ITメディアの記事『「分析やってます」の大半は処理なんです 本質なきデータ分析がはびこるワケ』を読んだ感想です。特に結論はないです。

以下の記事「「分析やってます」の大半は処理なんです 本質なきデータ分析がはびこるワケ」を読んだ感想です。特に結論はないです。https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2001/31/news013.html


先日最終講義となった出版ビジネススクールで、年に一回から二回程度、セミナーの講師を努めていました。テーマは「中小出版社のためのIT基礎」といった感じです。出版業界、データの「処理」どころか「未入手」のところも多いので、まずは、どんなデータがどこで入手できるか、入手したデータやマスタをどうやって組み合わせるのか、簡単な集計で何が見えるのか、現状足りないデータは何で将来的にどうなるか、といった内容を、データベース以前の話題として、自社の実例を示しつつ話していました。ほぼ同様の内容で新入社員向けのセミナーもやったことがあるのですが「新人には難しすぎるよ」と言われまして……。確かに、入社数年で色々実体験を重ねてからじゃないとわからない内容だよなとは自分でも思います。

データがなけりゃ処理も分析もできません。なので、どんなデータをどこからどういう形で入手できるかは案外重要な話題ですよね。インテージが全てを握っているわけでもないです。それと、社内にも良いデータは眠ってたりします。ただ、定量的なデータはけっこう集められるんですが、問題は定性的なデータですよね。アンケート(読者はがき等)などによって読者からの反応を収集し活用するのは小零細にはなかなか難しいです。蛇足ですが、クチコミに関しては某オンライン書店からDLできるデータもちょこちょこいじってはいますが、正直、イマイチ使いこなせておりません。

データを得ると今度は集計やらなんやらが楽しくなって自分なりの資料(分析以前なんだけど)をどんどん作り始める方は多いです。データ処理、ExcelでもAccessでもSQLでも何でもいいですが、できるようになると案外楽しいです。なので、ハマる方も多いはず。セミナーで「作る資料を絞る」と強調していたのはそういう事象を踏まえてのことです。集計に時間をかけている場合ではないです。自分を振り返っても反省点は多いです。

とはいえ、出版業界の、しかも多くの場合は自社のデータなので、そんなに重たい処理にはならないはずです。そう考えると、この過程、もしかすると一度は経たほうが良いのかも知れません、自分で色々と集計するのを繰り返している内に、ようやく見るべき点が絞られてくるのかも。我が身を振り返ると、Excel→Accessを経て再びExcel、その後ようやくMySQL(と、PHP)という流れです。最近になってようやく思ったような処理ができるようになってきました。自社用ですが、SVG形式でのグラフの描画とかも始めました。SQLもPHPも楽しいです。(ちょっとやばい)。

自社商品のPOSデータ程度をいじくって「集計」作ってる程度の処理は分析ではないというのは、そればっかりやってた(やってる)自分には、痛いほどよくわかります。ちゃんと「分析」までする方から見れば、それがどうした程度の作業を嬉々としてやってます。「(信頼に足る)データを(結論をきちんと絞り込める)処理で(予断を挟み込まずに)分析することで得られた知見を実践する(例えば、PDCAで回す)」みたいなところには、まったくもってかないません。実践が一番難しいのは当然ですが、それ以前の分析も処理もデータ収集もできてないところは、自社も含め、とても多いです(猛省)。

ここまで反省ですが、ここから少しトーンが変わります。

さて、そもそも「作りたいものを作りたい」のであればデータ分析など不要というのも、自分にはわからないでもないです。この業界、大小だけでなく、そういう「作りたいものを作りたい」みたいなクリエイティブ指向は案外大事な話です(それを利用したやりがい搾取は問題ですが)。そういう「作りたいものを作りたい」というクリエイティブ指向と「売れるものを作る」みたいなマーケット思考が混在していることが話を複雑にしているのだろうと思います(私見ですが)。

前の段落で「指向」と「思考」を分けて書きました。意図があります。自分は、「クリエイティブ指向とマーケット思考は対峙するものではないのかも知れない」という期待を持っています。

単純な話ですが「売れるものが作りたい」のであればマーケット思考とクリエイティブ指向は両立します。その場合、「では、売れるものとは何か」を知ることが必須となるはずです。

もちろん、「作りたいものが売れるもの(作りたいもん作ったら売れちゃう)」でもいいです。こちらは本来より厳しく「売れなきゃ市場から退場」ということで解決されるべきでしょう。

うーん、やっぱりこの市場、退場の仕組みがぬるすぎるのかもなあ。

そんなことを朝っぱらから思う休日です。

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