FXのトレードを教わるなら何十万円も払う高額塾が実は一番良いかも?という話
FX界隈においては、価格がウン十万円するような高額なトレード塾やコンサルを売っている方々が一定数存在します。
普通の感覚ならこういった方々は「怪しい」「詐欺」のような悪評を立てられて然るべき存在ということになるかもしれませんが、トレーダーの実態を鑑みるとそういった方々を安易に「偽物」「詐欺」と揶揄することはむしろ本質から遠ざかる行為のように思えます。
これは、特定のコンサルや高額塾を持ち上げたりアフィリエイト誘導したりといったことが目的ではなく、あるいは逆に特定のトレーダーを貶めたいわけでもありません。
実際のトレーダー目線に立つとそのような高額設定もある意味「仕方のない」面もあるという極めて現実的な話です。
高額トレード塾は顧客完全無視の殿様商売?
結論から言ってしまうと、実際にトレードで稼いでいる実力者が運営する高額塾やコンサルほど
「これくらいの金額は貰わないと割に合わない」
という、買い手の懐事情は無視した完全な殿様商売でやってる可能性が高いです。
いかに稼げるトレーダーと言えども、トレード以外の固定収入がメンタルの安定を測ってくれる意味があるのでこういった塾やコンサルといった「固定収入」の柱があることは大きな意味を持ちます。
とはいえ、普通にやってる分には大半の場面で「時間かけてわざわざ人に教えるより一人でトレードやってた方が効率良く稼げる」という話になるわけです。
そもそもそれを生業としているわけではなく、あくまで別の収入の柱の一部としてやっているだけなので
「利益を最大化出来る価格設定にする」
などというビジネスの思考が彼らには初めから無いんです。
例え月に数件しか売れないとしても、価格が数十万円するなら十分な固定収入にはなりますからね。
つまりトレードの高額塾やコンサルっていうのは、自分自身がトレードで稼ぐ際の労力や時間効率、メンタル面の負担を鑑みて
「これくらいの価格ならやってもいいかな」
という売り手主体の価格である可能性が高いってことです。
だからこそ、そういう強気な値段設定でやってるトレード塾の方が逆に「本物」である可能性も高いのです。
実際、稼いでるトレーダーにとってはその高額塾やコンサルが売れなかったとしてもその分トレードで稼げば良いだけなので、殿様商売でも別にそこまで困らないんですよ。
で、そんな大金払ってまでトレードを極めようとする人は「覚悟」が違いますから、そういう教わる姿勢がある人であればかけた労力もちゃんと身になる可能性が高くなるというわけ。
もっと言えば、自分のトレード思考を徹底的にインストールさせた人間を育成出来れば、その人に自分の資金を使ってトレードさせて利益折半させる代わりに損失は自分持ち、というプロップトレーダーのような運用をする選択肢も出来るので、そういう意味でも薄利多売で人をたくさん集めるより大金払ってまでトレードを極める覚悟のある人だけに向けた
「分かる人だけに分かればいい」
の、「少数精鋭」で良いのです。
私が最初にトレードを教わった師匠が正にこういう思考回路で高額な料金でトレードを教えるということをしておりました。
私ももし人に教えるならそれなりの金額を貰いたいと思います
これはですね、例えば私自身の感覚に置き換えて考えてみてもそうなんです。
実際、知り合いに「FX教えて欲しいって人がいるんで話してもらえませんか?」みたいに紹介された経験もあったりして
「まあお試しで誰かに教えてみても良いかな」
なんて安請け合いしたらこれがめちゃくちゃ大変だったんですよね。
1トレードするごとに
「このトレードどう思いますか?」
なんて逐一聞かれて、その都度なにがしかのアドバイスをしなくちゃならなくて
「こんなことするなら100万円くらいは貰ってもバチ当たんなかったな」
と思ったものです。
元々人に何か教えるということはそんなに嫌いでもないし苦手でもなかったんでそれは良かったんですが、知り合いの紹介ということもあってむげに出来ないし何より一度引き受けた身として責任を持つ必要もありました。
一度やってみて良い経験になったとは思いますが、もしまた講師の真似事みたいなことをするなら結構な金額を貰わないと割に合わないなーと率直に思います。
その労力と時間効率を考えると、一般的な金銭感覚では「高すぎる!」と思ってしまうような法外な金額設定でトレードの塾講師なんてものをしているのも実際にトレードをやっている身からすると割と頷けてしまうのです。
ただ、恐らく私自身が高額塾や個人コンサルの類で誰かにFXを教えることは無いと思います。
もしやるとしても、例えばリアルタイムの相場を見ながら
「今こういう見立てをしているのでここからこういう風になったらエントリーします」
みたいにひたすら「生」のトレードを見て盗ませるとかで何かを体系的に教えるってことはしないと思います。
あるいは土日に一週間の相場を振り返って「ここでこういう風に考えてエントリーしました」みたいに事後報告で解説する形になるかと思いますが、これはもうYouTubeで無料でやってる方がすでにいるのでわざわざ自分がやる可能性は低いです。
まあ、単純にトレードで稼ぐとは言ったものの、実際にそれだけやっていると孤独で寂しいもので「誰かと関わりたい」という社会的欲求を満たす意味でもこういうことをやっている方はいますからね。
結局、そういう法外な価格設定の高額塾って多くの人間が
「こんなのはどうせ詐欺だ!」
って見向きもしないというのがほとんどでしょ?
