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なぜ、僕は暖かい家づくりにこだわるのか 〜その3〜

◎その2までのあらすじ

 お世話になった設備設計事務所で住宅に特化した熱計算・暖房・換気システムの設備設計・営業・施工監理・アフターメンテナンスまで一通りこなす毎日。縁あってDotプロジェクトとかかわりをもつことになり、最終的に事務局を受け持つことに。

◎暖房システム

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ここで少しづつ高性能住宅にマッチする各設備について書いてみます。まず暖房システム。住宅の性能が高くなると熱の損失は究極まで少なくて済みますので、北国においても小さなエネルギーで暖房が可能になります。

スイスのミネルギーハウス、ドイツのパッシブハウス、そしてDotプロジェクトもそうなのですが、なるべく小さなエネルギーで運用し、環境負荷を少なくするというのもその目指すところなのではないでしょうか。

PS社が提唱していたのもまさにそんなコンセプトの低温水暖房です。PS社は欧州の技術を日本で展開するパネルヒーターメーカーで、様々な形状の鉄製パネルヒーターを提案しています。

パネルヒーターの暖房はセントラル暖房と同義で、日本では主に北海道でそのシステムが発展してきました。セントラル暖房は熱源部・搬送部・放熱部の3つのパートに分かれます。

熱源部は文字通り、熱を作るところで暖房用の灯油ボイラー・ガスボイラー・電気ヒートポンプなどがそれに当たります。

搬送部というのは、熱源部で作ったお湯(不凍液)を放熱部に運び、放熱し終わったお湯を再度熱源部に戻す役割の温水配管他の部分です。

放熱部がパネルヒーターです。蓄熱暖房機や一般的なストーブには搬送部がなく、熱源部と放熱部が一体ですね。また、エアコンは室外機が熱源、配管が搬送、室内機が放熱部とも言える訳です。

僕のメインの販売アイテムは蓄熱暖房機からこのPSパネルヒーターに変わりました。PSパネルヒーターは色やサイズもフルオーダーなため、住宅の間取りを設計する段階から介入させていただき、建築の一部としてパネルヒーターを組み込んでいただく活動をしていました。

◎換気システム

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前述したDotプロジェクトの評価基準や暖房システムの容量計算においてはQ値での評価であったため、UA値と違い換気の熱ロスもカウントされます。

となると、通常の三種換気は大きな熱ロスとなり、不利であるためより熱ロスの少ない熱交換換気等が取り扱いの中心になっていました。

ドイツやスウェーデンの顕熱式第一種熱交換換気やダクトレス一種換気、デマンドコントロール式第三種換気など様々ありまして、マニアックです笑。

暖房も換気も一般的なシステムではなく、みんなが取り扱うものでもなく、イメージ的には設備のセレクトショップのようなものと自負していました。

◎太陽熱利用給湯暖房システム

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セレクトショップの存在する意味するところは、独自のセンスで品揃えをし、お客様にご指示いただくということだと考えます。

住宅の暖房・換気設備のカテゴリーで言うと、より消費エネルギーの少ない、環境負荷の少ない高効率な方法を模索することになります。

そんな訳で必然最新のレアな設備日々リサーチするのも大事な業務です。そのようなリサーチの一環としてある日、僕は日本国内の設備機器展示会の最大規模の「ジャパンホームショー」を訪れます。

大にぎわいで各ブース盛んに商談やらセミナーやらが行われている中、ふと妙にひっそりとしたブースに気がつきます。そしてそこに佇む風変わりな外国人と出会います。

「僕はなぜ暖かい家づくりにこだわるのか〜その4〜」に続く。

最後までお読みいただきありがとうございます。





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