龍谷大学公募推薦対策!10年分の文学史ポイント解説⑧
古文の文学史が苦手という人をよく見かけますが、文学史は①コアになる知識と、②その知識の使い方を覚える事で対応できます。11月は公募推薦が近いということで、何回かに分けて龍谷大学の文学史のポイント解説をしていきたいと思います。なお、この解説は龍谷大学の問題を解くのにあたって必要な知識に絞ってまとめております。学術的な厳密性や細かな知識よりも、問題を解くための情報を優先しているので、細かなツッコミはご容赦ください。
15年公募推薦
〈難易度〉
1/5
〈解説〉
これは典型問題として解けなければいけない。
『平中物語』は三大歌物語のひとつなので、同じく三大歌物語に含まれる『大和物語』④が正解。
〈ここだけチェック〉
『伊勢物語』と『大和物語』『平中物語』をあわせめ三大歌物語と呼ぶ。三大作り物語(『竹取物語』『宇津保物語』『落窪物語』)と合わせ、源氏物語以前に成立した6作品は必須で覚えたい。
『徒然草』
鎌倉後期に兼好法師が書いた随筆。三大随筆のひとつで、時代と合わせて、『枕草子』(平安/清少納言)と『方丈記』(鎌倉前期/鴨長明)とともに覚えておく。
『雨月物語』
江戸時代後期に上田秋成が書いた。
『保元物語』
1156年に起こった保元の乱を描いた軍記物語。
15年公募推薦
〈難易度〉
1/5
〈解説〉
『発心集』は鎌倉時代に鴨長明が書いた説話集。『沙石集』が鎌倉時代の説話という知識から解きたいが、仮に知らなくても『枕草子』が平安、『奥の細道』『玉勝間』が江戸という所から消去法で正解したい。
〈ここだけチェック〉
『発心集』
鎌倉時代に成立した鴨長明の説話集。鴨長明の作品では他に三大随筆のひとつ『方丈記』(残りは清少納言の『枕草子』と兼好法師の『徒然草』、歌論の『無名抄』を覚えておく。
『枕草子』
平安時代に清少納言が記した随筆。三大随筆のひとつ。
『沙石集』
鎌倉時代に無住によって書かれた説話集。
『奥の細道』
江戸時代に俳人の松尾芭蕉が記した紀行文。
『玉勝間』
江戸時代に国学者の本居宣長が書いた随筆。『古事記伝』とともに覚えておきたい。『源氏物語玉の小櫛』や『うひ山ぶみ』なども書いた。
13年一般
〈難易度〉
2/5
〈解説〉
八代集は苦手な人が多いが、龍谷大学を受けるのであれば覚えておきたい。八代集に含まれるのは③の『詞花和歌集』。
〈ここだけチェック〉
八代集
『古今和歌集』から始まる八代によって作られた勅撰和歌集のことで、順に『古今和歌集』『後撰和歌集』『拾遺和歌集』『後拾遺和歌集』『金葉和歌集』(きんようわかしゅう)『詞花和歌集』『千載和歌集』『新古今和歌集』が含まれる。『新古今和歌集』のみ鎌倉時代に成立。
奈良時代に成立した『万葉集』(代表撰者は大伴家持)、平安時代に成立した『古今和歌集』(代表撰者は紀貫之)、鎌倉時代に成立した『新古今和歌集』(代表撰者は藤原定家)の三大集とともに覚えておく。
『金槐和歌集』
鎌倉時代に成立した源実朝の私歌集。私歌集に関しては西行の『山家集』とともに押さえておきたい。