)
このような“リモートワーク”という職場環境の変化があっても、生産性が落ちない、むしろ高まるのであれば、アフターコロナでも、“リモートワーク”という働き方が浸透していくことは間違いないでしょう。
では、社員を管理をしないのであれば、社員は何によって自ら積極的に働いてくれるのでしょうか?
この問いの答えは、とてもシンプルなものです。
「働く目的」によって自ら積極的に働いてくれるのです。
リモートワーク時だからこそ、管理するのではなく、社員にとって働く目的を明確に持ってもらうことが必要なのです。
では、社員にとって「何のためにこの組織に集い、働いているのか?」という問いの理想的な答えは何なのでしょうか?
それは「いかに、社員がブランドのために働けるか?」です。
「ブランドのために働く」という人が増えると、経営者と社員の単なる雇用関係ではない働く人たちにとってのブランドへのロイヤリティや強くなり、求心力も生み出すことでしょう。
このように「ブランドのために働く」という社員が増えていくためには、何が必要なのでしょうか?
その答えの1つとして挙げておきたいことがあります。
「ブランド・ビジョン」を策定するということです。
「ブランド・ビジョン」とは何なのでしょうか?
それは「将来の顧客が受け取る体験・経験を顧客視点で言語化したもの」です。※一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会の定義
ブランド・ビジョンによって、ワクワクするような明るい将来を実現することを目指すことができ、新しいブランド価値の実現へと組織変革を遂げることができるのです。
先人たちが実践してきたことのなかで再現性を抜き出したインターナルブランディングのメソッドでもありますが、今、私どもの組織でも、実践し始めているところです。
“リモートワーク”という働き方でも、ブランディングは効果的か?
この問いも、自身で実践してみないと答えを見つけることはできません。
現在、実践の真っ只中ですので、このプロセス含めて、別の機会で詳しく触れたいと思います。
次回は“社会貢献活動を進める企業への好感度の高まり“という意識変化と、
ブランディングとの関係性を考えてみたいと思います。