アパホテル名物社長の著書「強運」を読んで
私の生理的な毛嫌いからだろうが、「私が社長です」のフレーズで有名な元谷芙美子氏を敬遠していた。あの“ケバい”帽子と服装は、どうも好きになれないからだ。
ところが先日、敬愛する内山さんが彼女の講演会に出席したコメントを読んで少し変わった。そしてプレントでもらってきた彼女の著書「強運」を借りて読んだら、さらに変わった。
何しろ、書いてある内容が全て実話であるから、大いに説得力がある。
特に印象に残ったのは、小学2年生の時、担任の金森先生から褒められたことだ。
彼女は天然パーマで、それをからかわれていた。彼女が戸惑っているとき、金森先生が前向きな言葉をかけてくれた。
「あなたは、それがかわいらしんやから、ほかの人とは違う魅力なんやから」と褒めてくれた。そして黒板に書いた字が「キレイで読みやすい」とも褒めてくれた。
そして極め付きは、学内朗読コンクールの出場のときだ。
各クラスの代表者が教科書に載っている「ネコとネズミ」を全校生徒の前で朗読するものだが、出場を勧めた金森先生は「ただ読むだけではなく、全部暗記して教科書を持たずに出てみたら?」とアドバイスした。
それは、ほかの人と同じことをしていては、同じ評価しかもらえないから、との意味だが、小学2年の当時の彼女には、その意味はあまり理解できなかった。だからとてもハードルが高いと感じた。
でも金森先生はさらに言った。「あなたはほかの人とは違うから、ほかの人と違う読み方をするの。あなたなら出来るから! 自信をもって!」と励ました。
その言葉に押され、彼女は完璧に暗記し、ネコとネズミがおしゃべりをしている様子を表現できるように練習した。そして臨んだ本番。
彼女は、さらに工夫して、ネコとネズミの声色を変えて一人芝居を発表した。結果は大好評。 大喝采を浴び、一躍学校の人気者になったのである。
この件(くだり)を読んで、凄いなぁーと思うと同時に、「窓際のトットちゃん」こと黒柳徹子さんのことを連動して思い出した。
個性的な性格のトットちゃんは、最初にいた学校では問題児とされて、ついに退学。
でも次に行ったユニークな小学校の校長である小林先生に出会ったことが大きな転機となる。およそ4時間にも亘るトットちゃんの語ることを、ただただ聞いてくれた小林先生。
その小林先生から、「きみは、本当はいい子なんだよ」と言われ、それが励みとなり、すくすくと育っていく。
そんな二人に共通するのは、「個性をつぶすのではなく、個性を認め励まし、自由に考えさせる先生に恵まれたこと」だ。
そんな先生は極めて少ないから、二人ともラッキーガールだと思う。
以前と同じ考えをしていては、新しいものは生まれない。世を変えていくのは、そして世を便利にして進化させていくのは、いつの時代も異端児だ。
何故なら、ほかの人と違うことを考え、今までと違う新しいことをするからだ。
反社会的行為でない限り、私は、そのような面白い発想をする人が好きだ。
機会があれば、元谷芙美子氏にも、黒柳徹子氏にも合ってみたいと思う。
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