つれづれなる構造屋 vol.14
ハタ坊だじょー
日本建築行政会議さま主催のBIM操作講習会に出てくるよう会社から指示がありました。
前提を概略でざっくりお話しすると
設計者がBIMデータで申請→確認機関がBIMデータを審査→みんなハッピー
という遠大な計画のなかで、審査機関側もBIMの理解を持ってないとマズいわけですね。
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国交省の動きですが、
2026年春のBIM図面審査スタート、2029年春のBIMデータ審査
を政府目標に掲げています。
掲げた以上は必着です、議論の余地なし。成果程度の濃淡こそあれ、議論の余地あり、と心中で期待。
その前の2025年の電子申請本格稼働という目標も含め、もう何年か前から各種ワーキンググループが発足し
私もごく一部参加していますが、ソフト開発やシステム構築に勤しんでおります。
システムをゼロから作り出す、というのは本当に本当に大変なことで、広く様々な立場の人の意見を吸い上げ組み立てると同時に、トップダウンで進めなくては何も決まらない、ある意味では矛盾した組織が必要と考えます。
判断のベースとなる理解がトップにそもそも備わってないとお話にならないのよ。
注:一般的な話です。
構造計算書を想定した『BIM由来でない申請図書』を申請項目に加えてもらうのに相当な期間がかかったことだけ書いておきます。
BIMだけ(図面だけ)を審査する訳ではないことがご理解を頂けたようでなによりです。
現行の構造審査に照らして言うと
①意匠図と構造図の整合確認
②構造図と構造計算書の整合確認
③構造計算書のモデル審査
に大別されますが
BIMで省略できるのは①だけになりそうな見通しです。
BIMとSS7は連動してなくても良いらしいです。我々が整合確認すれば済むらしいです。
二次部材や杭などは最初から諦めていましたが、電算も、、、か。
①②③でBIMを使えば①が省略できそう、全体の5%くらいでしょうか。
うん、ハッピーハッピー。手間の増が5%でペイ出来たら良いなぁ。
皮肉よ、伝われ。
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追記
講習会に出席してきました。
疑義発信など行っている最中ですが、①すら省略できない見込み。
マジか。
省略できるのは構造図の間の整合確認、つまり構造伏図と構造軸組図の整合確認など。
それって、ほぼ不要なんですよ。
なぜなら構造伏図は電算伏図と、構造軸組図は電算軸組図と整合確認するから。
強いて言えば、構造伏図と構造軸組図は確実に整合している、電算伏図と電算軸組図は確実に整合している、ので
どちらかを整合確認すれば、もう一方はほぼスルー出来るかもしれません。
マジで省略できるの極一部じゃん‥
出来ないことが有るのは仕方ないんですよ。出来ないことに目をつぶって、審査省略したら審査日程が短縮、とかお花畑なことを言ってるのが許せない。
旗振り役が楽観的な言葉を発したら中身を把握しない層が自動で楽観的になってしまうので、そこは慎重なものの言い方をして欲しいものだ、と思います。
旗振り役が中身を把握していない時はどうしたら良いのだろう。