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1.玉に分銅
教祖は、綿木の実から綿を集める時は、手に布を巻いてチュッチュッとお引きになったが、大層早かった。
又、その綿から糸を紡ぎ機を織るのが、とてもお上手であった。
糸を括って紺屋へ持って行き、染めてから織ると模様が出るのであるが、中でも最も得意とされたのは、玉に分銅、猫に小判などという手の込んだ模様ものであった、という。
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教祖は、手先が大変器用でいらっしゃり、丁寧に仕上げられたということです。
これは、人にはそれぞれ得意とするものや徳分を生かして、人に伝えたり、人の役に立つことの大切さを教えられたものではないかと思います。
また、人を育てる立場の婦人は、人の良さや特性を引き出すということを、「育てる」と教えていただきます。
「玉に分銅」という言葉は、調べても出てこないのですが、
縁起の良い宝物を寄せ集めたものを「宝尽し」といい、
それは、着物などの紋様に使われる、おめでたい吉祥文様のことで、
玉も分銅もその中の一つのようです。
玉というのは宝珠文のことで、
宝珠は丸くて上の方がとんがり、その左右から火炎が燃え上がっている
珠で、たからものの一つにされています。
分銅は、昔「両替屋」などが、金や銀の重さを量るために使われた
「おもり」の形を表したもので、今でも地図記号にこの形が使われています。
この文様には、様々な文物が使われ、その一つ一つには意味と歴史があります。