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人々の固定観念を覆すことの難しさ

人間というものは、その人が属しているコミュニティの固定観念に縛られています。

例えそれが地獄へ続く道の上にあったとしても、こびりついた固定観念というものを覆すことは容易ではありません。

一例を挙げますと・・・。

アメリカにおいては、「マスク」というのは「人から病気をうつされない為のもの」、という頑固な固定観念があります。日本人としては、マスクとは「病気を人にうつさない為のもの」です(基本は)。日本人にとっては風邪をひいたらマスク、は常識なので、いうまでもないことかもしれません。しかしアメリカでは違います。

アメリカでは、普通に「マスクをして自分を守る」、と言う表現を使っているのです。信じられないかもしれませんが、事実です。だから2020年の当初、アメリカではCDCからメディアから何まで、揃って「マスクには効果がない、寧ろ逆効果」と言い続けていたのです。

私は当時、Twitterでほぼリアルタイムで情報収集していて、それこそ、CDCからWhite House、CNN,FOX,PBS,BBC,などなどをはじめとして、その他沢山色々とフォローしていたのですが、そろいもそろって皆が、「効果が無い」だの「逆効果」だの、「科学的根拠が無い」、と、そう報じていました。つまり、皆が「マスクに自分を守る予防効果は無い」という線で話していたのです。

そんなだから「自分を守るためのマスクなんて必要ない(ビビッてるようにみえたらカッコ悪い)」というイキがったやからが多数出現するのです。アメリカは、マッチョの国です。元来マッチョであることを誇りとする文化なのです(近年はそれほど露骨ではなくなりつつありますけれどね)。

私は、そんな報道を見ながら、「違う、ちがうんだよ!マスクは人にうつさない為なんだよ!」ともどかしさに頭を掻きむしるような思いで呟いていました。全部Twitterに残っていますが。なにしろ命に関わることですからね。むこうでは「3密」すら知られていないです。

まるで自分ひとりが正気で他のみんなが狂っているのか、実はその逆だったりするのか、という悪夢の中にいるような感じですね・・・。

しばらくして、いきなりCDCが「新たな科学的根拠がでてきた」とか言って、180度方針を転換します。「効果はない」としてきたCDCがマスク着用を推奨し、「N95マスクが入手できなければ、布マスクでもよい」とか言い出すのです。それでも根強く「(検定区分)N95マスクじゃないと効果はほとんどない」とかいう主張も残っていました。つまり、息を吸い込むとき、の話しをしているのです。

これは現在でも、まったく変化はありません。感度が高い人は理解していますが、一般人の趨勢として、またメディアでの報道も、変わっていません。今日もニュースや米国の議会証言などを聴いていて、「マスクをして自分を守る」という表現をなんども耳にしました。それだけでなく、ニュース番組の出演者や解説をする医師ですら、普通にそう言うのです。日常的な「固定観念の刷り込み」と言えるでしょう。

自分のような日本という外部のコミュニティに属する人間からすれば、いかに馬鹿げた固定観念に見えたとしても、それは容易には変わることはありません。

つくづく、人間というものはやっかいな存在です。

自分が属する会社組織、業界、学校、コミュニティ・・・そういう中にいると、自分が固定観念を持っていることにさえ気が付かない場合があります。

今まで当然のことと思って前提としてきたことが、実はなんの根拠もないことだったりするのです。

なので、そもそもの前提を疑ってみるということは重要です。たまには自分が属するコミュニティから一歩踏み出してみるか、または、自分がそういう固定観念を持っているかもしれないという自覚を常々もつようにすることも、やはり大事なことだな、と改めて思う今日この頃です。

ただし、私のように色々と外に踏み出し過ぎて道を踏み外した?人間もいるので、そこは気を付けましょうw

あと、私のように、「英語圏と日本語圏」、「IT業界と不動産業界」など、まったく異なるコミュニティを俯瞰しながら見ている立場にいると、色々ともどかしくて、「まるで自分ひとりが正気で他のみんなが狂っているのか、実はその逆だったりするのか、という悪夢の中にいるような・・・」というような状況が頻繁に起きます

精神の安定を図るのが大変であります(笑)。

中には、初めからぶっ壊れてしまって、広い視点で客観的に物事を見る事ができなくなってしまい、「出羽守」のようになんでもかんでも「海外では~」を連呼するおおばかものも現れます。特に、NYとかおフランスに在住、などと公言している人達に多い気がしますw

まぁ、人間というものはつくづくやっかいな存在であります。

自分としては、昔からそういう「出羽守」が大っ嫌いで、日本の優れた面も多く知っていますし、日本は大好きで日本を良くする為に煽り気味に辛口になることはあれど、バランスの取れた判断を保ち、決して「出羽守」のようにはなるまい、と自戒の念をこめて思う次第であります。

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