クルマ豆知識・1 知識は身を助く・・・軽油は凍る?
ディーゼルエンジンの燃料は軽油である。
冬の2月、そのディーゼル車に東京で軽油(2号軽油)を入れ、長野や東北へ行って気温マイナス18度になったとすると凍りますか? と訊かれたら、あなたなら何と答えますか。
答えは“凍る”です。
石油元売りは、地域と季節に合わせて凍らない等級の軽油をガソリンスタンドに供給している。(下表ランク別、軽油の流動点を参照)
だから、寒い地域に住んでいる人で、そのような知識がなくても凍らないのは、その為である。
例えば長野県の白樺湖近辺は、冬のちょっと寒い時は-15°まで下がる。
だからその近辺のガソリンスタンドは、10月中旬にはすでに3号軽油を地下タンクに入れ始める。
スタンドによっては、それを「寒冷地軽油」と表示しているところもある。
この知識があれば、困ることはない。
つまり現地で給油すればよいのである。
では、途中で凍る心配があるときはどうするか。出発時に燃料タンクを半分くらいにしておき、必要に応じて途中で給油すればよい。
暖かい地域のガソリンスタンドでも、寒い地域に向かう高速道路の入り口付近にある一部のスタンドでは、寒冷地用の軽油を売っているところもある。それは直接スタンドに訊いてほしい。
そして注意して欲しいのは、軽油の全ての給油機が寒冷地用とは限らないから、何番目の給油機が寒冷地用なのかは確かめて欲しい。
尚、寒いところで入れた残った軽油を、暖かい地域で使っても問題は無い。
最近は乗用車でもディーゼル車が多くある。
“軽油は凍る”という知識を持たずスキー場なんかに行くと、軽油が凍って動かなくなることがある。
貨物運送をおこなっている東京の事業用トラックが、仙台に行って燃料が凍って車が動かなくなった例もある。
そうなると解決策はただ一つ、「春まで待てぃ」となる。
これでは洒落にもならない。知識を持ってスマートにいきたい。
尚、軽油はディーゼルエンジン車に使う燃料の名称であって、軽自動車に入れる燃料の表示ではない。
余談だがある時、免許取り立ての娘さんがガソリンエンジンの軽四自動車に乗ってスタンドに行き、軽油給油機のところに車を停め、軽油を入れようとした。
それを見たスタンドの人が飛んできて、「それ入れちゃダメ」と叫んだ。
するとその娘さんは言った。
「えっ、だってこの車は軽四だから、軽油を入れるんじゃないの!?」
笑い話のようだが、娘さんがそう思っても不思議はない。
欧米ではガソリンと、ディーゼルと表示されている。日本でも軽油とディーゼルの列記表示を望む。
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