(第3回)『おなじものをたくさん』
【はじめに】
みなさん、こんにちは塔里大也です。そしてはじめましての方もよろしくお願いします。
第2回で、食品の工業製品化とは何なのかをお話してきました。一言で現わすなら、「おなじものをたくさん」作ることが工業化であるということをお伝えしました。
もちろんそのおかげで、製品を多くの人に、安く、安心して、提供できるようになりました。
第3回では、工業化の裏側を覗いていきます。
「おなじものをたくさん」つくるために、裏側でいろいろなことが起こっています。それを少しずつひも解いていきます。
【農産物】
まず、イメージしやすいところで、農産物をイメージしてください。例えば、きゅうり。畑になっているきゅうりはいろんな方向に曲がっていますよね。
でも次の話は聞いたことがあるでしょうか。「流通に乗せるためには農産物にも規格があって、曲がりすぎたきゅうりは廃棄されているよ」私は、この話はかなり昔に聞いた話なので、今はどうなっているか分かりませんが。
でもスーパーで売られているきゅうりは比較的真っすぐで整った形をしているように思えます。農家の技術が進んで、真っすぐなきゅうりが多く取れるようになった可能性もありますが。
【同じ味、同じ形】
さて、農産物を例に出したのですが、この「真っすぐなきゅうりしかいらない」という現象が食品全体に起きています。
消費者側は、同じものしかいらないとは思ってなくても、食品を作るメーカー側は同じものしか出すことができないと考えています。
最終的に出来上がる食品は規格が狭く、どの商品を手にとっても同じ味、同じ形をしています。
ではどうして最終商品が同じ味、同じ形になるのでしょうか。
それは原材料も一切のブレがないように要求されているからです。そのため、原材料は自然に存在するものとは言えないものです。
自然に存在するものは、不純物を含んでいます。不純物が多く含まれていれば、原材料としてのブレが大きくなってしまいます。
不純物を含まない原材料とは、精製されているものか、特殊な製造法で作られているかになります。
【体に与える影響が大きい】
今では、ほとんどの原材料が精製されています。
普通にあるもの過ぎて、違和感はないと思います。ご家庭にある砂糖も精製されています。不純物はほとんど入っていません。
塩もそうです。本来塩は、塩である物質以外にもミネラル分を含んでいるものでした。今の塩はミネラルを含んでいないものです。そのため、何が起こるかと言うと、高血圧を引き起こすと言われています。
精製されている砂糖もそうですよね。急激に血糖値を挙げると言われています。逆に血糖値を急に上げない、低GIと言われる砂糖などは不純物を多く含んでいるのが特徴になります。
精製されているものは、不純物がないため体に直に作用をもたらすため影響が大きくなります。効果が直に体に及ぼすこと、これは『薬みたい』だなと私は感じるのです。
体に優しいものは不純物を多く含んでいるのです。そういった視点で見てみると砂糖や塩などを選ぶときの基準ができるかもしれません。
【まとめ】
まだ食品添加物の話にはたどり着いていませんが、砂糖や塩などの食品ですら、精製されていて薬みたいな作用をもたらしていることが少しお伝えできたと思います。
次回は今回少し話に出てきた「塩」について考えていきたいと思います。