だからそういうものが矢面に立たされることもほとんどなく、口コミなんてほぼありません。
ところが、そういう多くの人が見向きもしないような意外なところに旨味が隠されているというものです。
自分が稼げなかったから詐欺、という逆恨みにも似た短絡的思考
そもそもFXって、本当の意味で勝とうと思ったら色々な見方を身につけて複合的に相場に当てはめて考えていかなければなりません。
それは単純な話で
「色々な見方をする他のトレーダーが居るから」
ということに他なりません。
移動平均線でトレードする人、トレンドラインを使う人、前日高安などの水平線、ボリンジャーバンド、フィボナッチ、RSI、MACD…
色んな指標でトレードしている人がいます。
しかし、時に色んな指標でトレードしている人達の見解が偏って同じ意見に集約されることがあり、そのときに「トレンド」となって相場が大きく伸びるのです。
この「手法を使ってください」と、機械的に教えて身に付くのであればわざわざコンサルや塾など面倒なことをしなくても文章の切り売りだけで再現できるはずですね(私も機械的なトレードロジックの切り売りなら数千円程度でやってます)。
教える方も、自身のトレード手法の全てを体系化して聞き手に最適化させたものを提供できるわけではありません(それをするのが金を取ってやるプロの責任と言えばそれまでかもしれませんが)。
教える側と教わる側、本質的には相互的な1対1のコミュニケーションですから、「金を払った方が偉い」「手取り足取り教えろ」と他責的に捉えてうまく行かなかったら「あの高額塾は詐欺だ」と体験談として語るのはちょっと逆恨みに近いんじゃないかな?と思ったりもします。
もちろん、全ての高額塾やコンサルを実体験したわけじゃないので何とも言えない部分はありますが。。。
まあ、自分が上手くいかなかったものを否定的に捉えてしまうのは人間心理としては分かります。認知的不協和の典型例ですからね。
しかし、トレードを上達させようと思ったらこういう一般人が陥りがちな思考に甘んじるのではなくそれを客観的に認識し、さらに言えばそれを逆手にとって利用するくらいの心持ちでいた方が良いと思います。
一番悪いのは色んな手法を混ぜ合わせてチャンポンすること
誰にどんな手法を教わるかとか価格どうこうよりも重要なのは、別にどんな手法でも良いんですけどやるならまずはそれ一つに絞った方が良い、ということですね。
逆に言うと色んな手法を中途半端にかじって混ぜ合わせてチャンポンしてしまうのが一番の悪手と言えます。
所謂「手法」っていうのは
色んな条件が揃った環境で特定のトレードをすると勝率が高まる
というものなので、ひたすら同じ条件でのトレードを繰り返しやらないとトータルでは勝てません。
で、私が一番悪だと思うのは高額塾やコンサルを売る人達よりも、見境なく次から次へと新しい「手法」を持ち出してきては売りつけてくる会社の存在です(ク○○リ○○○○グという会社が有名)。
この会社はせいぜい数万円程度の「背伸びすれば買えなくもない」絶妙な価格で次から次へと情報商材を売りつけてきます。
色んな手法をチャンポンしてしまうのが一番の悪手だと思っている私にとってはこういう会社の存在が一番悪だと感じます。
一つの手法を極めさせる前に
「ついにあの極秘トレード術がベールを脱ぐ…!」
とかいって販売前から煽ってゴリゴリのプロダクトローンチ仕掛けて、数万円のフロントエンドから何十万円の高額バックエンド売りつける…なんて、ある意味情報商材屋の「定石」のようなことを繰り返しています。
こうやってポンポン次の手法、次の手法と節操なく売りつけてくる姿勢はどうしてもトレードを極めさせる意図があるとは思えません。
こういう見境のない売り方をするので、一つ一つの手法そのものは決して悪くないのに個々の手法の評判も下げているように思えます。
まずは、価格は何でも良いから「これ」と決めた手法や人を徹底的に吸収しようとする姿勢がFX上達において大事なことだと思います。