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7年前のゲームを今更やる! 真・三國無双7 with 猛将伝 レビュー

2021年ゲームレビュー 1 

67.3時間。全ストーリークリア、将星モードクリア、猛将伝で追加された将星モード延長戦クリア、全チャレンジモード1位獲得まで。

2013~2014年に出た、一騎当千の爽快感を味わう無双系ゲームの元祖シリーズ第7弾&追加ディスクであり、元々『真・三國無双6』の完全版の趣がある7を、さらに調整してより良くした真・三國無双の決定版。作は古いがアクションは十分にかっこ良かった。

以下ネタバレ。しかし三國無双でネタバレとかあるのだろうか。

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1. ゲームモード

本作は魏・呉・蜀の三国のストーリーに加え、魏のアフターストーリーである「晋」、それらに属さない勢力の「他」、猛将伝で追加された「呂布」の6つを楽しむことができる。それらは正史・演義に沿ったルートと、重要人物の死を回避して天下統一を成し遂げるIFルートとに分岐し、さらに猛将伝では「アナザーIF」という単発のステージまで各勢力に用意された。

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呂布の娘の呂玲綺ちゃん。貂蝉の娘ではない。

その他にも、一介の士として仲間を集め、帝を招き戴く「将星モード」や、その後日談「将星モード(地方平定)」、好きなステージを好きな勢力で遊ぶ「フリーモード」、また猛将伝では恒例のチャレンジモードが搭載されている。

各モードのコンセプトはわかりやすく、目指すものが明確なので遊びやすい。難易度も「天国」から「究極」までバリエーション豊か。長く遊べる作品に仕上がっている。

初めてきちんとSteamで遊んでみたが、自分でプレイ時間を数えなくて良いという快適さは正直手放したくない。筆者はプレイ時間をゲーム外ツールを用いてかなり正確に数えるようにしているのだが、それにはツールに開始時間と終了時間を入れなければならない。これをSteamが勝手に数えてくれているのが本当に楽。これから全部のゲームをSteamでやりたいくらい。

2. 正統進化の決定版

ナンバリングの7まで進めてきた本作はボリュームもピカイチ。過去作でリストラされたキャラは恐らく全員復活し、武将の数は80名を超えた。

その一人ひとりに得意武器と固有のアクション、3種類の無双乱舞が設定されており、十分な体制で丁寧に作られていることがわかる。武器もシンプルな剣や槍から中国っぽい方天戟、ファンタジー的な呪符、筆、蟷螂鉄糸、果てはオーパーツじみた連弩砲(片手持ちガトリング砲)まで、多種多様なものを試すことができる。

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法正の武器は「連結布」。布が武器とか、すごいところに来たな。

グラフィックも素晴らしい。2014年の、ほとんどPS4ローンチタイトルのようなものだが、人物造形はハイレベル。服のディテールや細かい表情もさることながら、映像作品としてのムービーにも見応えがある。ゲーム画面もかなり遠くまで眺めることができるし、何より敵兵のワラワラ感はシリーズ随一だろう。それでいてラグなどはほとんど感じられない。

本作はプレイの快適さにも心が砕かれている。操作面では、メインで使うボタンは通常攻撃とチャージ攻撃、あとはジャンプと無双乱舞というシンプルさ。プレイヤーの弓は原則廃止された。馬は任意の場所に呼び出すことができ、さらに自身が走りながらでも馬に飛び乗ることができるようになった。馬に乗るのに止まらなくていいのは本当に快適だ。

また単純作業も緩和されている。キャラのレベル上げは地道に経験値を稼ぐ他に、お金でレベルを買うこともでき、作業的な時間を削減する方向への進化は強く好感する。ぜんぜん使っていなかったキャラをいきなりレベルカンストにできるのは気持ちがいい。

武器強化も、真・三國無双と言えば若干ハクスラ的な、武器の性能ガチャのようなことをずっとしていたのだが、本作ではベースとなる武器と若干の「宝玉」さえあれば、大量に手に入る雑多な武器から能力を移し替えていくことが可能。これにより武器稼ぎにかかる時間も実質的に無くなり、理想の武器を簡単に手に入れられるようになった。

