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トケイソウ
6月ごろのこと。
息子との帰り道、不穏な花が咲いている。と思っていた。複雑な作りをしている花で、見つけた時に、綺麗だ。というよりは、見つけてしまった。と思うような花。
奇妙な花を見つけたことは息子には言わなかった。脱法ハーブ的な花だといけないし。なんて思っていた数日後に息子が、「みてあの花!なんかあやしくない?」と言ったきた。
「かあさんもあやしいと思っとったんよ!!」と共感。その日から通る度に観察し、花の上になんかあるね。などと話し、息子が「あの花、毒がありそう。」と言っていた。
後日夫が調べてくれ、トケイソウと発覚した。
花の中心にある軸?のようなものは確かに時計の針のようだ。
そして本当に毒があった。
増殖力も強いので植えない方がいいらしい。
直感通りだった嬉しさと、廃墟のように見える家で増殖する毒のある花にぞっとした。あの家に主人がいた頃、どんな理由でトケイソウを植えたのだろう。花の妖艶な見た目にそぐわない和のお家。
休日の散歩で息子が妹に「あれはトケイソウ!毒があるよ!」と説明すると、娘は「ほんとだ。お空の時計!」と返した。言われてみれば空に向いてまっすぐに咲いていて、空からは針がよく見えそうだと思った。