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北海道滞在記 エピソード9: 人生初、台風7号で4日間の足止め
■ 招かざる客・台風7号の襲来
誰も招待状を出していなのに、台風7号が勝手に日本列島にやってきた。しかも関東を直撃のコースだ。
私は、8月16日の午前の便で、北海道の新千歳空港から東京の羽田空港へ飛ぶ予定だった。もちろんチケットも数か月前に取り、お金も払ってある。
だがこの台風、どうも帰路予定日の16日に、関東を直撃するらしい。私は翌17日にあるパーティで、ナレーションをする予定が入っている。
だから何とか東京に戻りたいのだが・・・。
■ 無駄でもトライするか、それもと自然に身を任せるか。
台風の状況と、フライトの情報は、TVや飛行機会社から入るので、おおよそ分かる。
前々日の段階で欠航の決定は出ていないが、どうも、16日は飛びそうにもない。
そこで空路、海路、陸路の全ての方策を検討してみた。
1・空路はお盆のピーク時なので、前日も、翌日以降3日間は無く満席だ。わずかに4日後の午後の便に数席の空席があるとのことだ。
2・海路も検討したが、先ず無理との判断をした。海路は時間がかかるし、港までの交通も不便だし、出航直前での欠航もあり得る。
3・ならば、陸路はどうだろう。北海道内を列車で函館まで移動し、そこから北海道新幹線を利用する方法だ。グリーン車なら何とか席が取れそうだが、44,000円と大きな出費になるし、計画運休も考えられる。動いたとしても途中でストップするかもしれない。
結局、陸海空のいずれも、運行しない可能性が高く、運行/運航に一縷の望みをかけて駅や空港に行っても、大きな荷物を抱えてウロウロするのが関の山だろう。
(運行/運航の文字: 陸路は運行の文字を使い、空路や海路は運航の文字を使うので、両方を記した)
すると、もうここは諦めて、台風が行き去るまで待つという自然に身を任せるのが一番賢明な方法だろうとの結論に至った。
■ 賭けに出た我々
すると、予定のフライトの欠航が決まる前に、早く変更をしなくてはならない。なぜなら欠航が決まれば、その数のお客さんが、ドッと我先に空席を狙って変更リクエストをするからだ。モタモタしていると、席が取れるのがもっと後の日になる。
私も木村夫妻も、飛行機会社は違うものの、同じ日の同じような時間帯のフライトだった。それで我々は「これはまず飛ばないだろう。欠航が決まる前に、一番早く取れる4日後の20日の便に変更しよう」と、賭けに出た。
それで、お互いに自分の部屋に入り、便変更にトライした。1時間後に、ようやく4日後の8月20日の便への変更手続きが出来た。
木村さんも、同様に成功した。
我々は、賭けに勝った。なぜなら、その数時間後に、当初の予定のフライトのキャンセル発表があったからだ。その時点で、すでに20日のフライトの空席は全く無くなっていた。
すると、我々はさらに4日間、かもいホッフに滞在することになるが、マネージャーの斉藤さんに滞在延長希望の話をすると、快く「了解」と言ってくれた。
そして私は、東京でのパーティ主催責任者のSさんに電話をした。事情を話し、「出席不可」の旨を丁重に申し出た。Sさんも事情に鑑み、了解してくれた。
これでやれやれと、ホッと一息つけた。
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■ 越すに越されぬ大井川、飛ぶに飛べない札幌―東京
国内各地はもとより、海外にも80回ほど行っているが、長い人生で4日間も足止めを食ったのは、今回が初めてだった。
その時、「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」の箱根馬子唄を件(くだり)が頭に浮かんだ。
まぁ、我々は自然の中で生きている。自然には勝てない。こんな時は自然に身を任せるのが一番との教訓を得た。
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かもい岳に居て、ヨッロッパから来たのだろうから、
その頭文字をとって「かよ」ちゃんと、私が勝手に命名。
「かよ」ちゃんは、「自然に身を任せるのが一番だよ」、
「まぁ、水でも飲みなよ」と言ってくれているようであった。
■ 降って湧いた4日間のフリータイム
さて、急に降って湧いた4日間のフリータイム。せっかくだから有意義なものにしようと考えた。
レンタカーを借りている木村夫妻は、その車で小樽方面へ小旅行に出ることになった。小樽に詳しい人から、とっておきの寿司屋の情報を得たらしい。
さて、私はと言うと、一度は行って見たいと思っていた襟裳岬への想いがわきあがった。
滞在している「かもいホッフ」は、北海道のほぼ中央部に位置する歌志内(うたしない)にある。その歌志内から襟裳岬までは距離にして片道約300㎞ある。時間にして約5時間30分。
「でっかいどう、北海道」のキャッチフレーズのとおり、北海道は広い。欧州のスイス国の2倍、その隣国のオーストリアとほぼ同じ広さだ。
そんな広い北海道の往復600㎞を、一人で行くのは大変だ。でも二人なら日帰りでも可能だ。
そこで、スバルレガシーを持っている親友の斉藤さんに、襟裳岬とその途中にあるアイヌコタン(集落)の二風谷の二か所に行って見ないか、と提案した。
返事は「OK、そうしよう」。そして明日(16日)の朝8時に出発しようとなった。
おまけの暇つぶしのような、この2ヵ所の訪問は、思いの外、とても意義深いものとなるのであった。だから人生は面白い・・・。それは次回のエピソードで。