つれづれなる構造屋 vol.19
とある日に電話が鳴りまして
相手「中間検査の是正の件で構造に電話するよう、検査員さんに言われたのですが」とのこと。
当然ですが電話は構造計算適合性判定部門に掛かってきた電話です。
当然ですが構造適判は検査に関わりません。
当然ですが検査の是正は検査部門若しくは確認審査部門です。
意匠屋さんが電話してきたのかな、と思いつつ
私「失礼ですが、どちらにお電話されようとしていますでしょうか。この電話は構造適判に掛かってきているのですが、確認審査部でしょうか?」
そしたら
相手「そちら構造ですよね?構造にかけてるんですよ、御社から構造にかけろって言われたんですよ」
あっ、構造って文字しか見えてない人だ。確認と適判とか知らない人だ。
どこの機関のホームページも似たり寄ったりですが
・確認申請
・検査申請
・構造適判
・省エネ適判
・住宅性能
・などなど
でトップページが分類されているかと思います。
日ごろ構造に関わらない人は、トップページで「構造」って見て、ここだ、って思うようです。
似た話では、省エネ適判の電話が構造適判に掛かってきたり。
申請の大枠くらい理解して欲しいなぁと思うとともに
一番のガンは、構造設計者の検査に対する関わりが少ないことだと思っています。
意匠屋さんに構造のことを分かって欲しい、とは特に思ってないです。分からないのが当たり前ですから。お互い様です。
だからこそ構造の分野で意匠屋さんが勝手に構造図を直したり・直さなかったり、現場の構造のことで窓口になったりされると、問題がこじれると言いますか分かるものも分からなくなってしまう。
契約の話があるのは理解しているのですが、どっと疲れるんで何とかならんかね。
余談ですが
上屋と基礎底版まで構造設計して「必要地耐力は〇〇」までしか言わず
地盤の許容支持力は地盤調査会社任せ・意匠設計者任せ(地盤改良メーカー任せ)という方が小規模建築物だと一定数いらっしゃいます。
職責とは何だろう。
内心では「構造設計者」ではなく「構造計算者」だと思ってますが、彼らにも生活があり、そーゆー請負契約を意匠屋さんと結んでるらしいので。
…何とかならんかね。