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Vol.4 受け身の姿勢・諦めの赤字マインドから脱し、“普通に成果を出す”自信の持てる環境へ

 株式会社U-NEXUS(ユーネクサス)代表取締役社長の上野敏良と、長野市の老舗の看板制作会社「株式会社アドイシグロ」代表取締役社長・石黒ちとせに聞くインタビューシリーズの第4回(最終回)。株式会社アドイシグロ営業部4人に聞く!で締めくくりになります。

 看板の企画デザインから制作、取り付けまで全てをこなす「アドイシグロ」の営業部を回すのは社歴がさまざまな4人のメンバー。株式会社U-NEXUS(ユーネクサス)代表取締役社長の上野敏良による伴走コンサルティングを受けて、彼らの中でどういう変化が起き、会社をどうしていきたいのか――それぞれの想いを聞いた。

■「それほど仲が良くない」関係から、会社の未来を語り合える仲に。

―コンサルティングを受ける前は、どんな課題がありましたか?

塚田:
昔は黙っていても仕事が来る感じで、請けた仕事はきっちりこなすものの、攻めの営業を苦手としていました。

矢作:
1998年の冬季長野五輪を境に売上が下っていて、売上をどう回復させるかかが課題でした。でも、メンバーそれぞれの仲が良いと言うほどではなく、みんなで話し合うことも少なく、営業をどう良く変えようかという手が見当たりませんでした。

塚田修志さん/1991年に入社し今年で勤続33年目。営業部長。製作部と業務部を経て、営業部では20年程度。

馬場:
 
営業部に入ってすぐに一人で打ち合わせに行ったことがすごく辛かったのです。何もわからないまま、対応がわからず、手探りだったためクレームもたくさんありました。もちろん失敗した時のフォローはしてくれましたが、指導体制はあまりありませんでした。

 その後も、売上が伸びず赤字が続いていたことが一番気になっていました。それをどうこうする施策ははっきりしていなくて、個人的に何をしていいのかわからない状態が続いていました。

竹澤:
 
塚田さんが言ったように、受け身でもやってこられた時代が相当長く、セールス的な営業がほとんどできていませんでした。我々の業界はほぼオーダーメイドで、規格が決まった商品を売ることがないのでセールスが難しいと思っています。そもそも看板の需要が減れば売上も減ってしまうし。かといってどう対処すれば良いかわからない。忙しさにかまけてずるずる来てしまっていました。

矢作啓充さん/2008年に入社し15年間ずっと営業を務める。

―コンサルティングを受けて気が付いたこと、変わったことは?

塚田:
 
人を褒めることの大切さに気付かされました。人を褒めることがいろいろな意味で人間関係作りに繋がり、組織としても動きが変わり、会社全部が変わります。

 矢作さんが言っていましたが、実は僕らはお互いそんなに仲良くなかったんです(笑)。3人はそれまでも変えた方がいいと思うところは言ってくれていましたが、上野さんのおかげで、より何でも言えるような関係へと深まりました。

矢作:
 
コンサルティングのおかげで、会社をこの先どうしていこうとか、会社の売上を上げるためにはどうしたらいいかとか、他の部署の人とも膝を突き合わせて話せるようになりました。

 まず僕たち営業部の意識が最初に変わり、その空気が会社全体に広がっていった感じです。営業部はいわば仕事の起点です。他部署に仕事を出していく、その最初の部署が良い人間関係を作り始めたのが良かったのかな。

馬場:
 
僕も、社内の人間関係の質が良くなったと思います。塚田さんが上手くまとめて、話しやすい環境を作ってくれています。それと、上野さんの提案で、新規の顧客数などまで表にして「見える化」を進めることができました。個人的には仕事で今後の良い動きに繋げられると感じています。

竹澤:
 
コンサルティングを通じて一番感じたのは、伝え方の大切さです。我々4人は社長と意見がぶつかることがあります。でも上野さんが、こう伝えたいんですよねと我々の意見を汲んだうえで、噛み砕いてうまく伝えてくれることで、すんなり話が通ることがあります。言葉の選び方や伝え方を見習わないとなと思いますね。

竹澤徹さん/1998年に入社し25年。製作部から、インクジェットプリンター操作などの仕事をした後、営業部へ。他のメンバーとの役割分担で、打ち合わせなどより作業的な仕事が多い。

■関係の質、思考の質を高め、より良い、ものづくりへ。

―今後心がけていきたいこと、やってみたいことを教えてください。

塚田:
 
今期から新商品の開発のためのブランディングについて上野さんから教わっています。それがあれば先々大丈夫だという新商品を作っておかないといけません。まだ形にはなっていませんが、できればSDGsに絡めたものにしたいです。でも絡めるとさらに考案することが難しくなるので、そこは課題ですね。

矢作:
 
まだ課題の残る社内の人間関係の質がもっと良くなれば、みんなの思考が変わってきます。そうなると考え出す新商品や、看板のあり方も変わってくるので、早くそこまで到達したいですね。

 会社のためにと考えることと、自分の思いがまだうまく合わせられなかったり、多様な人がいる中で、みんなが同じように変わるのは難しいかもしれませんが、とにかく同じ方向へ舵を切れれば良い会社になるのではと思います。

馬場一樹さん/2017年に入社し製制作部を2~3年経験し、営業へ。

馬場:
 
僕もブランディングの学びを生かして、新商品しかり、時代に合うものづくりで売上に貢献したいです。アイデアはいろいろ出てでいるのですが、社長を始め社内の調整がまだまだ上手くいかないところがあります。それでも、良いものを生み出していければいいなと思っています。

竹澤:
 
以前のように受け身の姿勢で積極的な営業を赤字でも仕方ないと諦めず、みんなで考えて動いて、成果が出ることが普通なんだという会社になっていけばいいですね。

 時代の流れで大型看板が減り、看板というジャンルが多様化して、どんどん対応しなければいけないものが増えています。時代に合わせてお客様に提案していきたいという気持ちになっています。実際に、2期連続して売上が伸びているので、やればできるんだという自信に繋がっています。

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このシリーズは、この回で終了となります。
ありがとうございました。

取材日/2023年8月25日
場所/株式会社アドイシグロ 
写真/清水隆史(ナノグラフィカ)
執筆/松井明子
編集/寺澤順子(ソーシャルデザインセンター)

>>石黒社長と上野さんのインタビューはこちらから


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