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自宅で学ぶ:簡化24式太極拳の自主練
簡化24式太極拳は、武術としての太極拳を簡潔な24の動作にまとめたもので、初めて太極拳を学ぶ方でも無理なく始められます。もともと中国で武術・気功として広まり、近年では健康法としても人気です。簡化24式は、シンプルな動きでありながら体幹を鍛え、体内の気の流れを整える効果も期待できます。
最近では、YouTubeなどのオンライン動画を活用し、自宅でも効果的に学べるため、忙しい現代人にもピッタリです。前回に続いて太極拳の動きを解説していきます。
わたし自身も、自宅でYouTube動画を参考に練習しています。今回も中村げんこう先生の動画を参考動画としてお勧めします。
前回のつづきから初心者が理解しやすいよう、特に大切な「左攬雀尾」「右攬雀尾」「単鞭」「雲手」といった基本動作を分かりやすく解説します。
左攬雀尾【ヅオランチユウエイ】・右攬雀尾【ヨウランチユウエイ】
この動きは、太極拳における基礎動作の集大成とも言えます。左右で同じ動作を行い、安定感や身体のバランスを養います。攬雀尾には4つの基本要素、「掤(ポン)」「捋(リー)」「擠(ジー)」「按(アン)」が含まれています。
【掤】ポン:
両手でボールを抱えるような形を作り、胸の前に押し出す。
相手の攻撃を跳ね返す防御の役割。
【捋】リー:
相手の腕を両手でつかみ、自分の方に引き込む動き。
力を用いず、相手のエネルギーを受け流す感覚。
【擠】ジー:
手を重ね、押し上げるように相手に力を伝える。
精神を集中し、タイミングを合わせることが重要。
【按】アン:
両手で引き込み、その後、前方へ押し出す。
相手を押さえ込んで距離を作る動き。
攬雀尾は左右で繰り返し行うことで、自然な重心移動とバランス感覚を養えます。
単鞭【ダンビエン】
単鞭は、片方の腕を伸ばし、もう一方の手を曲げてサポートする動きです。腰を少しひねることで体全体のバランスが取りやすくなり、足元の重心移動がスムーズに行えるようになります。この動作は体の柔軟性とバランス力を養う効果があり、太極拳特有の柔らかさが求められます。
雲手【ユンショウ】
雲手は、3回繰り返す動きで、両手で雲を払うように体を揺らしながら行います。左右にスライドするように動くことで、自然な重心移動と柔軟な体の使い方を学べます。しなやかな動きが求められるため、初心者にとってリズムと呼吸の調整も大切な要素です。
自主練習のコツ
自宅での練習では、以下のポイントを意識しながら行っています。
動画を活用:YouTubeには簡化24式太極拳のステップごとに動作を解説する動画が豊富です。初めての動きをじっくり確認し、ゆっくりとしたテンポで習得していくと良いでしょう。
鏡で確認:動きが分かりにくい場合、鏡を使ってフォームを確認し、左右のバランスを保つことがポイントです。
呼吸と動作を合わせる:太極拳は深い呼吸とともに動作するため、息を吸うときと吐くときのタイミングに合わせて動きを調整しましょう。リラックスし、呼吸が途切れないように心がけます。
重心移動の意識:特に動作から動作に移行するときは、しっかりと足元の重心移動を意識して練習すると体幹が鍛えられます。
簡化24式太極拳の今回までの動作の流れ
1,起勢【チーシー】
2,野馬分鬃【イエマーフェンゾン】(3回繰り返し)
3,白鶴亮翅【バイフォリャンチ】
4,楼膝拗歩【ロウシアオブー】(3回繰り返し)
5,手揮琵琶【ショウフイピーパー】
6,倒巻肱【ダオジュアンゴン】(4回繰り返し)
7,左攬雀尾【ヅオランチユウエイ】
8,右攬雀尾【ヨウランチユウエイ】
9,単鞭【ダンビエン】
10,雲手【ユンショウ】3回繰り返し
11,単鞭【ダンビエン】
今回までが簡化24式太極拳の前半の動きになります。
太極拳は、ただの武術ではなく、心と体を整え、精神的な充実感も得られる運動です。初心者の方も、シンプルな動きから始めて、自分のペースで進めていくことができます。まずは一つ一つの動作の意味を理解し、体に馴染ませていきましょう。