グライダーで飛翔 その4 日本の免許取得に国交省へ
当時は、アメリカの飛行免許があれば、日本の飛行免許も発行して貰えた。だが、それには国交省航空局に出向かなくてはならない。
書類申請だけではダメで、関係の書類、特に飛行記録を書いたLOG BOOKなどが重要になる。
それらの現物を見せ、さらには口頭で、「この地点はどこですか。航空地図上で、指さして下さい」などと質問される。
これは、本当にこの人物が、現地でおこなってきたのか等を、総合的に見ているのである。
航空機の免許は、航空機の種類別に大別して4つある。
1・飛行機
2・回転翼航空機(ヘリコプター)
3・滑空機(グライダー)
4・飛行船
https://www.mlit.go.jp/common/000011264.pdf
その中でさらにパイロットの技能証明として、飛行機であれば陸上機、水上機、単発機、多発機、レシプロ(エンジン)機、タービン機(ジェットエンジン)、計器飛行、事業用操縦士、定期運送事業、等に別れる。複雑だ。
さらには離陸重量5t700㎏以上の飛行機は、型式限定となる。つまり定期便のボーイングB777のパイロットは、エアバスA300の操縦はできない。だから両方を操縦するときは、両方の型式限定の免許を取得しなくてはならない。
滑空機(グライダー)は、動力を持たない上級滑空機と、動力付きの動力滑空機に別れる。
動力滑空機はモーターグライダーと呼ばれるもので、業界では略してモグラという。
私が取得したのは、アメリカのグライダー免許であり、それには「飛行機曳航」と明記があった。
国交省航空局で、「本人に間違いない。そして言っていることは嘘ではない」と確認を受けた後、日本のグライダーの免許も手にした。
前述のように、航空機は4種類に別れているので、「自家用操縦士技能証明書」は、飛行機の免許に加えて、滑空機の免許の2つになった。
面白いのは、私が飛行機の免許をもっているので、滑空機の免許には、滑空機上級と、動力滑空機の2種留が書いてあることだった。
その時点では、まだ動力滑空機は乗ったことは無かったが、その免許を手にした私は、日本の利根川の河川敷にある関宿滑空場で、モーターグライダーも操縦した。
つまり私は、アメリカ連邦航空局発行の飛行機免許とグライダー免許、そして日本の国土交通大臣発行の飛行機免許とグライダー免許を所持している。
さらに面白いと思ったのは、アメリカの免許の私の住所は、日本の住所なのである。そして英語の通じる国に行くと、アメリカの免許はほぼ通用するのである。英語が分かれば世界の人の半分と通じるとはよく聞くが、まさにその通りだと思った。
それはともかく、飛翔していて最高に面白いと思ったのは、やはり上級滑空機のソアラであった。
音の無い世界で、上昇気流を捕まえて鳥のように自由に飛び回れる爽快さは、まさにスカイスポーツそのものといった感じだ。
こうして私は鳥になった。
この後、アメリカで水上飛行機にも挑戦し、アメリカの技能証明は計4つ、日本の技能証明へ計5つ持つことになるのであるが、それはまた別の機会に記したいと思う。
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