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【往復書簡】社会人を卒業した男、嘉向徹。

この記事は、7年間いつも一緒にいなかった二人の、一緒にいなかった間に起こった出来事を交えながらいつも一緒にいなかった日々を振り返り、一体いつになったら一緒にいるのだろうと首を傾げながらも、結婚すると決めたその日(2021/11/15)までに起こるであろう様々な話し合いや精神的綱引きなどのあれこれを赤裸々に明かす、そう、子々孫々への秘伝の書です。

下のちあきの記事へのお返事です。

158日後に結婚する二人の、往復書簡

グッモーニンちあき。朝、海に足をつけたら思いの外冷たくなくて驚いた俺です。あと、車で寝るときに脱ぎっぱなしで外に放置した水色のサンダルに大量のダンゴムシが集結していて、眠気が吹き飛びました。俺の足の垢はこの人たちにとっては吉野家の牛丼の様なのかも、なんてことを人生で初めて思考しました。そんな朝、雨降らず、梅雨時期の晴れ間からGOOD MORNING。

質問に答えるのは後ほどにして、まずは往復書簡を始める今の所感を書いていこうと思います。

千明は覚えていて俺は覚えていないことがよくある。こんなこと言ってたじゃん!こんなことやってたじゃん!と言われると「へ〜そうなんだ」と思います。あなたどの立場やねん、と突っ込みが入りそうだけれど、ホントです。若干明るいトーンで思ってます。「へ〜!」という感じです。だからこうして言語化した言葉たちが形になって残るのは、いつかに読み返す自分の、自分への驚きにもなると思うと、楽しみですベイベ。

質問投げかけてくれてありがとう!

「徹くんは
 誰のお手伝いでも
 ゼロ円、
 無料でやるという活動を
 私と出逢った時
 やっていましたね。
 それをしていたのは
 何故ですか?
 そして、何を学んで
 いまの、
 何に活きていますか?」


資本主義から
うつりかわっていく空気を
察知したから、というのは
出逢った時に
教えてくれましたね。
どうして、それを
感じたのですか?

最近改めて、海っていいな。って思ったのよ。何回言ってるかわかんないけど、改めて思った。なんで海ってあんなにいいんだろう。なんでだろう。湖もいいけど、雨もいいけど、飲むのもいいけど、やっぱり海がいい。

砂浜のある海辺にいくと、波の音がきこえる。ザザーって。サンダルをポーイして砂を踏みしめると、まるであれ。人をダメにするソファの様だよね。波打ち際に何かが打ち上げられていて、それは流木だったり、育ちすぎたワカメだったりする。波打ち際を見るだけだと気づきにくいかもしれないけれど、海は、右か左におっきく流れてる。

瀬戸内海ではそれらがぶつかって風も吹いていないのに飛沫が上がるくらい波が起きる。こんなに動いているんだ!って思う。縦に横に、流れと流れが縦横無尽にぶつかって押して寄せて引き合って抱き込みあって渦をつくる。これは海ならではなのかもね。この複雑さが好き。

0円でなんでも手伝う活動のお知らせをしたとき、最初に届いた連絡は「うちのお掃除、手伝ってくれないかしら。大きいものも動かしたいの。私と母だけじゃ力が足りなくて。」というものだった。何度も会ったことのある人だったけれど、そんな形で会うのはもちろん初めてで、なんだか恥ずかしい様な嬉しい様な気持ちで家に向かった。

いつもの出で立ちのMさんが玄関でお出迎えをしてくれ、いつもと違う時間が始まる。ほんの二時間ほどでお掃除を終えると、Mさんが焼いてくれたホットケーキが机にあって、紅茶からは湯気がたってた。午前11時頃かな、太陽がまだてっぺんに上がる前の時間帯。窓から入る陽の光が木造のおうちにマッチして、そこにホットケーキと紅茶ときたわけだ。

それはそれは美味しかった。セブンイレブンも、バスキンロビンズも、巷で評判のお店だってあの味には敵わない。なんであんなに美味しかったんだろう。俺がMさんのお手伝いをしたからだろうか。それが0円だったからだろうか。Mさんが普段忙しい人だと知っていたからだろうか。その“忙しい”人の手作りだからだろうか。親子でもない。友達でもない。他人でもない。お仕事でもない。イベントでもない。料理のお教室でもない。なんの不自然さもない、真っさらなホットケーキ。真っさらでいて、人生最上級の複雑さだった。

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高校を卒業して、大学に行く直前に入学を辞退してから2年。友達の家に居候して大学にもぐりこんだり、熊本の山鹿でピザ屋さんに住み込みしたり、実家で昼夜逆転した日々を半年以上続けたり、のんべんだらりとしていたけれど、東北地方で起こった大きな地震はあの時の俺も揺らしてた。あの年に、自分なんて一生就職しないだろうからとサラリーマンを始め、2年後に辞めた。22歳。友達が大学生から社会人になった春、桜があまりにも綺麗で、俺は「自分は社会人を卒業したんだ」なんて風に感じたよ。

それからすぐに出会いがあって、その人と初めて会ったその日に、夜、登山に出かけた。詳しくは下の坂爪圭吾さんの記事に書いてあるよ。

そうそれに、0円での活動は圭吾さんの『奴隷経済』をパクったんだ。下の記事を読んでから3日目にパクって自分も始めた。パクって3日ぐらいで「タイトルがきつい」と批判を受けて『トールシェアリング』という名前に変更した。

トールシェアリングで起こった出来事は本当にたくさんあって、今の全部に活きているよ。きっとこれからこの往復書簡で様々登場すると思う。数年間、ほぼそれしかしてなかったからなあ。その最中に、ちあきと会ったり、とかね。

ではでは、質問とかは書いてないけど、なんでも話してね。

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トールシェアリング
嘉向徹28歳、11月24日生まれのサジタリウス。推薦で受かった大学を入学前に自主退学。以来、数々の職業的なものを転々とし、目下人生勉強中。好きな言葉「朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり」。心身ともに至って健康。愛車のハンドル握り今日もゆく。