「文脈で捉える」ことのトレードにおける重要性
世の中には「単語脳」の人と「文脈脳」の人の二種類が存在するようです。
例えば「バカと天才は紙一重」という言葉がありますが、これについては私も同感です。
というか、個人的にはバカと天才はほぼ同じ意味だと思っています。
バカあるいは天才というのは分かりやすく言えば
「少数派の感覚、思考の持ち主であるが故に多数派から理解されない人間」
のことです。
その人間が正しいか、正しくないかが争点ではありません。
例えば最初に「地動説」を唱えたコペルニクスは、現代ではその説が正しいということが明確なので「天才」という評価になるでしょう。
しかし天動説が「常識」とされていた時代ではこの言説は周囲から理解されず「バカ」の扱いを受けていたであろうことが容易に想像できますね。
大いなる功績を残した人物や、後世になって正しいということが証明された人物は「天才」ともてはやされ、そうでない人間は「バカ」「愚か者」のレッテルを貼られ続ける。。。
社会にたまたま何かを残せたかどうかの違いだけで、周囲から理解されない思考や感覚の人間という本質は「バカ」も「天才」も同じなのではないかと個人的に思います。
そういう意味で私は「バカも天才もほとんど同じ」だと言っているのですが、恐らく単語脳の人間にとっては「バカ」と言えば見下されたと感じ、「天才」と言えば悪い気はしない…そういう風に受け取ってしまうのだと思います。
まあ、これは極端な例かもしれないので誰しもバカと言われたら気分を害するというのは少なからずありますがね。
とにかく、こういった分かりやすい単語に囚われてしまって本人も意図せず言葉狩りや揚げ足取りのような思考になってしまう人間が単語脳の人間というわけです。
ちなみに私はバリバリ後者の文脈脳の方です。
これは元々の気質が文脈で判断する側だということもありますが、特にFXで利益を上げようと思うと自ずと「文脈脳」の考え方へとシフトするというところも少なからずあると思います。
というか相場というのは
「どういう流れの中で今の価格に行き着いたのか」
という風に常に現在値を「文脈で捉える」必要があるため、なるべく勝ちやすいところでなるべく負けないようにトレードをしようとすると自ずとこういう考え方に落ち着き、結果として文脈脳の考え方になっていきます。
対して、単語脳の人は総じて
「ダブルボトムが出たから買い」
「キリ番にタッチしたから反発」
というような、ある種の「公式」のようなものを頼りにサイントレードをしようとする傾向があります。
恐らく、最初は誰でもこういった安易な手法にどうしても手を出してしまうのだと思います。
結局、FXで勝率を高めたり時間効率の良いトレードを目指そうとするとそのような「公式」に頼るよりも、相場を文脈で捉える「マルチタイムフレーム分析」を用いたやり方の方が効率が良いことに気付いてそちらにシフトしていくまでがセットです。
ただ、そこまでの境地に達するまでにFX自体を諦めてしまうという人も結構な数存在します。
そういった方々のための「救済措置」として「公式トレード」のようなものはある程度必要なのだろうとも思います。
一応私も機械的に出来る「公式トレード」のようなロジックを構築しております。
https://note.com/toshi0028/n/nfe97f9a8ead9
ただ、これはあくまでも一時的な救済措置てしてのトレードロジックで、「補助輪」のようなものと考えてください。
結局は相場で苦しい思いをしてもふるい落とされずにしがみつくことの出来る精神的に強い人や、他に手段がなくて背水の陣でFXをやっているような人々が手痛い経験を経て相場で徐々にうまく行き始めるのも事実です。
これに頼りきりになるのではなく、最終的にはきちんと相場を文脈で捉える能力を身に付けて欲しいものです。
FXの「文脈で捉える」能力はコミュニケーションにも役立つ?
実はFXを極めることの意外なメリットとして、私は「自分と異なる価値観の人を理解しやすくなる」というものがあると思っています。
まあFXをやる動機なんて正直言って9割の人が「金」だと思うので、こんな話を聞いたところでしょうもないっていうのはあると思うんですがね。
人間であれば誰しも、自分の頭の中に「これが正しい」という風に信じているもの、あるいは信じたいものがあるはずです。
それは価値観とか信念とかアイデンティティといった単語で表現されるものですが、どれも似たような意味であまり違いはありません。
ところが、どれだけ自分が正しいと信じていてもそれとは全く正反対のものを正しいと信じている人間も一定数存在します。
それはどちらが正しいとかどちらが間違っているとかの次元の話ではなく、「自分とは異なる考え方の人間がいる」という事実そのものを認識する必要があります。
「自分とは異なる考え方の人間が一定数いる」
これは相場においては特に重要な考え方になります。
自分が「買い」だと思っていても、それと全く同じタイミングで「売り」を考えている人間が必ず存在します。
大体の場面では売りと買いの勢力が拮抗しているため上にも下にも行かないレンジ相場を作るのですが、時にどちらかがバランスを失って均衡が崩れることがあります。
これは売りと買いどちらかの損切りが一定数以上入ることで値が大きく動き、その値動きが新たな新規注文の呼び水となりどちらか一方に大きく伸びるという「偏り」が生じる
ためで、これこそがトレンドの正体になるわけですね。
この大きなトレンドのチャンスに乗るためには、常に「売り目線」「買い目線」の両方から見て考える必要が出てくるのです。
これはとりもなおさず「自分とは異なる価値観から考える」行為そのものです。
文脈で捉えるということを普段から意識すると、単に自分と考え方や意見の異なる人の話を聞いても
「きっとこの人はこういう価値観を持っていてこういう考えをしてこういう結論になったんだろうな」
と、その人の心理を文脈で捉えることが出来るようになります。
そうすると
「あの人は考え方がおかしい」
と相手をけなしてイライラしたりすることもあまりなくなります。ある種の諦めがつくんですよね。「もうしょうがない」と。
まあ、そもそも自分と異なる価値観の人間と接してイライラしなくて済む、というのがFX専業のメリットだったりもするわけですが(笑)
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