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【往復書簡 vol.8 我輩はぐぬぬである。】

この往復書簡は、7年間いつも一緒にいなかった二人の、一緒にいなかった間に起こった出来事を交えながらいつも一緒にいなかった日々を振り返り、一体いつになったら一緒にいるのだろうと首を傾げながらも、結婚すると決めたその日(2021/11/15)までに起こるであろう様々な話し合いや精神的綱引きなどのあれこれを赤裸々に明かす、そう、子々孫々への秘伝の書です。

下のちあきの記事への返信ではありません。

ちあきがバリでの滞在を伸ばすことは、
これまでに何度かあった。

その気でいればいるほど、
その知らせを聞いてうなだれたことを
ここに明かそう。

と同時に、ちあきから会いたい会いたい
と言われても意に介さなかった自分を想った。

合言葉は
「会いたい奴が会いに行け」である。

会いたいなら自分が行くしかない。
会いたいから会いに来てなんて、
その気持ちの軽さたるや。

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強制隔離

バリにいる千明から電話があった。
「今ちょっといい?ごめん、7月に入ってから帰国すると強制的に6日間隔離されることになった。じゃあ私これから友達とご飯だからまた夜に。」
話は2分ほどで終わり、その夜、連絡が来ることはなかった。

遠くにいる二人である、予定を合わせようとすれば互いに負担はある。けれど、久しぶりに会えるのだから元気ハツラツに動こう!と思っていた矢先。その日だけは徹が迎えに行けない日と、千明が解放される日が見事に重なってしまった。これは、ちゃーんと、嬉しくないやつである。ほとほと、モッテいないにもほどがあるな、と自分に思う。

翌日の今日、千明は電話で「解放されてからは千葉にあるお家に行こうと思う。」と言った。一晩の間、どうにか会える方法を、と思っていたので、この一言でさらに熱が冷めていった。

電話を切ったあと、メッセージが届く。

徹くんの予定に合わせて、私にとっても徹くんにとっても一番負担なく安全な形を取ろうと思って、伝えたよ🤲

文字を見れば、何も軽んじていないし、互いのことを考えて決めたということがわかる。わかるけれど、わかりたくはない。いじいじとした気持ちが巻きつく。間の悪いモッテいない自分と、当初予定していた熱海のお家でのステイすら選ばなかったちあきと、逆に超モッテる千葉のお家。

以前、その千葉の家に千明が住んでいた頃、何度か足を運んだことがある。色々あった当時の、意気消沈しながら向かう道中の儚い感情を、今でもふと思い出す。思い出してもすぐ忘れるが、また、ふとした時に思い出す。

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千明が帰国したら一緒に行きたい場所リスト

先週末、山へ上がった。駐車場に停めた車から降り、見たことのない大きさのゴンドラに乗ると瞬く間に頂上へ駆け上がる。ぐんぐんと登る間、斜面に目をやると鹿の親子が餌を探しているのが見える。山頂はとても広く、緩やかな原っぱに、湿った風が吹く。少し寒いけれど、空気が新鮮で、気持ちがいい。

梅雨の時期。晴れていれば、とか、生憎の曇り、だとかは全く思わない。これはちあきに、ドチャクソ曇りの日に下見をしてきたよ!晴れた日に散歩がてら行こう!と誘う大チャンス!曇ってても全然OK。むしろ曇ってて景色が何も見えない方が超OK。素晴らしい週末の過ごし方だ。7月末にちあきと関東から九州へ向かう予定があるから、その時だな。きっと、通りかかる頃には梅雨明け。しかも、一番乗りだ!最高の景色だ!「初」の!フハハハハ!

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といった具合に、今回のぐぬぬも、転換すればそれでOKと、書いていて思いました。グーグルマップにハートをつけて喜んでいる俺。なんてステキなんだ。



会いたいなら自分が行くしかない。
会いたいから会いに来てなんて、
その気持ちの軽さたるや。

会いたいから、会いに行く。
君のところへ飛んでゆく。



嘉向徹28歳、11月24日生まれのサジタリウス。推薦で受かった大学を入学前に自主退学。以来、数々の職業的なものを転々とし、目下人生勉強中。好きな言葉「朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり」。心身ともに至って健康。愛車のハンドル握り今日もゆく。