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授業に遅れた子への指導【エピソード編】

教員生活2年目。4年生の担任時の出来事。
 
一人の男子児童が、授業に遅れてきた。チャイムが鳴った後、後ろの扉から走り込んできて、私に何も言わず、自分の席に着こうとした。
 
「どうして遅刻したんだ?」と、私は尋ねた。「遊んでて遅れました。」息を切らして答えた彼。日頃、わりとお調子者の男の子。注意を受けることはちょこちょことある児童だった。そして彼は代表委員(クラスのリーダーの一人)でもあった。

当時の私は、

「代表委員はみんなの見本になるべき。それなのに、授業に遅刻するとは何事だ」

そういう考えをもっていた。
 
だから私はすぐに叱った。

「君は、代表委員だろう。なぜ遅刻した?自覚はあるのか?」

強い口調だった。その子はみんなの前で叱られて、泣いていた。当時の私は「叱る=期待の裏返し」と考えており、リーダーに対してはこれくらい言って当然と思っていた。
 
 
そもそも、相手にしているのは、若干10歳の子どもたち。
遊ぶのが好き、友達と話すのが好き、体を動かすのが好き…休み時間には思い思いの過ごし方をする。彼が何をして遊んでいたかは分からないが、何かに夢中になっていて、時間を忘れて楽しんでいたのかもしれない。

だが、当時の私は、子どもたちの子どもらしさを受け入れる余裕がなかった。時間を守らせるとか、規律を正すとか、そういうことばかりに目がいってしまい、望ましくないと思った行動に対しては、徹底して言わなければというマインドになってしまっていた。それが学級のリーダーならばなおさら、厳しさをもって伝えることが当然という考えだった。
 

正直、子どもたちが授業に間に合わずに帰ってくるなんて、全国のあらゆる教室で起こっていることだと思う。この状況で、どんな声掛けをするかは、先生方の教師哲学によるところだと思うが、今の私ならば、こんなやり方は絶対にしない。

【考察編】へ続く
 



このブログでは、現役教員としてたくさんの失敗を積み重ねてきた私が、当時の失敗を今ならばどうするかという視点をもち、書いています。教師として働いている皆様に向けたヒントとなることがあれば幸いです。
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