231025モビリティショー8(最終回) ご当地ナンバーと 図柄入りナンバーの魅力
今回のモビリティショーで、ナンバープレート展が人気を集めている。従来のナンバーは単なる番号を書いたシンプルなものだが、図柄入りとなると、グッと華やかさが増す。(上記写真撮影:青山圭司)
先ず理解しておきたいのは、「図柄入りナンバー」と、「ご当地ナンバー」は別次元の話ということだ。
★ご当地ナンバー
ナンバーは品川、富山、知床とかの地域を表している。このうち品川とか富山は自動車検査登録事務所の所轄を表しているが、知床はその地域に自動車検査登録事務所は無いので、ご当地ナンバーと呼ばれるものになる。
★図柄入りナンバー
そして「ナンバー」には、従来の図柄のない無地に番号だけのものと、図柄入りのものがあり、図柄も白黒(モノトーン)と、カラーのものがある。つまり3パターンとなる。
つまり二層構造と考えればよい。地域を表すナンバーを土台にして、その上に希望により図柄入りナンバーとすることが出来る、という意味だ。
それについて触れてみたい。
■ ご当地ソング、ご当地ナンバーの魅力
ご当地ソングは、外部から人を引き寄せる。そして地元の人の誇りとなる。
知床旅情、函館の人、長崎の人、ルイジアナのママ、飛んでイスタンブール、🎵来て来て来て来てサンタモニカと歌うサンタモニカの風、書き出すとページが何枚にもなるくらい沢山ある。
♪歌につられて、私も知床や函館、サンタモニカなど、いろいろな所に行った。網走番外地の歌に惹かれて、網走刑務所にも行った。
もし歌が無ければ、多分行かなかったと思う。
ご当地ソングは、その地域をアピールする広告的要素があるのだが、単なる広告と違い、すんなり人々の心に入る。そして心に残る。
ご当地ナンバーも然りで、図柄入りナンバーであればなお更、ご当地の特徴、特産を現わし、走る広告塔として外部の人に印象付けのアピールをする。そして地元の誇りとなる。
ご当地ナンバーは、見ているだけでも楽しくなり、その地へ行ってみたくなる。
■ ご当地ナンバーとは
ご当地ナンバーとは、対象市町村の区域を限って、新規の自動車検査登録事務所の設置によらずに、独自の地名を定められるよう新たに開始した制度である。
例えば、東京都の品川にある検査事務所は品川ナンバーと世田谷ナンバーを管轄している。
世田谷に自動車検査登録事務所は今でも無い。でも世田谷ナンバーが出来た。それがご当地ナンバーである。
補足すると、世田谷に住む人が、車を新規登録する場合、品川ナンバーの方が好きだから品川ナンバーを選択できるかというと、それは出来ない。
世田谷の人は全て世田谷ナンバーになる。
■ 図柄入りのナンバーは大別して2つ
ご当地ナンバーと、図柄入りナンバーとは、別の話である。
そこで今度は図柄入りナンバーのことを見てみよう。
図柄入りのナンバーは大別して、全国版と地方版がある。
全国版には、花柄と万博の2つある。これは使用の本拠地が何処であろうと、取得できる。
地方版は、その地域の人しか使えない。
つまり東京の人が、知床のナンバーが好きだから、あの絵柄でのものでナンバーを着けたい、寄付金も払うから、といっても不可である。
どうしてもそれを知床ナンバーを着けたければ、使用の本拠地(つまり住所)を当該地域に移すしかない。
全体の構成図を作成したので、見て頂ければ理解しやすいと思う。
これに加えて2023年10月23日から東京都版も出て来たから、少々ややこしい話になるが、東京都版は地方版の一種で、図柄は東京都の人ならどの地域の人でも取得できる。
■ 図柄入りナンバーで、カラフルに
従来のナンバーは、単に識別するだけのものだ。味も素っ気もない。実際には色はついているのだが、イメージとしては、モノクロである。
でも図柄入りはカラーの世界である。華やかさが出るし、楽しい。
2017年から「つけて走って広げよう、地域の魅了!」とのキャッチフレーズのもと、国交省は、地方の図柄入りのナンバーの交付を開始した。
これも白黒だけのものもあるが、あと千円(地方により異なる)払えば、カラーの図柄のものが入手できる。
■ 図柄入りが当たり前のアメリカ
今から約40年前の1980年代にアメリカに行ったら、ナンバーは図柄入りのものが当たり前だった。
中西部に位置するユタ州は、雪とスキーをイメージさせるプレートや、アーチーズ国立公園の有名な岩のアーチをデザインしたもの等、見ているだけで愉しかった。
そしてその地域の特徴や名所の印象が強く脳裏に焼き付いた。
だからいわば日本はアメリカ等のやり方を、数十年遅れで取り入れたと思っている。
遅ればせながらであろうとも、カラフルになり、地元にも貢献できるのなら良いことだと思う。
■ 費用は幾ら?
費用は幾らか? 我が郷里富山県の場合で、カローラなどに着ける中板の大きさのナンバーを例にとってみよう。
従来通りの番号だけのナンバー交付料 1,540円 (希望番号の場合は、値段4,240円)
図柄入りのナンバー モノトーン 8,020円(寄付金なし)(希望番号代含む)
図柄入りのナンバー カラー 9,020円(寄付金1,000円含む)(希望番号代含む)
寄付金は、公共交通の維持改善及び交通安全の推進や自動車利用者等に向けた観光PRに活用とのことだから、使途限定である。
ふるさと納税とはチョット異なるが、地元を活気づけて、華やかさを増すから、その普及度に注目したい。
因みに、モノトーンとカラーの交付比率を所轄部署へ訊いてみると、ほぼ半々とのことだ。
■ ナンバーは世界に一つ。後は永久欠番
今つけているナンバーは、世界で一つだけで、同じものは無い。
車を廃車したら、ナンバーは返却するが、そのナンバーに記されている「品川、301 の 1234」は、永久欠番となる。
自分の付けていたナンバープレートを記念に持って置きたい人は、その旨を申し出れば、穴を開けて返してくれる。
公道を走る車には必ずナンバーを付けなければならないが、これは胸に名札を付けるのと同じだ。どうせつけるなら「可愛く、華やかで、カッコ」よくと思うか、それとも識別だけだから「何でもいいよ」と思うかは、その人次第である。
いずれにしても、希望番号制や、図柄入りのナンバーが出来たのは、選択肢が広がって嬉しいことだ。
会場のナンバープレート展示ブースでは、来場者に興味を持ってもらうため、お遊びで、希望番号と図柄を指定すると、プリントアウトして名札ストラップに入れてくれる。
これが大人気で、「私、秋田犬のがいい」とか「自分は富士山!」とか、思い思いのリクエストをしていた。それを見ていると、皆さん関心が高いのだなぁ~と思った。
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