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三日坊主が春の嵐の日に思うこと

元々文章を書くのが好きで、趣味の一環としてオンライン上に自分の考えを残そうと思い立ってから一年と一か月。そして最終更新から一年と二週間。全く自分の三日坊主には嫌気が差すが、この趣味においては自分を甘やかして大目に見よう。

私は仕事柄、国際政治、安全保障に関するトピックを日々注意深くフォローしている。注意深くフォローしていない人でも、関心が全くない人でも、この度のウクライナ情勢に関するニュースを日々耳にする人は大勢いるだろう。酷く残虐で不条理な出来事であることは改めてここに書く必要もない。ある日突然平穏な暮らしを奪い取られたウクライナに住む人たちのことを思うと心が痛い。人類はこれまで何を学んできて、何の為の発展だったのかと腹が立つし、虚しくなる。

ただ、人類に対して腹立だしく、虚しく思うのはなにも2022年2月に始まったことではない。天然資源の過剰採取、南北問題、人種差別、性差別・暴力など、根本的な問題解決策が見つけられていない社会、国際問題が世の中多すぎる。また、このような問題による被害者もいれば、それによって比較的優位な立場でいられる人たちがいるのも事実である。原油生産国、大企業、グローバルノース、男性がその一例だろう。勿論、その矛盾に対して疑問を感じ、正義感を持ち、立ち向かう組織、人もいる。男性にだってフェミニストは存在する(男性はフェミニストになり得ないという議論もあるが、私はあり得ると信じている)。しかし、資源がリニア(直線)に搾取される構造が存在する限りこの問題の根本的解決はあり得ないと考える。これは天然資源に限った話ではない。人的資源も、そもそも社会(人のくらし)を豊かにするために使われていた労力が、企業、資本家の資本を増やすため「商品化」されてしまった。天然資源、人的資源が資本を増やすための商品になってしまったことに問題意識を持った人たちが増えていることは希望の種と言えるが、資源が回復するよりも速いスピードで搾取されている時代は今も尚続く。

では、そのようなリニアな構造からサーキュラーで継続可能な構造が基本となる時代を作るには何ができるのか。まずは個人の意識の改革だ。第一歩として「十分」を知ることである。つまりこの水準までいったら十分足りているな、と一つの見切りをつけることである。これだけの量を食べたらもういいな、これだけの衣類を買ったらもういいな、これだけの暖房/冷房の温度設定でもういいな、これだけのお金を儲けたらもういいな、のように自分の「もういいな」を理解し、維持することである。先日の東京、東北電力管内の電力が逼迫した際に、意識を一時的に変えなければいけなかった人たちも多くいただろう。確かに寒い日の暖房設定は、20度よりも23度の方が過ごしやすいし、25度だとより暖かいのは当然だ。せっかくこれをきっかけにいつもより若干設定が低くても過ごせることに気づけたとしたら、その意識改革を維持することも同じく重要ではなかろうか。諸問題の根本的な解決は構造的な変革でもなく、政治リーダーが代わることでもなく、個人個人の意識改革しかありえない。そのことを理解し、それぞれの意識が変わると、自ずとよりいい社会ができあがっていく。時間はかかるが、根本は常に個人であることは変えられない事実だ。理想論と一蹴する人もいるだろうが、そのような人はそもそも問題意識がない人なので同じ土俵にいない。問題意識がある人達から意識改革をし、行動に起こし、モメンタムを作る。そうすればトレンドになり、社会全体に浸透してくる。行き止まらないサーキュラーな社会づくりが完成する。

そんな立派なことを書いているお前自身はどうなんだ、と自分の中の批評家が問う。これだけのことを頭の中で理解していても、お前は実践できているのか、と。確かに、私は上記の一部分しかできていない。そもそも人類に対して腹立だしく、虚しく思うと冒頭で書いたが、これは不甲斐ない自分自身に対しても思っている。しかし、この矛盾と向き合いながらも限られた時間の中でできることを尽くしたいと考えている。やれることをやり続ける。今の私にはその規模でしかできないが、同時にそれが大きな可能性を持っていると信じている。

人類はまだまだ未熟で、その代償として奪われる命があり、悲惨な目に合わないといけないひとたちがいる。それが一件自分と関係ないと思う国や地域で起こっていることでも、同じ地球で発生している限り、決して無関係ではない。引き続き出来るところで可能な限り支援しようと思う。

“28 Meaningful Ways You Can Help Ukraine” on Global Citizen
https://www.globalcitizen.org/en/content/ways-to-help-ukraine-conflict/



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