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太陽:処女宮へ入宮(8/23-9/23)


乙女座と支配星水星の逆行

太陽が8/23の18:01に処女宮に入り、翌8/24の4:59から処女宮で逆行を開始しました。
水星逆行は9/16の5:19まで続き、太陽が天秤宮に入る9/23の15:49までの期間の大半が水星逆行期間となります。

乙女座と水星の関係性を示す前に、まずは乙女座と水星の特性について案内します。

天の乙女

乙女座についてアリス・ベイリーは著書「秘教占星学」において次のように語っています。

乙女座は深淵、暗闇、静寂、暖かさを象徴している。
それは、秘密が発見され、やがて「光へともたらされる」深い経験の谷間である。それは暗闇で起こるが、光へと導くゆっくりで優しいが力強い危機と周期的な発達の場である。
・・・乙女座は、神の計画(幾多の時代の神秘と秘密)がゆっくりと育ち、ー苦痛と不快を伴い、苦闘と衝突を通してー定められた時の終わりに顕現へともたらされる「時の子宮」を表している。               

アリス・ベイリー『秘教占星学(上)』

リズ・グリーン『占星術とユング心理学』における乙女座の記述も興味深いのでみてみましょう。

”もうひとつの例が、乙女座のサインについてのハインデルの解釈である。
このサインの現実的で細部にこだわる性質にばかり注目する他の占星術の文書とは異なり、ハインデルは「天の乙女」が誕生を待つ体内の救世主の母を象徴していることを強調した。”

水瓶座の時代の到来がはっきりと告げられる前に、まず間違いなく、人は煩悩と渇望の克服の点で大きく進歩しているだろう。穢れのない天の乙女である乙女座と、そのサインに含まれる小麦の穂は、どちらの理想も現在の魂の成長にとって有益だということを示している・・・魚座の時代に乙女座という母親の理想に目を向け、キリストの犠牲的奉仕の例にならい、無原罪の懐胎が各人にとって現実の経験になり、水瓶座の救世主が我々の中に生まれる。

マックス・ハインデル『星々のメッセージ』

”ハインデルにとって水瓶座は「救世主」であり、内なる神聖が発揮される可能性を示すのに対し、乙女座は「無原罪懐胎の媒体」である。”

毎年、冬至に、穢れのない聖母が真夜中に上昇してゆき、生まれたての太陽が穀物とブドウを成長させる仕事に取り掛かる・・・このため太陽は、霊的な命の糧で体制を養うために生まれた救世主の象徴としてふさわしい。

マックス・ハインデル『星々のメッセージ』

”この乙女座の冬至の「真夜中のアセンダント」は、太陽と東の空を上昇するサインの関係を言っている。北半球では、冬至の真夜中の前に、やぎ座のサインに入る太陽が、死と再生を結び付けられる天底すなわち北あるいは「真夜中」の点に達しようとする。このとき、東の空に乙女座の最後の数度が昇りつつある。”

すなわち、生と死を象徴する聖なる冬至の夜に、ホロスコープ上において太陽はICに至るとともに磨羯宮(やぎ座)に入宮する直前であり、かつその頃には東の空に天の乙女である乙女座が東の空を登り切ろうとする。

聖なる処女乙女は自身の中に無原罪を懐胎し、水瓶座の時代に生と死のはざまの生みの苦しみを乗り越え、救世主を生み出す象徴として天に昇っていると当時の占星術師たちは考え、水瓶座時代の到来を後世に伝えようとしていたのです。

”また、ハインデルは『星々のメッセージ』で、水星を紹介するのにこの惑星の神話上の役柄である「神のメッセンジャー」をとりあげ、その「知恵の教えはカドゥケウスすなわち「マーキュリーの杖」によって象徴的に表される」としている。それから、カドゥケウスに巻き付く蛇が神智学でいう物質への魂の「巻き込み」の「螺旋軌道」だと説明した。”

母なる女神はーそして黙示録に書かれている星をかぶった女性もー普通は処女とみなされている・・・黄道十二宮のサインである乙女座は小麦の束を持っているか子供を連れている・・・ともかく、この女性は終末における救世主誕生の予言と関係がある・・・その[サルヴァトル・ムンディ、世界の救世主の]母はサピエンティア・デイ[ソフィア、神の知恵]あるいは乙女座としてのメルクリウスである。

カール・ユング『CW9ii』

乙女座そのものが水星の象徴である知恵の神、自らの救世主を自ら生み出す処女・天の母となぞらえ、水瓶座の時代には人類すべてが地上において自分自身を自分で生み出す時代であると占星術師は考えていた。

そんな乙女座での水星逆行は、新しい時代を迎えるための大いなる苦難、社会変革と考えるとよいかもしれません。人生を変えたい人や大きな変革に乗り出したいと考えている人にとっては人生の転機・一歩を踏み出すタイミングとして、大きな決断をすることになるかもしれません。

タロットと占星術

タロットにおいては乙女座はⅨ隠者のカードで表され、アーサー・エドワード・ウェイトの著書「The Pictorial to the Tarot」では次のように述べられています。

この人物の持つかがり火は「私はここにいる。あなたもいずれはここにくるであろう」と啓明する。
・・・カード自身が伝えるように、神の神秘は準備されていない者らからは守られるのもまた事実である。

アーサー・エドワード・ウェイト『The Pictorial to the Tarot』

すべからく乙女座のもとに太陽・月・アセンダントを持つ方々はこの星座と星に思いを馳せて頂き、今現在の乙女座の季節、物質世界からスピリチュアル世界へと進化の過程の世界の変わり目を感じていただけたらと思います。

「乙女座は地味」という言葉を目にしてしまい、「んなわけなかろう」と書いてたら思いのほか分量と時間が大きくかかってしまいました(笑)

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