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アメリカ出張を振り返って

2023年6月下旬、米国のアナハイム市で開催されたアジア太平洋認定機関協力(APAC)の年次総会に出席した。

認定(Accreditaion)という用語は、JISQ 17000(適合性評価-用語及び一般原則)において、「適合性評価機関に関し,特定の適合性評価業務を行う能力を公式に実証したことを伝える第三者証明」と定義されている。

そもそも適合性評価機関とは何かがわかりにくいが、ざっくり分けると工業製品や食品などの試験所等と、ISO9001などの認証機関の2種類となる。

試験所も認証機関も千差万別だが、それらの能力が低いと自動車や家電製品の故障、コロナウイルス検査の精度の低下、不十分な情報セキュリティ対策など、社会・経済の広範な分野でのあらゆる活動に支障が生じる。

このため、世界各国には、認定機関(Accreditaion Body)が存在し、国際標準等に基づき、膨大な数の適合性評価機関に対する審査を定期的に行い、その水準を維持している。日本には、(独)製品評価技術基盤機構認定センター(IA Japan)、(公財)日本適合性認定協会(JAB)、(一社)情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)等がある。

私は、このうちのISMS-ACの代表として、アジア太平洋地域の認定機関のフォーラム(APAC)に参加していたのだ。

第1日目の午前中は、米国内の7つの認定機関(Accreditaion Body)からのプレゼンテーションなどがあり、グローバルなサプライチェーンを支える適合性評価機関に対する認定(Accreditation)のあり方が議論された。

また、米国連邦政府の通商代表部(USTR)の多国間非関税障壁室のDirector であるMr. Kent ShigetomiによるWashington D.Cからのオンライン講演があった。APEC SOMのスケジュールとして、パームスプリングス、デトロイト、シアトルの会合が紹介されたが、これらには日本の経済産業省幹部が出席している。

米国の認定機関は、市場原理に基づくビジネスだが、欧州、アジア諸国等においては、公的な役割が課されている。日本では、経済産業省が、基準認証政策の一環として、その舵取りを行う責務を負っている。(少なくとも、私は10年前に担当していた時期はそうであった)

日本経済の復興、パンデミックの未然防止等において、国内の認定機関が担っている役割について、広く知っていただけることを切望する。

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