日本もビジネスジェット機時代の到来か・・・富山空港の変化
一通のメール
今年の春、飛行機運行ビジネスを手掛ける会社の社長であり友人の小瀬社長から、メールが来た。
北陸にある県営富山空港が、2025年を目標に県営から民間委託する方式に変え、ビジネスジェットの療養者を増やす計画の記事が、地元有力紙に載ったとこのと。
小瀬社長はそれらの発展を目指しており、彼の構想は2019年1月4日の地元紙1面にトップ記事として載った。
彼は長野県の松本空港から山形県の庄内空港にエプソンのビジネス機を運航させてきた実績があり、さらには富山県の航空行政にもかなりの接点をもっている。
だが運悪くその後のコロナ蔓延の影響もあり、県の政策も大きな進展はなかった。
それがここにきて、新たな光が射してきた。
線路一本で激変。新たな模索
元々、富山空港は黒字路線で、航空会社も県も胸を張れる状態が永く続いた。ところが北陸新幹線が出来ると、利用客は半分以下となり、県としても何とか新たな需要を喚起しなくてはならない。
富山空港は国際線のチャーター便も過去には飛来していた。そこで今度はビジネスジェット機専用のラウンジを設け、通関や入国審査をスムーズに、そして快適に行う受け皿を作ろうというのである。
その専用施設は、利用料が1回当たり到着で15万円、出国で16万円とチョット高い気もするが、まぁこれも利用頻度が上がれば、値段は下がるだろう。
もちろんこれとは別に離着陸料は発生する。ターボジェット発動機を装備する航空機の着陸1回ごとに最大離陸重量が 25t以下 の場合は1,100 円/t。16tクラスの機体なら17,600万円。
駐機料は停留した時から4時間毎に数千円。6時間以内なら無料。
つまり、離着陸料も駐機料も、それほどではないということだ。
何機あるの? 経済3位の大国 日本のビジネスジェット
視点を変えて、では一体日本にビジネスジェット機は何機あるのか?
答えは59機である。(国土交通省データによる)
世界で一番多いのは航空王国アメリカで約22,000機。次いでドイツの783機、英国の525機、フランスの482機、中国の464機、インドの235機と続く。
GDPではアメリカ、中国、日本、ドイツの順になるから日本はGDP第3位。その3位の経済大国日本がたったの59機。
いろいろな角度から考えてみて、日本にもっとビジネスジェット機があってもいいと思う。イヤ、こんなに少ない方が不思議だ。
なぜなら、ビジネスで国内はもとより、海外の現地工場や取引先と頻繁にコミュニケーションをとる必要があると思うからだ。
貴方なら、どちらの人とビジネスやりますか?
私は相手先の会社や工場へ行くとき、次のように例える。
定期便を利用するのはバスを乗り継いで行くようなもの、ビジネスジェット機は小型の性能の良い車で直行するようなものだ。
大手会社のエクゼクティブが、バスを乗り継いで行くようでは、ビジネスで後れをとってしまう。
日本でビジネスジェットが普及しなかったのは、国民性があると思う。
あんな高いものを飛ばしているのは、社長の道楽だ。だから製品の値段が高いんだ!・・・という感覚があるからだろう。
だから、R社も、S社もビジネスジェット機を羽田空港に持っていても、人目につかないようにしている。(前述の小瀬氏の話)
ビジネスジェット機は、ビジネスツール
でも、それでは時代に乗り遅れる。もう感覚を切り替え、ビジネスジェットで世界を股にかけて飛び、ビジネスを展開し、日本の発展そして人類の発展に尽くしてほしいと思う。
何しろビジネスジェット機は、定期便より高空を飛び、スピードも速い。 航続距離も長く、東京~ニューヨークまで勿論無給油で飛べるものもある。
国土交通省も、ビジネスツールとしてその需要喚起に力を入れている。成田、羽田、関空、中部、神戸空港等に続き、富山空港もそうなることがほぼ現実となった。
以前、私は小瀬社長にビジネスジェット機の普及のプレゼンテーションへの助言をした。私の協力がいかほどかは分からないが、少しでもお役に立てたら嬉しく思う。
そして官民挙げてビジネスツールとしてビジネスジェットの普及を進めて欲しい。感覚さえ変えれば、今からでも遅くない。