北海道「静養滞在の旅」 エピソード6 大雪山旭岳への小旅行
お誘いがかかった大雪山旭岳行き
私は何もしない滞在を謳っていたが、親友の斉藤君から「ねぇ、大雪山旭岳へ行かないかい?」と、お誘いがかかった。
一緒に“かもいホッフ”に滞在している私の友人である木村夫妻も誘って4人で行こうと言う。木村夫妻はそれなりの山歩き用の装備を持ってきているが、私は何も持ってきていない。
大雪山の旭岳は北海道の最高峰である。あなどる訳にはいかない。だから断ろうと思っていたが、頂上へ行くわけではなく、旭岳のロープウェイを上がったところにある1周90分位のハイキングコースを歩くだけだから、ハイキングシューズで十分大丈夫だという。
「ふぅ~む、それなら可能だな・・・。じゃ、悪いがリックサックと帽子を貸してくれないかな」と頼んだら、「家に何かあるから持ってくるよ」と言ってくれた。有難い。
私は大雪山の黒岳には取材でいったことがあるが、旭岳はまだ行ったことがなかった。だからちょっと興味があった。
しかも斉藤君は若い頃この大雪山で7年間にわたり山小屋に居て、スキーをしながら高山植物の監視もしていたから、地形もよく分かり、高山植物のエキスーパーである。
そんな彼をガイドにして歩く訳だから、贅沢な山歩きである。
計画は、次のようにした。
① 最初に途中にある美瑛に丘に立ち寄る。
それは観光客が行く展望台ではなく、他の人は先ず来ない彼の特別お気に入りの場所。つまり秘密の場所。
② 旭岳ロープウェイ頂上駅付近を散策。そこで持参のおにぎりを食べ、下山。ロープウェイ代はトップシーズンなので少々高めの往復3,200円。
③ 下山後、麓にある旭岳温泉に入る。入る温泉施設は、スノーボードでオリンピック銀メダリストの竹内智香選手の両親が営む宿の温泉に浸る。
④ 帰路にラベンダーで有名な冨田ファーム(正式にはファーム冨田)に立ち寄り、アイスクリームを食べる。
こんな旅程であるが、旭岳ロープウェーの値段がチト高いので、ネットで割引がないか探した。
あった! JAFの割引、ローソンでの割引、モンベル会員割引・・・でもよく分からない。それで直接旭岳ロープウェー社に電話してみた。結論は「そのような割引はありません」とのこと。トホホ・・・
ネット上のそれらの情報が何でそこにあるのか不明だが、しょうがない。
天候に恵まれた8月14日、我々4人は、スバルレガシーに乗って、早朝に“かもいホッフ“を出発した。
先ずは美瑛の丘へ
運転をしている私に、助手席の斉藤君から「次を右に、その次を左へ、・・・」等の指示が、矢継ぎ早に出てくる。もう、どこを走っているのか分からない。とにかく指示通りに進むと、確かに眺望の良い丘にでた。素晴らしく眺めがよく、ほぼ360度の眺望だ。
周りには誰もいないし、車も一台もいない。知る人しか来ることが出来ない秘密の場所の感がする。
もう一度、一人で行けと言われたら、座標(北緯何度、東経何度)をインプットしない限り、たどり着けないだろうなぁ~
大雪山旭岳ロープウェイに乗って
標高1600mにある終点姿見駅についた。散策路にはロープが張ってあり、散策路以外には入れないようになっている。
アップダウンもあまりなく、歩くのはラクチン。本格的なトレッキングシューズでなくとも、ハイキングシューズで十分歩ける。
景色の良い場所でベンチに腰掛け、旭岳の噴煙を眺めながら、皆でおにぎりをパクつく。手造りおにぎりに味付け海苔を巻き、沢庵をつまみ、お茶を飲む。至福の一時だ。
この日は天気に恵まれたが、なんといっても高山なので、天候には注意したい。我々は万一の為に、全員がアウトドア用の本館的なレインコートをリックに忍ばせていた。
間違えて入った温泉
山麓駅に降り立った我々は温泉に向かった。「あっ、ここだよ。竹内智香選手の実家のホテルは」と斉藤君が言うから、てっきりそうだと思った。
でもTVで見たのとはちょっと違うようだが、新しく建て替えたのだろうと思った。
とにかく、彼女に関係のあるホテルで入浴すれば、間接的にオリンピック選手を応援していることになるから、ポケットに1,000円入れてフロントへ行った。
それだけあれば足りるだろうと思ったが甘かった。「1,140円です」と言われてビックリ。ちょいと高いが、この辺の相場らしい。まぁいいかと思って、不足分を斉藤君から借りて大浴槽へ。当然露天風呂もあると思ったが、露天風呂は無くなっていた。
風呂は湯質も良かった。
出て来た我々4人は、車に乗り込んだ。その時、斉藤君が「ごめん、ここは竹内智香選手の実家のホテルではなかった。人から聞いてそう思い込んでしまったんだ。ごめん」と言う。
人生にそんな思い違いは付きもの。ハッハッハッと笑い飛ばして、エンジンをスタート。
でも内心は、わずかばかりでも入浴料でオリンピック選手の後押しをしかったなぁ~
ビックリする人混みの冨田ファーム
我々は、旭岳から中富良野にあるラベンダーで有名な冨田ファームに着いた。正式名称は「ファーム冨田」だが、我々はそう呼んでいる。私はここに何回か来たことはある。
同行の斉藤君と冨田ファームの経営者は知り合いである。アルペンスキーの国体の富良野大会で斉藤君が優勝したとき、冨田さんは競技コースの役員をされていたとのこと。
でも、知り合いだからと言っても、こんなピークシーズンに会いに行くのは適切ではない。だから我々は、目的のアイスクリームを食べて、ファーム内を散策するだけにした。
それにしても、人が多い。まるで東京の竹下通りを歩いているようだ。駐車場が何か所も用意されているのだが、ほとんど満車。各入り口には誘導員が立っている。そして駐車は全て無料。大型観光バスも専用駐車場に40台は止っている。それも無料。入園料も無料。
でも、人が入ればトイレも使う。水も使う。誘導員の費用もかかる。
だからせめて駐車料や、100円でもよいから入場料を取った方が良いんじゃないか・・・と心で思った。全く持って余計なお世話だが。
冨田ファームのアイスクリームは、斉藤君お気に入りだけあって、とても美味しかった。しかも350円と安かった。このアイスクリームはここでしか販売していない。また食べたいなー