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「特殊鍛錬」のおかげで武器の強化がとても楽。

過去作であった攻城戦の煩わしさや、味方が思ったとおりに動いてくれないようなイライラ感も軒並み払拭されている。

このように、本作は昔の三國無双から面倒に感じられる仕様をすべて取り除き、爽快感に極振りしているように感じる。これらのボリュームと快適さをもって、本作は十分に勧めることができるだろう。

3. 長寿シリーズの苦悩

真・三國無双は2021年の現在でも新作スマホゲーが出るような老舗ブランド。ゲームから提示される課題は一貫して「多くの敵を素早く倒す」だ。もちろんプレイを始めた当初はそれを目指し、一騎当千の自キャラの強さや自分一人の活躍で戦況を覆す気持ちよさに爽快感を覚えるのだが、20時間、30時間と続けると……飽きる。

ストーリーでは、とにかく馬に乗って地図上で表示される緑のマーカーまで行き、そこに居る武将を倒してまた次のマーカーに向かうという繰り返し。時間がシビアなときは待ち伏せや効率の良い回り方のようなものもあるが、本質的には「マーカー → 撃破」以上の物はない。

低難度では「雑草刈り」とも揶揄される雑魚戦の単調さに無為を感じ、高難度に挑むにはまだ武器が育っていない。鏢のような強くて小回りの効く武器もあるが、そればかりに頼ると単調さが一層増す。かと言って別の武器を使うと時間がかかる……というジレンマに悩み続けていた。

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大振りの武器も結構楽しい。

これに追い打ちをかけるのが長寿シリーズゆえのストーリーの陳腐化。もう三國無双も7作目だよ、三国志は何回も読んだよというマンネリ感が強い。救済として本来死んでしまうキャラを生かすことができるIFストーリーもあるが、それでも半分以上が本編。

プレイ前は「三國無双なのに、前作超えの呪いにかかったせいで『晋』が追加されて四國になっちゃった」とか言って申し訳ない。晋のストーリーが一番おもしろかった。(五丈原以降は初見だから。)

しかしながら、本作の単調さは高品質さを逆説的に表している。「果たしてこのゲームは最後まで続ける価値があるのか、もう終わりにしても良いのではないか」と悩みつつ結局60時間以上、最後までやってしまったのだから。というか遊ぼうと思えば、まだ極めていない要素はいくらでもある。

たぶん、このゲームは一気に完全クリアを目指すものではなく、好きなビジュアル・声・アクションのキャラと武器で、気が向いたときに少しずつ遊ぶのが健全で楽しいのだろう。大喬ちゃんの双杖に誘雷つけて敵のど真ん中でぶん回すの最高です。

4. 好きなキャラクター

どのキャラも意外と自軍で出てくるときはあまり喋らないので、敵として出てきたときの印象で好き嫌いが決まるような気がする。

夏侯淵とかはキャラが掘り下げられて、昔のふとっちょで魅力も乏しかったところから、自信家で仕事人というような性格に変わっている。これがなかなか意外で面白い。

許褚も、頭の足りなさそうな感じから優秀な親衛隊長になっていて、まさしく再評価というような感じ。

新規キャラでは魏の軍師の郭嘉が好きなんだけど、得意武器の打球棍がビリヤードのキューと弾とかいうイロモノで使いこなすのは難しかった。神速つけたら変わるんだろうか。

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作を重ねるにつれてホストみたいなイケメンも増えた。呉に至ってはヤンキー軍団みたいになってる。

あと昔からなんだけど、孫策も好き。やっぱ孫策にはトンファーを持ってほしい。無双乱舞が全部タイマン用というのもキャラが立っている感じがして素晴らしい。

徐庶も、諸葛亮と己の差に苦しむ、うだつの上がらないおっさんって感じが今までになくて素敵。三國無双って基本的に竹を割ったような性格というか、真っ直ぐな人や忠臣が多いので、途中で魏に鞍替えするキャラというのも新鮮味がある。

女性陣だと大喬ちゃん! 可憐だ……。ストーリーが一通り終わったあとは将星モードで大喬ちゃんばっかり使っていた。だってかわいいもの。軽功でビュンビュン進んでいけるのも良き。

王元姫ちゃんは……男なりせば、って言われる女性って現実でも結構いるよね。それでいて非常に目の保養になりました。司馬昭を決して裏切らない感じとかも良いよね。

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