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教員生活1日目の教室

学校現場は、4月1日から新年度の準備が一斉に始まる。
土日の兼ね合いが悪いと、準備期間が2~3日しかないことも。確か私の教員生活1年目もそんな準備期間の少ない年だった。配属は4年生。前もって学年主任の先生から、学級開きをする上での必要なことを教えていただき、いよいよ迎えた当日。

着任式。
体育館で挨拶をした。若さだけが取り柄の私。はつらつとした声で挨拶をした。出だしは好調だ。そして、担任発表。若い先生に子どもたちは嬉しそうだ。そして、教室へ。

子どもたちを座らせ、「さて、私の自己紹介をしよう」と思って名前を黒板に書こうと振り返った。その時、1人の児童が質問してきた。

「先生、明日の時間割ってなんですか。」

まぁ気になるのも無理はない。明日は子どもたちにとって大事な学級委員決め、係決めなどがある。これも、この日にきちんと伝えなければならない情報。もちろん後で伝えるつもりだった。だが、その時の私は質問を受け、とっさに「そうか、伝えないと!」と思ってしまった。

「あぁ、そうだったね。じゃあ、時間割をかこうか。」

そう言って児童の質問に答える形で時間割を書き始めた私。子どもたちと出会ってからの5分を、時間割を書くことだけに使ってしまったのだった。


学級開きは、先生と子どもの出会いの場。子どもは先生を見て、期待に胸を膨らませる。「次の先生は、どんな人かな」「優しい先生かな、怖い先生かな」「面白い人だといいな」など、いろいろな思いが渦巻く教室に私たちは足を踏み入れる。

出会ってすぐの5分間は、そうした期待と不安が入り混じる教室を期待に変えていく勝負の時間だ。やり方は様々あるが、自己紹介をしつつクイズを交えてもよいし、こんなクラスを作りたいという思いを伝えてもよい。クラスのルールについて話す先生もいるかもしれない。そこに教師のキャラクターが現れ、子どもたちに期待感をもたせられていたら成功だと思う。

明日の時間割を書いたとて、私の人となりは分からない。ましてや、これから始まる1年間に対する期待感は、まずもてない。その観点から、私の1年目の学級開きは明らかに失敗だった。

教師なら、子どもとの出会い方にはこだわりたい。だからこそ、子どもに振り回されないこと。

「あとで話すから、待っててね。今から先生の自己紹介をします。」

と言って始めればよかった。

初対面はやはり大切。戦略を練った上で、素敵な出会いを演出したいものだ。 
次回は、初対面の重要性についての私の実感を書きたいと思う。


このブログでは、現役教員としてたくさんの失敗を積み重ねてきた私が、当時の失敗を今ならばどうするかという視点をもち、書いています。教師として働いている皆様に向けたヒントとなることがあれば幸いです。
また、時には教育の世界に向けた私自身の思いを語る場になることもあるでしょう。

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