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アルマトイ競馬場(Ипподром алматы)訪問記 Vol.2
訪問記Vol.1に続き、今回はカザフスタンダービーデイより、当日の場内の様子とアンダーカード3競走の模様をリポートしていきます。
・カザフスタンダービーデイ プログラム
今年の開催7日目に組まれたカザフスタンダービーデイは、ダービーを含むGI(以下全てローカルグレード)3競走に、GII3競走、カザフスタン産馬限定戦など計9レースが開催されました。
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※1KZT≒約0.3円
・場内イベントの模様
1Rの発走が現地時間15:00で、取材のため私は13:00頃に競馬場入り。
1Rが始まる前に場内をぐるりと歩き回りましたので、動画にて是非ご覧下さい。
正門をくぐると、まずはテュルク民族発祥の弦楽器コブズの演奏が我々を出迎えてくれます。
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入場は無料ですが、チケットオンというサイトで1枚1,000テンゲ(約300円)の抽選券付チケットを購入することができます。
この抽選、何と2名様にiPhone15が当たるという代物。半券を抽選箱に入れて、本日のレーシングプログラムを受け取ります。カザフスタンのレープロですが、正直なめてました。
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フルカラー仕様で、その出来映えはイギリスやフランスのレープロを見てるようです。
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騎乗するジョッキーは全て写真付き。勝負服も掲載されていて、非常にいい造りしてます。とても競馬後進国のデキじゃありません。
さて、場内をまわってみると、決して広くないパブリックエリアですが、フードエリアではバーベーキューやケバブの匂いが立ち込め、食欲をそそります。
隣には遊牧民の住まいであるユルトを再現したブースが建ち、伝統的なドレスや鷹匠の狩猟服に身を包んだスタッフと記念撮影を楽しんだり、馬乳酒のクミスやナッツ類の軽食をサービスでいただくことができました。
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更に、Kabirkhanの等身大パネルに跨れる記念撮影スペースが設置されてて、子どもから大人まで鞍の上に跨って撮影を楽しんでました。
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これも、競馬場の新たなスポットとなるでしょう。
・3R カザフスタンマイル(GII,ダ1600m)
第3競走に組まれたGIIカザフスタンマイル。
私が密かに注目していたのが、Paradise Sunsetという4歳の牝馬。今季、ポーランドから移籍してきた馬なのですが、父は何とシンガポール航空国際カップなどを制した、日本のシャドウゲイト‼️
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シャドウゲイトは現役引退後、アイルランドでスタッドインしましたが、これまで競走馬としてデビューした産駒はごくわずか。その中の貴重な1頭を撮影できたのは幸運でした。レースでは3着に敗れましたが、初勝利をあげる日は近いかもしれません。
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勝ったのは、Maxios産駒のドイツからの移籍馬Alaska Tiger。父はHigh Chaparralらと同期のSholokhov。障害で見るような血統ですね。
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1st Alaska Tiger (Maxios × Al Auintana)
2nd By Default (Kittens Joy × Autinent)
3rd Paradise Sunset(Shadow Gate×Looking Down)
2着に2秒近い大差をつける圧勝で、移籍後初勝利を手にしました。勝利騎手は4年前のダービージョッキーTabyldiev Ramazan。
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・4Rフェイヴァリットステークス(GI,ダ1600m)
第4競走のフェイヴァリットステークスは、2歳馬によるマイルのGI。
2年前にKabirkhanが制したレースで、今年はアイルランドのセリ会社Goffsがスポンサーを務めてます。
このレースで人気だったのが、地元カザフスタン産の牝馬Mariah。
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外国産馬に混じり前走のGIII戦を1秒以上差をつけて圧勝している、この世代のNo.1牝馬です。馬主さんには前日から個人的に大変お世話になっており、全力で応援しておりましたが、最後の直線で弾けきれず2着惜敗。勝ったのは北米産American Freedom産駒のArlan。前年のキーンランドセンプテンバーセールで、$3,000と安価で落札された馬です。
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Favorite Stakes
1st Arlan (American Freedom × Smoothover)
2nd Mariah (Make Memories × Magnoliya)
3rd Una Momento (Union Rags × And She's Gone)
管理するのはKabirkhanをこの地で育てたYuldashev Turganzhan調教師。2022年に続くこのレース2勝目です。
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敗れたMariahは、次走カザフ産馬限定の高額賞金レースを楽勝。レース前はロシア~ドバイなどへの遠征も夢として語っておられましたが、ひとまずは国内に留まるようです。
・5R クリテリウムステークス(GII,ダ1000m)
5Rは電撃の1000m戦。欧州のスプリント重賞と同じく、2歳馬も出走可能ですが、実際は3歳と古馬しか走りません。
ここは、昨年のカザフスタン1000ギニー馬Skylar Blakeが、スピードにモノを言わせて、後続に1.8秒差をつける大楽勝。オークス・ダービーで2着の実績もありますが、やはり本領発揮はスプリント戦。勝ちタイムも58秒台を記録しており、ワンランク上のロシアでもやれるのでは?と思わせる勝ちっぷりでした。
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1st Skylar Blake (Justify × Screaming Skylar)
2nd Yeah Nah (Kodiac × Anything Goes)
3rd Lasair(Mehmas × Tiz Only Me Daza)
本馬の父は北米三冠馬Justify。アメリカにとどまらず、City of Troyをはじめ欧州の芝でも活躍馬を出して世界的注目を浴びていますが、カザフスタンでもクラシックホースを輩出しています。従兄弟にカナダのチャンピオンスプリンターStacked Deckがいるなど、スピード豊かな血統ですね。
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Bakytzhan騎手は、デビュー6年目の24歳。昨年のカザフスタンダービーを制した騎手です。調教師も兼任してて、Skylar Blakeは彼の管理馬でもあります。
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口取りに出てきた際、優勝馬は馬術競技に見られるようなオシャレなリボンを、頭部につけてもらいます。
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表彰式には、もう1頭の管理馬Fine Chargerに騎乗してたKurmankozha騎手も登壇。馬のほうは残念ながら発馬不良で競走中止でした。
・コース上でのイベント
さて、ダービーデイは、レースの合間もコース上でイベントが盛りだくさん。前述の抽選会や置障害を設置してジャンピング(障害馬術)のデモンストレーション、中央アジア原産の純血アハルテケの展示などが行われるなど、レース間隔が30分しかない中で数々のイベントが行われ観客を盛り上げました。当然ながら、レースが進むにつれて、発走時間は遅れました😅
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アハルテケの透き通るように繊細な馬体と青い瞳は、本当に心奪われるような美しさでした。
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天使のように可愛らしい少女が、馬に跨りパフォーマンス
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ゴール前に設置されたVIPエリアでは、馬主や関係者がケータリングの食事とレース観戦を楽しむなど、
イスラム教国家で馬券の発売がないが故に、ギャンブルとは違う楽しみ方で、観客はダービーデイを満喫されてました。
アルマトイリポート最終回となる次回は、アンダーカードのGIベイバルスカップとメインのカザフスタンダービー。そして様変わりしたカザフスタンの競馬について記そうと思います。